コロラド・キッド 他二篇 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2024年9月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784167922795

作品紹介・あらすじ

恐怖の帝王、デビュー50周年記念刊行の第4弾は、日本オリジナル中篇集。

日本初登場の2018年作「浮かびゆく男」に、幻の中篇2作をカップリングする豪華仕様で、初心者には入門しやすく、マニアは歓喜する逸品!

「浮かびゆく男」
冒頭を飾るのは、リチャード・マシスンの名作「縮みゆく男」、そしてバックマン名義の自作「痩せゆく男」を想起させる好作品。
舞台はあのキャッスルロック。ITデザイナーのバツイチ独身40男スコットは190cm、120キロはあろうかという大男だ。ところが、外見はまったく変わらないのに、体重だけが減りつづけるという不思議な現象に悩まされていた……。
ホラーストーリーにもなりそうな設定から、まさかのハートウォーミング展開という、意表を突く一篇だ。

「コロラド・キッド」
メイン州の小さな島の新聞社にインターンでやってきたステファニーが、ふたりの老記者ヴィンスとデイヴから聞かされる奇妙な物語――。
今をさること20年前のある朝、島の海岸でごみ箱に寄りかかってこと切れていた身元不明の男の遺体が見つかる。ヴィンスとデイヴは「コロラド・キッド」と呼ばれるようになった男が、なぜ縁もゆかりもない島にやってきて命を失うことになったのかを執拗に追ったが……。
かつて『ダークタワー』シリーズのノベルティとして応募者のみに抽選で配布された非売品、という幻の作品が、18年の時を経て一般発売。ファン垂涎、という言葉がこれ以上あてはまる作品もそうはない。

「ライディング・ザ・ブレット」
メイン州立大学に通うぼくに、ある夜電話がかかってきた。母ひとり子ひとりでぼくを育ててくれた母が倒れたというのだ。ぼくはヒッチハイクで夜を徹して病院に向かうことを決意する。ところが乗り継いだ車の運転手の様子がどうもおかしい――。
2000年に単行本で刊行されてから、長く幻の一冊になっていたホラー中篇が復刻。
少年時代の奇怪なできごとを主人公が回想するスタイルで、恐怖のみならずほろ苦いノスタルジーを描き出す……。まさにキングの得意中の得意とする手法を楽しめる。

三者三様、しかしていずれもキング以外の何ものでもない筆が光る、読み応えたっぷりの一冊で、ぜひ帝王の50周年を祝ってください!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

多様なテーマを持つ三篇の短編が収められており、それぞれが異なる読み応えを提供します。「浮かびゆく男」では、日常の中の不思議な現象がリアルに描かれ、読者にゾワッとした感覚をもたらします。「コロラド・キッ...

感想・レビュー・書評

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  • エモすぎて心臓を掴まれまくり!スティーヴン・キングの中編短編3作を収めた作品集 #コロラド・キッド

    ■はじめに
    スティーヴン・キングの中編2編と短編、計3作を収めた作品集。巨匠キングのパワーを感じられる内容で、ドエンタメをベースしながらホラーや超自然的現象もある。短いお話ながらどれもエモさも抜群で、心臓をぎゅと掴まれること請け合い。

    本作に収められている作品は、これまで手に入りづらかったとのことですが、どれもキングらしくて面白い! どれも気軽に楽しめ作品ばかりなので、未経験の方にもオススメですね。

    ■各作品のレビュー
    ●浮かびゆく男
    なぜか体重が徐々に少なくなって初老男性。体調変化に憂慮しつつも、隣人たちとの関係性改善を願う物語。

    超自然的でありながらも、描いているのは素朴な人間同志の繋がり。土曜の深夜に観たくなる映画のように、感受性を高めてじっくりと味わいたい作品です。

    主人公スコットが優しいんよ、この包容力こそ男子たるものですよ。中盤ディアドラからクドクド言われる場面なんか、私ならその時点で完全にブチ切れですよ。いやー心が広い。

    マジ泣けるのは、なんつってもミシーからの電子メール 。人間生きてると色んな不遇があって、その結果と対策から人柄が形成されていく。それでも人の思いやりがさえあれば、より良く変わっていけるんすよね~ 一見あたりまえのように聞こえるんだけど、これが難しくてね、ほんとに。

    あまりにいい話でしたわー、そしてなんとなく夜空を見上げたくなったのです。

    ●コロラド・キッド
    90代と60代の超ベテラン記者二人と、女性の大学院インターン生がジャーナリズムについて語り合う物語。過去におこった奇妙な事件「コロラド・キッド」について考察を深めていき…

    ★5 おもろい!何これ!

