ブルースRed (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2024年8月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167922597

作品紹介・あらすじ

【誰にも負けなかった釧路の女が、裏切りに抗ってでも、最後に守りたかったもの】

父の死という重い十字架を背負った女・影山莉菜は釧路の街を裏社会から牛耳っていた。
だが、かつてのやり方では街を支配できなくなり、後継ぎとして、育ててきた青年も……。
多くの裏切りに直面した彼女が、人生の最後に見た景色とは。
(解説・宇垣美里)

みんなの感想まとめ

物語は、釧路の裏社会で生き抜く影山莉菜の強さと葛藤を描いています。父の影を背負いながらも、彼女は街を支配するために冷静に行動し、裏切りに直面しながらも自らの信念を貫く姿が印象的です。ハードボイルドな雰...

感想・レビュー・書評

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  • 桜木紫乃『ブルース Red』文春文庫。

    『ブルース』の続編。『ブルース』は極貧の中から這い上がる影山博人という孤独な男と、彼に溺れる女たちの姿を描いた連作短編集だったが、本作では影山博人の娘の莉菜を主人公に釧路の街で父親の影を追う独りの女の熱い生き様を描いている。

    本作は、ワルい女を演じる独りの女性を主人公にしたハードボイルドのような風合いの不思議な小説であった。著者は敢えて意識してなのか、端々で多くを描かず、読んでいると逆にその描かれない部分に想像が膨らんでいく。

    タイトルの『ブルース』のような小説ではなく、古いジャズの雰囲気が全編に漂う骨太の小説である。主人公の影山莉菜は街を支配するためには女衒にも殺人者にもなるのだ。


    霧の立ち込める釧路で極貧の中、六本の指を持って産まれた影山博人は、自ら六本目の指を切り落とし、夜の支配者としてのし上がる。しかし、博人は殺害され、博人を殺害した男は娘の莉菜に嬲り殺される。


    かつて父親の用心棒を務めた齋藤弥伊知に助けられながら釧路の街を裏社会から牛耳る影山莉菜は、昔のやり方では街の支配が難しいと知り、父親の忘れ形見ではある松浦武博を跡継ぎに考える。

    武博を釧路の市長に据え、後には国政に進出させようと陰から手を差し伸べる莉菜の前に、かつて博人により市長の座を奪われた元市長の娘が現れる。元市長の娘で女医を務める儀俄内あすみは、莉菜の助言で釧路市長に立候補し、あっさり当選してしまう。

    あすみは市長を3期務めた後、その座を武博に譲るという約束だったが、莉菜はあすみと武博、武博の父親にまで裏切られ、釧路の街を捨てる決意をする。

    本体価格700円
    ★★★★★

  • ブルースの続編。
    殺された義理の父から娘に主人公が交代。
    前作もそうだったと記憶しているが読んでいる時に頭でイメージするのだがずっと白黒映像で展開していくのが妙に心地良かった。
    内容は影山博人の後継者となり釧路のフィクサー的な役割として生き抜いていく様を描いているのだが、事柄に焦点を当てるのではなく、生き様そのものを冷静に淡々と描いているのがハードボイルド的というか渋くてカッコ良かった。
    また、博人を父としてだけでなく、男としてヒロトと表現しているのもカッコ良かった。
    タイトルに相応しい作品。

  • どなたかの本棚で、図書館予約
    単行本で読みました

    〈 誰にも負けなかった釧路の女が、裏切りに抗ってでも、最後に守りたかったもの 〉
    〈 死に場所を求め、生きる女。裏切りの果てにたどり着いた終焉の地とは。〉

    釧路の街を、裏社会から牛耳る影山莉菜、かっこよかったです
    ずっと湿った中だったけれど、ラストは……
    少し違和感も感じつつ、本を閉じた

    ぐいぐいと読ませるさすが桜木紫乃

    先日釧出身の方にお会いして
    「釧路は桜木紫乃さんですよね」と言ったら喜ばれた

    ≪ 名を消して 裏切り超えて 息を吐く ≫

  •  前作より続編。偉大なる父を亡くし、その後を継ぐ義理の娘の莉菜の人生を描いている。

     話はハードボイルドで、裏の世界が描かれている。淡々と歳月が進み、余計な文章はなく、読みやすく、面白かった。

     前作より、終始暗いが、その暗さが好きで、くせになる。

  • 『ブルース』の続編として本書を手に取った読者は、影山博人に恋をしていると思う。

    本書の主人公:莉菜は、継父の博人に恋焦がれ、この世にいない博人の亡霊をいつも追いかける。
    莉菜の目標は、博人の遺伝子を受け継いだ武博を、代わりに担ぎ上げること。
    道東の釧路の裏社会を牛耳るも、その土地をどこかで恨んでいる。

