捜査線上の夕映え (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2024年11月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (544ページ) / ISBN・EAN: 9784167922931

作品紹介・あらすじ

●ミステリランキングを席巻! 火村シリーズ傑作長編

大阪のマンションの一室で、元ホストの死体が
スーツケースに押し込められた状態で発見された。
凶器や被疑者はすぐに見つかり、
難なく解決するかに思われた事件は、
鉄壁のアリバイと捜査を攪乱する
“ジョーカー”によって不可能犯罪と化す。
火村とアリスの辿りついた真相が心震わす、
シリーズ新境地の傑作長篇。

解説・佐々木敦

みんなの感想まとめ

ミステリーの奥深さと現代の社会情勢が交錯する物語です。大阪のマンションで発見された元ホストの遺体を巡る事件は、鉄壁のアリバイと捜査を混乱させる“ジョーカー”の存在によって、予想外の展開を迎えます。登場...

感想・レビュー・書評

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  • 半分くらいまでがんばって読んだがそこからさらに捜査が進展せずしんどかった〜。
    火村と有栖のいろいろな仮説の応酬は読み応えあるが、それでも進まなさすぎて、、、少し飛ばしちゃった(^_^;)

    フーダニットと鉄壁なアリバイ崩し、コロナ禍で捜査が思うようにいかない場面も今では『そんなこともあったなぁ』と思いながら読めた。

  • #読了 #有栖川有栖

    黄昏、郷愁、哀愁、旅愁。夕映えから連想する言葉。やっぱりその日の終わりなので、もの悲しい雰囲気が。その意味するところは。
    今回の事件はあるマンションでの殺人事件で、密室でもなく、理由もいくつかの事柄がわかっていて事件としては地味。実世界では不適切な感想だが、ミステリ小説なので許してください。どちらかと言うとコロナ禍の設定で当時の描写がたくさんあり、そちらの方が感傷に浸れるぐらい。が、ファンを裏切らない。キーワードはベテラン警部の感の通り、ジョーカーが中にいる。誰か?違和感なんかほとんど感じなかったのに、その中である人の行動に違和感を感じる火村先生。そしてシチュエーションが変わる直前のあの一言。え?なんで?となること請け合いです。さすがです。これだーと終盤はずっとニンマリしながら読んでしまいました。タイトルにも納得。有栖川ファンは当然、そうでない方も往年の本格ミステリ御大の長編をぜひ読んで欲しい。
    今回珍しく近年の特殊設定ミステリに言及されている。否定はしないが、現代設定でのファンタジーこそが本格だとの自負か、こだわりが滲み出でいる今作。繰り返しになりますがさすがです。

  • 登場人物:
    有栖川有栖…ミステリー作家。通称アリス。
    火村英夫…大学社会学部准教授
    船曳…大阪府警警部
    高柳真知子…大阪府警巡査部長
    繁岡…大阪府警巡査部長
    奥本栄仁…被害者。元ホスト。
    歌島冴香…投資家。奥本の恋人。
    黛美浪…歌島と奥本の友人。元ホステス。
    久馬大輝…奥本に借金している会社員。

    物語の始まり:
    大阪のマンションで、スーツケースに詰められた遺体が発見。
    被害者の身元や背景が分からず、捜査は混乱。
    コロナ禍の中であまり人と接していなかった火村英生とアリスにも声がかかり、大阪府警とともに調査を開始する。

    価値観:
    コロナ時代の小説。
    マスクやソーシャル・ディスタンスが必須となっている時代に発生した殺人事件。
    捜査においてもコロナを意識した捜査を行う中で、人と人との関係や世界の美しさを改めて実感させる。

    テーマ:
    チェンジ・オブ・ペースの小説。
    物語の途中でアリスたちは遠い場所へと赴き、それまでとは雰囲気ががらりと変わる。
    コロナ禍において、逼塞している社会だからこそ浮かび上がる自然の美しさ。

  • ☆3.7 私好みの本格ミステリではないけど、面白かった。有栖川先生のあとがきも含め、執筆当時の思いを知ってからだと再読したときの読後感も変わりそうだ。
    インパクトに欠けたのとトリックへの納得感がさほどなかったのだけ気になったので評価としては抑えめだが、ミステリというより読み物として良かった。このコンビの大人びたテンポ感はやはり好きだったし、珍しく(?)遠出して現地の人とやりとりする様子がいい意味でミステリらしからぬ温かさがあった。
    イメージしやすいトリックより物語としての筋を重視する人はもっと高評価になるのでは!

  • 初めての有栖川作品。火村とアリスの掛け合いが楽しい。アリスが「奇妙なイメージのコレクション」を積み上げていく中で火村がロジカルな推理を構築していく。シリーズ初期作品から読んでみたい。
    コロナ禍の設定を活かした謎解きが素晴らしい。

  • 300Pくらいまでは正直言って超退屈。火村とアリスシリーズが大好きで、有栖川有栖の筆力に絶大なる信頼を持っていないとこれは読めない。
    マンションの一室で殺された元ホストの事件でここまでひっぱる~~!?って思いながら読んでた。しかもそれはさらーって流しておけばいいんじゃない?っていう情報もものすっごい丁寧に書くから、ここまで引っ張っておいてそのオチかよ……と肩透かしを食らうことも多々あった(旅行中のセミナー講師の話とか)。
    救いはアリスのトンチキ推理とそれに対する火村の鋭いツッコミ。早めに二人が合流してくれてよかった。
    でも舞台が島に移ることになってからは面白さがフルスロットル。島出身の登場人物に高柳さんが入っていた瞬間、えって声出たもん。
    そこからはノンストップで読めた。相変わらずの情景描写の美しさに惚れ惚れ。瀬戸内海に旅行に行きたくなったなー。
    そして食らう鮮やかな真実。これほどロマンチックな逮捕ってある……!?正直ここを読めただけで満足。前半があまりにも長いけどここで離脱しなくてよかった。ダリの繭と同じ感想だな。