    序盤おじい二人と頭の良さそうなねーちゃんの会話がずーーーーっと続いて、何なのこれって感じなんですが、中盤から一気に事件の謎が押し寄せる。もう止まらない。

    事件の言い回しや情報の出し方や、会話があっちゃこっちゃ派生する感じが粘着質たっぷりで大好き。これぞアメリカンエンタメ小説ですよ。セリフを眺めてるだけで目と脳が悦ぶ感じなんです。

    終わり方もいいなぁ~ ぜひ最後まで作品を味わって作者からの「あとがき」までしっかり読んで欲しい。自分が本作を読みながらなんとなく感じてたことが書かれてました。そうそう、丸ごとふくめて楽しむのが人生っすよ。

    ●ライディング・ザ・ブレッド
    大学生の寮で暮らしているアランは、母が脳卒中で倒れたと連絡を受ける。急いで帰りたいと思いつつも経済的に苦しい彼は、ヒッチハイクで実家に向かうことにした。途中ヒッチハイクがうまくいかず途方に暮れいると、ふと墓地が見えてきて…

    ホラーとエモさの融合っぷりが半端ない短編。親としての気持ちも、子どもの気持ちも、痛いほどよくわかる。私は既に母を病気で亡くしてまして、特に物語の後半は胸に詰まるものがありました。

    腎臓が悪かった母に、自分がドナーになれないかと提案した時は、めちゃくちゃ怒られましたね。親になってみるとその気持ちは当たり前なんですが、ガキだった私には今一つ理解できなかったなぁ。ただもっと一緒に時間を過ごすべきだったと後悔もしてまして… これからは存命中の父や今の家族の時間をもっと大切にしたいと思います。

    ■おわりに
    スティーヴン・キングはデビュー50周年なんですね。まだまだ新作があるということで、もはやバケモンすね、マジ凄い。まだ名作と言われている作品がいくつも読めてないので、しっかり時間をとって楽しみたいです~

  •  スティーブンキングは映画の作品を数作観たことはありましたが、小説は初めて読みました。

     面白かったです。
    3作収録されていますが、どの作品も毛色が異なり、どれも読み応えがありました。

     今後、スティーブンキングの作品が本棚に増えそうです。

  • 2024/11/28 読了
    『浮かびゆく男』――「命の期限を知ってしまった時、残された人生を如何に生きるか」というテーマをキングが料理すると、こうなるのか。ベタにいくと主人公は癌等々の不治の病に侵されるのだが、本作は毎日着実に体重が減っていく、しかも着衣で重りを付けても体重は変わらないというあり得ないことが起きている。最後は体重がゼロ(かそれ以下)になって“昇天”。読みながら、こんな最期は怖すぎると思ったのだが、読了後に思い返すと、世の中にひとつ良いことをして、友人に見送られながらの満ち足りた最期であり、これはこれでハッピーエンドなのだろう。
    『コロラド・キッド』――コロラド州で妻子を残して失踪した男が、メイン州の小島の海岸にて死体で発見された未解決事件の話。地方紙の老記者二人とインターンの三人による会話劇だが、解決はないし、ある程度でも筋の通った解釈も為されない。「大いなる謎は、謎のまま」か? 尚、作中で『ジェシカおばさんの事件簿』という懐かしいTVドラマのタイトルが出て来た。ジェシカおばさんの地元、キャボット・コーブもメイン州だし、言及されるのも自然な成り行きなのか?(そう言えば、“メイン州”という州があることを知ったのもこのドラマを通してだった)
    『ライディング・ザ・ブレット』――急病で倒れた母親を見舞うため、ヒッチハイクで地元に向う青年を、月夜の墓地の前で乗せてくれたのはこの世ならざる者だった、というお話。ヒッチハイクが本邦で馴染まない(割と夜遅くまで稼働してくれる公共交通機関に感謝!)ので今ひとつピンと来ない話だった。日本でクルマ絡みの怪談といえば、タクシーが深夜に客を拾って目的地(往々にして墓地)に着いたら姿が消えていた、っていうやつだが、欧米ではヒッチハイクで乗せてくれたのがヤバいやつだったというのは、定番のひとつなのだろうか。

  • 期待してたから残念、と言うか期待値高めに臨んだ私が反省。
    3編になる中編集。面白かったのは「浮かびゆく男」あり得る様なリアルな日常を描いててゾワッとした。表題作のコロラドキッドは私の読解力では分からなかった。