    『ブルース』は博人の視点で描かれなかったが、本書は莉菜の視点でしか語られていない…両書とも【女目線】なのだ。

    「男と違って女のワルには、できないことはない」は莉菜の呪縛ではなかったのか⁈
    紫乃氏作品は、余韻が凄い。

  • 前作があるというのも知らず「北の街に生きるダークヒロイン誕生」という帯に誘われて買ってしまうが、完敗。
    酷評するくらいなら読むなよって自分でも思うが、なんだこの有り得ない設定は?
    前作を読めばオモロいのか?
    しかし時すでに遅し、このシリーズは読む気が起こらない
    なんで釧路の小さな町で、こんなダークヒーローが存在する?
    ボディガードが必要な存在って?
    弥伊知って名前ダサッ。(水戸黄門の弥助を思い出す)
    ハードボイルドっぽくカッコつけてるつもりの設定や文書が最高にダメな感じ

    この文章で不快に思われた方もいらっしゃると思いますが、あくまで個人の感想なんでお許しください。

  • 「男と違って女のワルには、できないことはない」
    前作「ブルース」の続編で、連作短編集という形式は同じでも、今作は影山莉菜の視点での物語が続く。

    明確な描写があるわけではないが、裏切りと犯罪の臭いが漂い、これまでに私が読んだ桜木紫乃さんの小説の中でも、ノワール度が高い。

    人の悪意が恐ろしく、夜寝る前に読んだら寝覚めが悪くなりそうな作品である。

    影山莉菜の半生が描かれているが、何が幸せとか、不幸せとか、そんな尺度では測れない物語だった。

    宇垣美里さんの文庫解説が冷静さを失っているかのように饒舌で、ハマる人にはハマる作品なのだと思う。

  • この本に前作があることを知らず、ただ表紙とタイトルに惹かれて買って、数カ月かけて読みました笑
    それでも面白かったし、りなという女性の、強さと弱さが綺麗に、でもそんな綺麗なものではないように、描かれていて、素敵でした。

  • 続編
    静かに終わった感じ

  • 続編で面白いってあまりないけど、これはよかった。暗くても生きていけると思える。

  • 最後まで気づかずに読了したが、以前読んだ『ブルース』の続編的な作品とのこと。『ブルース』の主人公・影山博太郎の血のつながりのない娘・莉菜が主人公。父の跡を継いで釧路のダークサイドを仕切っている。最後はその役を降りているんだけど20年超にわたる物語。
    釧路は行ったことないけどこんなにダークな物語がある街なんだろうか。ダークサイドに集まる歪んだ人たちばかりの物語でちょっとなあという感じ。博太郎の言葉で「男と違って女のワルには、できないことがない」というのはなかなかの至言であり真実のような気がする。

  • 父の死という重い十字架を背負った女・影山莉菜は釧路の街を裏社会から牛耳っていた。亡父である博人の血をひく青年を自らの後継者とするため、代議士への道を歩ませようとする。だが、かつてのやり方では街を支配できなくなり、後継ぎとなるはずの青年も…(e-honより)

  • 「ブルース」で影山博人が亡くなり、娘の莉菜は博人の後継者として釧路の街を裏側から操っていた。
    博人の落とし胤である武博が成長するに従い、各々の思惑が絡み合い、次第に様相を変えていく街。莉菜は最期は一体どこに行き着くのか…。
    女のワルにはできないことはない、とは博人のことば。そのことばが呪いのように莉菜を突き動かしているようで切なくなる。

  • 釧路の裏社会を仕切る男の死後。妻と娘が跡を継ぐと書けばハードボイルドだが、娘の心象で語られていく。残された女の哀しみ。

  • 【誰にも負けなかった釧路の女が、最後に守りたかったもの】釧路の街を裏社会から牛耳る影山莉菜は、ある青年を代議士にしようとしていた。人を裏切り、裏切られてきた女が最後に見た景色とは。

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著者プロフィール

一九六五年釧路市生まれ。
裁判所職員を経て、二〇〇二年『雪虫』で第82回オール読物新人賞受賞。
著書に『風葬』(文藝春秋)、『氷平原』(文藝春秋)、『凍原』(小学館)、『恋肌』(角川書店)がある。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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