- 文藝春秋 (2024年10月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (560ページ) / ISBN・EAN: 9784167922900
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
この作品は、#MeToo運動の背後に潜むメディアや権力の圧力を描き出しており、告発者たちの勇気ある行動を称賛しています。複雑な人名や出来事が多く登場するため、訳者のあとがきを先に読むことが推奨されるほ...
感想・レビュー・書評
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ハリウッドの大物プロデューサーをめぐるセクハラ事件に対する調査報道を軸にしたノンフィクションですが、とにかく素晴らしい内容の本でした。10年に1冊レベルの傑作だと思います。
この本を単なる調査報道よりさらに魅力的にしているのは、著者であるローナン・ファローの率直な感想が随所に盛り込まれているところです。
私は知らなかったのですが、ローナンは、あのウディ・アレンとミア・ファローの息子さんなんですよね。で、彼はロースクールを卒業して弁護士をしつつ、アメリカの大手メディアNBCで番組を持つというジャーナリストでもありました。
セクハラといえば、実の父ウディ・アレンもまた疑惑の渦中にいる人物ですが、そんなこともあってか息子ローナンは、もともとセクハラを中心とした事件に関心を持っていたのですが、ある出来事を調べていくうちに被害がとんでもなく広がっていることに気がつきます。しかも、一連のセクハラ行為を行っている加害者はたった一人、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインらしいとわかりました。
そこから、ローナンは、こつこつ丹念に、全米、世界を飛び回って取材を進めていきます。一方、ワインスタインは、自身の周辺を密かに取材をされていることに気づき、徹底的な妨害工作を策略していきます。この対決が凄まじい。ローナンは、元イスラエル軍の工作員によって尾行されたり、盗聴されたりと、身の危険すら感じたまま日々を過ごさなくてはなりませんでした。この恐怖を、ローナンは率直に語っています。
そして取材は進み、いよいよ記事を公表するという段階になって、今度は自身が所属するNBCから待ったがかかります。相手があまりにも大物過ぎて、その影響力にビビってのことでした。ローナンに対し様々な圧力がかかり始めます。この点、アメリカは容赦がありません。しかし、ローナンの粘り強い交渉や友人たちの助けによって、なんとか公表にこぎつけます。
そこから、セクハラ・スキャンダルはメディア界で大炎上し、やがて#MeToo運動につながっていきます。彼は、この一連のセクハラ報道によってピューリッツァー賞を受賞しています。素晴らしい。
取材を進める一方で、彼の個人的な家族史、ウディ・アレンと虐待の被害者とされているローナンの姉ディランに対する自身の気持ちなども、率直に語っています。本書でも重要なところです。ウディ・アレンは、今のところ、裁判で勝利してセクハラは"無かった"ということになっていますが、この本を読む限り、私は間違いなく"あった"と確信するようになりました。
ただ、セクハラで有罪が確定することは極まれであり、また被害者に対する誹謗中傷や妨害工作などもあって、立証が非常に難しく、また複雑な問題を孕んでいるため、外部の者が真実を知ることはできないのかもしれません。だからこそ、被害を受けつつも声を上げた女性たちやローナン・ファローのような勇気のあるジャーナリストの活動に心から賛辞と敬意を贈りたいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
脈絡なく出てくる人名に大苦戦
訳者あとがきを先に読んだ方が良かった -
必読書。
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【性犯罪の告発を潰すためなら、ワインスタイン一派はここまでした】告発者をこき下ろし揉み消すメディア。目をつぶる検察。上司を敵に回しても書き、#MeTooを巻き起こしたピュリツァー賞受賞作。