  • 2025年9月28日読了。2024年発表のキング短編集。体重が軽くなり続ける男の物語『浮かびゆく男』、未解決事件の謎をたどる表題作、過去ネットで発表された中編ホラー『ライディング・ザ・ブレット』の3編。読み味の違う物語で楽しめたが、共通するのは「理不尽さ」であると感じた(表題作は特に)。突然人生に訪れる事件や変化は、その因果関係がわかってもわからなくても完全に解決できるものではなく、それと付き合う必要がある・その理不尽さも含めての人生なんであるが、当人がそれを納得して受け入れられる日々は永久に来ないのかもしれない…。まあ自分が仕事や家庭で感じる理不尽など、突然宇宙人が襲ってきたり亡霊が取引を持ち掛けてきたりすることに比べれば大したことはないもんだ。

  • ずっと気になっていたコロラド・キッドがついに読めてよかったです。
    もともと「ジョイランド」のあとがきで本作を知り、「ジョイランド」がホラーよりもミステリー寄りだったので本作も謎解きがあると思っていたら違いました。
    ラストは賛否両論あると思いますが、私は面白かったです!

    ライディング・ザ・ブレットは私が一番最初に読んだキング作品で、キングを好きになったきっかけだったので文庫化は嬉しいです。
    最も印象に残っていた最後の一文が単行本版と違ってびっくり。
    最後の一文は単行本版の訳の方が私は好みでした。

  • キングのデビュー50周年を期に、日本オリジナルで編まれた作品集。初訳の「浮かびゆく男」、新潮文庫で訳出されたが非売品だった表題作、アーティストハウスから単行本として刊行された「ライディング・ザ・ブレット」の3篇を収録している。
    ぼくにはどれも初読で新鮮だったが、リチャード・マシスンへのオマージュに満ちた「浮かびゆく男」がたまらなくおもしろかった。表題作は意外な謎解きミステリーだがいまいち、「ライディング〜」はキングらしい作品ではあるものの満足度は低い。

  • 『浮かびゆく男』が面白かったかな。

  • 【幻の2篇+新作、50周年記念刊行第4弾の日本オリジナル中篇集】市販されなかったレアな表題作、長く絶版だった『ライディング・ザ・ブレット』、新作『浮かびゆく男』を収録したファン必携の逸品!

  • コロラド・キッドのあとがき、すごく良いです。ミステリファンはこの作品をつまらないと感じるかもしれませんが、私は好きでした。キングの「謎」と「物語」への思索が詰まっていると思います。アメリカの田舎の海辺の町と、そこに住む人々の描写も好みです。
    他2篇もクオリティが高かったです。叙情性と心理描写がしっかりしていると、ストーリーテリングの良さが際立ちます。

  • やっぱりキングは面白い!一作目は相変わらずキャッスルロックの人はモーと思ったり、でもラストに切なさもあり。恐怖要素は薄めだけれど、しっとりとした味わいにある作品で良かった。キングはホラーで好きになったけれどこういうのも楽しめるようになってきた。

  • 「浮かびゆく男」2018年、「コロラド・キッド」2005年、「ライディング・ザ・ブレット」2000年。
     キングの中編小説3本を収めた作品集で、一番長い「コロラド・キッド」は邦訳で200ページもあり、日本では普通に長編小説で通る長さ。一番短い「ライディング・ザ・ブレット」でさえ80ページほどある。
     この3編を私が5段階で評価するとしたら、順に5点満点、3点、4点。
     とにかく巻頭の「浮かびゆく男」が素晴らしい。
     見た目や体積が変わらないのに体重がどんどん減ってゆく男性の、不条理なホラーSFで、合計20キログラムのダンベルを持って体重計に乗っても体重の数値は変わらず、人を抱きかかえてみるとその人は宇宙の無重力空間にかるかのように髪を逆立ててふわりと浮いてしまうというから、恐らく、反重力的な現象なのだろう。
     しかし、この作品はなんにも怖くないのである。それは、渦中の男スコットは将来に待ち構えているに違いない死を全然おそれていないからだ。楽観視しているのではなく、死ぬなら死ぬでしかたがない、と静かな諦観の境地にあるのだ。
     むしろこの作品は主人公の死へと向かいながらも明るく、ヒューマニスティックなファンタジーを描き出し、極めて感動的な作品となっている。
     舞台はキングお気に入りの架空の田舎街、キャッスルロックなのだが、そこの住民はどうやら古びた保守主義者で共和党支持者が大半であるらしい。
     レズビアンで同性婚をしたと公言してはばからない女性2人が街にやって来てレストランを構えると、古い頭の住民たちは彼女らを嫌って迫害する。アメリカはジェンダー問題に関してすこぶる進取的というイメージがあったが、田舎町なんかではやはりこうした雰囲気なのかもしれない。この部分、ちょうど第2次トランプ政権がいきなり「多様性」排除の大統領令を発し始めた現在と見比べて、ははあ、アメリカでもこの手の人たちが血気盛んに粋がってきているんだなあ、と感慨深い。ちなみに本作発表年は第1次トランプ政権の時代。
     体重の減る男スコットが彼女らを一生懸命救ってやり、そのことで彼女らもようやく心を開き、街の人びとも彼女らの存在を認めるようになる。素晴らしいメルヘンではないか。
     仲間たちの温かな支えに囲まれながら、スコットは体重1キロを切って死んでゆくのだが、スコット自身の静かな境地と友人たちの温かい友情のおかげで、むしろハッピーエンドであるかのような輝きを伴いながら、物語は終わる。
     敢行時すでに71歳に至ったキングは、「恐怖の大王」から豊かさを増して、このように温かいファンタジーを書いてのけた。私はこの作品を最高に素晴らしいものと感じたし、この1作のためだけにも、これはいい本だよと人に勧めたくなる。
     が、次の表題作「コロラド・キッド」はホラーならぬミステリーで、しかもあまり面白くない。キングはある時期からミステリも書くようになったのだが、私は実は今まであまり興味がなくて読んでいなかった。近いうちにキングのミステリーも読んでおきたいとは思っているが、本作はどうも好きになれなかった。はぐらかされたような感じが強すぎた。
     最後の「ライディング・ザ・ブレット」は正統派の、アイディア自体は結構「ふつう」なホラー。本書の中では唯一「怖さ」のある作品。出来はまあまあといったところか。

  • 未訳作を含む中編3作。

    「浮かびゆく男」の中にお馴染みのキャッスルロックに住む〝結婚した〟レズビアンカップルが出てくるが、ひっそり隠れ住んでるならともかく、〝結婚した〟レズビアンなどとんでもないと保守的な共和党員から嫌がらせを受け、住民同士で分断を生む…というあたりがものすごくリアルに今のアメリカを表していると実感する。

    「ライディング・ザ・ブレット」はとてもキングらしい短編。

    表題の「コロラド・キッド」は理解はするが正直不完全燃焼。

  • 表題作コロラド・キッドはオチにはふえええ?と思ったけどただオジサン2人が若い女の子に大いに脱線しつつコロラドキッドについての話を言い聞かせているところを自分が勝手に横から聴いていただけと思えばまあまあ面白かったです。

    浮かびゆく男は物理的に浮かびゆくのと2000年代の保守的な町キャッスルロック(!)からも価値観的に浮かびゆくというダブルミーニングなところが大変良かったなと思いました。

    ライディング・ザ・ブレットはなんかすごい怪談だったなと思ったけどすいません印象が薄いです笑。

  • 特に表題作はね、純文学ですよね、これは。浜辺に出現した死体の事件を、老いた地方紙の記者ふたりが若い女性インターンに語って聞かせるのだが、謎は解けず、だけど海辺の街の香り、人が人に伝えていくべきこと、受け取るべきことが描かれてて。さすがキングですよ。

  • 浮かびゆく男/コロラド・キッド/
    ライディング・ザ・ブレット

    ≪男≫
    スコットの不思議な体重減少
    何を着ていても何を持っていても目盛は同じ
    いつまで減るの?なぜ浮かぶの?
    体重は減らしたいが浮かびたくはない

    ≪キッド≫
    二人の記者の想いが残る事件
    被害者はコロラド・キッド(仮)
    二人の話を聞きながらステファニーは質問し、意見を言う
    考える調べる 々々 記者になれるかな

    ≪ブレット≫
    語り手はアラン・パーカー
    母 緊急入院の連絡を受け病院へ
    ヒッチハイクの道中に起きたことは
    怖い と思うのに文字から目が離せない

  • 不思議な感じの短編集。「浮かびゆく男」は近所の人達との関係が良くなっていく部分が心温まった。「コロラド・キッド」は消化不良。「ライディング・ザ・ブレッド」は怖かったり、母親がどうなってしまうのかとかでドキドキした。

  • 日本のキングファンにとって幻の作品とも言える二作がついに一般に流通!
    これだけでも嬉しいのに新作も一篇入っていて控えめに言って特別な一冊でしょう。
    ちょうど本なんて読む余裕がなかった時期で、限定的な出版であったことを後から知って本当にショックだった。その後何年もふとした時に思い出しては悲しい思いをしてたけど、ついに読むことができて感無量。内容や出来とかもう関係ないレベル。
    そんな思い入れをなんとか排除しての感想は、キング作の中ではまあまあってところかな。
    キング中編はハイレベルのものが多いことを考えるとやや物足りない。

    浮かびゆく男
    この作品で一番のポイントはキャッスルロックが舞台であること。
    よく知った地名や人名が登場するばかりか、なんと観光気分も味わえてしまう。久しぶりに里帰りした気分になれる。全力でファン向けサービスでしょう。
    内容自体は綺麗にまとまっていて読後感も素晴らしい。パノラマ島綺譚を想起させる場面があった。

    コロラド・キッド
    実際の理由は知らないけど邦訳本に入らなかったのもわかるような気がする内容だった。
    これは好き嫌いが別れる。序盤こそ面食らったものの、こういうものなんだと飲み込めればあとはキングの運転で連れて行ってもらうだけ。
    本作だけ本人のあとがきが付いてるのが笑える。ちょっと言い訳がましいよね。優しいんだよね。もっと突き放してくれてもいいんだけどな。

    ライディング・ザ・ブレット
    三作の中で一番好き。これぞキング。
    王道ホラーの要素てんこ盛りでどこを取っても不気味さが漂う。はっきりと見えてくるような気がする見事なホラー的風景描写。
    これを限られた人がダウンロードでしか読めなかったというのが悔しい。嫉妬。
    もっとゲス路線に振ってるほうが好みだけど、これはこれで哲学的で深みがあって満足度が高い。

  • 三作の中編が収録されていますが、個人的には、1番目の「浮かびゆく男」が、一番好きです。なんだろう。単純に、エエ話やなあ、って思って。

    「浮かびゆく男」は、発表されたのは2008年だそうです。物語の舞台は、キングの小説世界ではおなじみの架空の町、キャッスルロック。メイン州にあると設定されているとのこと。メイン州の場所は、アメリカの地図でいうと、一番北東のあたり。カナダに近い場所みたいですね。

    で、キャッスルロック、という町は、かなり、、、保守的な雰囲気の場所?として描かれているんでしょうか?2008年時点で、二人の女性の外部の人間が町に移住してきて、レストランを始めた。その女性が、同性愛者であることを公言して、そして同性婚もしている。同性愛者であることを隠していない。堂々としている。

    で、そのことで、町の人々の、おそらくかなりの割合の人々が、彼女たちに、嫌がらせをしてるんですよ。レストランには食べに行かない、みたいな。あと、仲良くもしないんでしょうね。いつまでもアンタらは他人だよ、みたいな感じで。日本の町内会で言うと、、、回覧板を回さない、みたいな感じなのでしょうかね?「村八分」とまでのキッツイ差別ではないんでしょうが、ま、住人の大部分から、存在を敬遠されている。

    で、それがおそらく、同性婚していることを隠してないから、あいつらなんなん?むかつくなあ、ってところから発してる嫌がらせ、なんだろうと。そーゆーふうに僕は理解したんですが、、、2008年当時のアメリカのメイン州は、そういうものだったのか?アメリカ全土ではどうなんだ?っていうかそもそも日本だと、同性婚しているカップルが同じ町内にいたら、、、怖がるのかなあ?避けるのかなあ?そこらへん、どうなんだろうね?そんなことが気になりました。

    で、この、はみごにされている同姓女性カップル(美人でスポーツ万能な方は超美人だけど性格も超キツくて「敵対上等!あんたらみたいな下等な人間とは話もできませんわ!くらいな高ビー女性(でも実は超いい子なんだけど)」と、町の人々との仲を、主人公のスコット・ケアリーがとりもちますよ、って話。超シンプルにまとめたぜ。

    そんな話で、基本、単純に、超エエ話なんですよ。でもその仲の取り持ち方とかが、めっちゃ面白くて、名作だなあ!と。いっちゃーなんですが、そんな感じなんですよ。

    で、スコット・ケアリーは、ガタイの良い巨漢、って男なんですが、、、ある日突然、見た目には一切現れないのに、ドンドンと体重が軽くなっていく、っていうスーパーナチュラルな現象に見舞われるんですよね。どんだけ食べても無意味。ひたすら身体が、軽くなっていく。何故そうなったのか?ソレが何を意味するのか?とか一切語られない。問答無用、なんですよ。

    で、体重がドンドンと軽くなっていくスコット・ケアリーは、「俺、このままドンドンと軽くなって、死ぬんだな」ってことをハッキリと悟っているんですが「死ぬ前に人として一個はまともな事がしたいよねえ」って発想で、同性婚の二人と町の人の仲を、とりもつんですよ。とあるすっごい機転を利かせた行動で。で、その行動は、スコットがひたすら軽くなっているからこそ実現できた行動でして。うまいなあ~話の持って行き方が、って思ったんですよねえ。

    ま、スコットが、単純に善人で、単純に、イイ奴。ナイスガイ。そうだった、ってだけのことなんですが、、、それを実際に行動に移すところ、マジかっこいいっすよね。

    この作品、文庫版の帯の推薦文を、ジョジョの奇妙な冒険の荒木飛呂彦が書いてるんです。「え?荒木さんとスティーブン・キング?関係あるの?荒木さんって、キングのファンだっけ?」とか思ったんですが、この第一話で、なんか、すっごく納得しました。スコットの、問答無用で体重が軽くなっていくって現象って、ジョジョのスタンド能力の発動と一緒じゃん、って思って。なんか、帯の文句が荒木飛呂彦、ってのが、すっごく腑に落ちたんですよねえ~。

    で、面白いなあ、って思ったのが。スコットは、体重軽くなっていって、「俺はこのままでは絶対に死ぬ」ってことを悟っているんですが、そのことを、ちっとも恐れていないっぽいんですよね。なんとなく僕は、そう感じました。なんで自分の死を恐れていないんだ?不思議やないですか。

    それって、、、
    体重が軽くなる→浮かび上がる→身体もだけど、精神も、ココロも軽く、ハイになっていっている?身も心も浮き浮きウキウキだから?

    って、そんなふうに理解しました。この作品、英語の原題が「Elevation」なんですが、「高みに昇る」って感じなんだろうなあ。U2にも、同名の曲、ありますもんねえ~。

    自分が死ぬことを分かっていつつも、身体の軽量化と共に、精神もハイになり、そして他人と世の中に善行を施して散っていく。なんか、、、ええ人生やん?とかね。単純に、僕は、そう思ったのです。うん。

    「コロラド・キッド」
    この小説は、キング好きの知人から借りたのですがその知人が「『コロラド・キッド』の内容、全く理解でき遍かった。意味が分かったら、教えておくれ~」って言ってたんで、よっしゃ理解してやるぜ!って思って読み始めたのですが、、、すみません。僕も、全く意味が分かりませんでした!

    1人の男が、海岸で死体で発見される。数年後、その音とか、同じアメリカ国内のすっごい遠くの場所から、超やんごとない理由で全てをほっぽって何らかのやんごとなき理由でここへ来たということが判明するのだが。何故死んだのか。理由は、さっぱり、分かりません。

    という話?全然意味がわかりません!すみません!

    主人公は3人。地方の超ローカルな新聞を長年編集し続けている超個性的な切れ者の老人二人と、その二人の薫陶を受ける、若きインターンの新聞記者志望の超将来有望な女の子、って感じ?この三人の関係性、この三人の小粋な会話劇を楽しむ話なの?って感じで、マジ意味がわからんかった!

    「ライディング・ザ・ブレット」
    ホラー、ですね。これは単純に、うむ。ホラー。分かりやすい。ヒッチハイクで、全く見知らぬ人の車に乗り込むのって、、、ある意味、マジでホラーですよねえ、、、うむう。うむう。

    あと、なんというか、、、罪の意識の話?って感じですよね。「僕の魂を持って行くなら、僕の母さんの魂、持ってってよ!僕は死にたくない!」って、思っちゃったのなら。「思ってしまった」のなら、例えそれが夢のなかの出来事だったとしても、もう「取り返しがつかない」のである。自分の気持ちが「自分の命が惜しくて、母を売った」のは、まぎれもない事実なのだから。ソレを一生、抱えていかねばならない。僕は。

    って話?罪の意識の話。うーむ、、、そーゆーことか?

  • 三者三様、それぞれに違った面白さがあるまさにキングにしか書けない作品が揃ってる!

    表題作『コロラド・キッド』は謎の死体を巡る一種のミステリーで、最初から最後までズーッとワクワクしながら読めた。

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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