  • ふふふ、またリリカルな題名ですね。
    プロローグ、大阪駅へお散歩する
    アリスの日常…実はコロナ禍の非日常。

    なんだか不思議な話でした。
    パッと見、単純な殺人事件に思えるのに
    どの容疑者が犯人としても決め手に欠ける。
    一番ネックなのは自室で殺された被害者が
    スーツケースに入れられていたこと。
    運び出して遺棄するわけでもないのに?
    結局、その謎が解けた時
    おのずと犯人もわかる事件だった。
    シリーズものだからこその
    ちょっとした仕掛けもあったし。

    今回は事件の関係者の生い立ちを知るため
    瀬戸内の小島に小旅行するふたり。
    島民夫婦との触れ合いや
    景色の描写の語り口がアリスらしくて
    やっぱり好きだわ(*´∀`*)

  • やっぱり火村英生シリーズおもしろい。
    火村・アリス2人の掛け合いは勿論だけど、警察関係者たちとの関係性も個性的な面々も、すごく好き。

    でも、わたしの思う有栖川先生の作品の1番好きなところは読みやすさ。
    会話量だったり、風景や心情の描写だったり、説明がくどくないのにわかりやすいのが良き。
    あとがきにある通り5章3節の終わりで、手と呼吸がとまって…そこから一気に畳み掛けてくる感じが良き。
    帯にある「論理(ロジック)と情感(エモーション)を究めた」本当それだと思った。
    推理を楽しむという感じではなかった気がする本作、だけど、ある意味最高の推理小説だったのでは?と感じる読了感。
    この世で1番むずかしいものは、人の感情だと思う。

  • 正直前半は必要か?と思うほど冗長。
    舞台が変わるころから少し読みやすくなるが、前半は火村とアリスの推理以外は進展しない展開で厳しかった。

  • 永遠の(たぶん)34歳である火村とアリスも、34歳のまま2020年のコロナ禍に突入。
    今までも震災や事件などの時事は取り入れられてきたけど、コロナ禍を過ごす二人は長年の読者としても同時代を生きてる感じが今までになく感じられて感慨深い。
    火村先生が黒マスクなの火村先生過ぎる。

    最初の方でアリスが昨今の特殊設定ミステリの話をするが、コロナ禍は現実でありながら特殊設定みたいな非現実感がある妙な生活だったことを思い出す。

    コロナ禍まっただ中に起こる殺人事件は、あの当時の停滞を思い出すかのようになかなか捗らない。
    今回は大阪府警サイドの視点が多く、火村とアリスが刑事たちにどう見られてたがわかっておもしろい。わりと微笑ましく見られてたんだな。
    あと、記者の因幡はただのひむアリコンビファンらしい。お前は俺か。
    捜査会議でアリスが無茶振りされるのはドラマ版の逆輸入かな。

    そんな中、レギュラーキャラが事件の中心に突如浮上したりという意外性もあり、後半旅行(捜査)に行く火村とアリスがいたり、展開の読めない1作。

    島での二人があまりに青春でまぶしい。

    有栖川先生の狙い通りエモーショナルな本格ミステリになっていたと思う。

    火村先生は引退後猫島で安楽椅子探偵したらいいんじゃないかな。

  • 文庫化。細部をほぼ忘れていたので読みながら思い出し割と新鮮さを覚えたのは良かった。2020年まさにコロナ禍の渦中にある火村とアリスの元に大阪府警の船曳警部から捜査協力の依頼が。今作では思いもよらぬジョーカーの存在とその背景に驚かされたが、そういう部分を深く描かれるのも長編ならではだと思うし味わって読むことができた。『ジョーカーだけが知っている』のタイトルにならずに良かった!鮫やんナンセンス。カチッとハマらない断片に火村も私も苛つくが、舞台を変えてからの展開の速さにスッキリ。でも読み応えもあった。

  • 久しぶりの火村シリーズ長編作! コロナ禍に対する筆者のもどかしさが全編から切実に伝わってきました。これも数年後には懐かしく思い出されるように&この時代をしらない世代が出てくるようになると思うと感慨深いものがありますね……。
    全ての情報が最初から出揃っているわけではないため、刻々と変化する捜査状況と、小出しにされる新情報によって、推理や容疑者がどんどん変わっていくのが新感覚で面白かったです。
    そして瀬戸内に旅に行きたくなります……

  • 小説家アリスと火村シリーズ。
    スーツケースに入れられた死体が見つかった事件。関係者も少ない中、単純そうに見えた事件だが、なかなかアリバイが崩せず、一行は関係者たちの出身の瀬戸内海の小島へ。

    瀬戸内海の島に行ってみたくなったなー

  • 単行本で読んだのに、うっかり買ってしまった。。タイトルに見覚えがあると思ったのに、なぜ買った?!

  • 最初の展開はなんだかゆっくり?停滞?な雰囲気を感じる。
    その所為か旅に出てからの展開がほんと早く感じる。
    後半、ちょっと青春小説みたい。

    この本、オーディオブックでも聞いたけどなんだか旅に出たくなった。
    そして、表紙が綺麗なのよねぇ。
    表紙だけでも見てられる(´-ω-)ウム

  • コロナ禍でのマスク生活がこういう所にも影響するかぁと感じた作品

    ただ正直事件の真相的にはさほど...

  • コロナ禍で捜査難航など時代を取り入れているが
    捜査が煩雑?内容を整理していかないと訳わからなくなります。

  • 89点「小説というのはアドリブで書くのではないことを理解してもらいたい。大喜利ではないのだ。と思いつつ、私は即興のトリックを口走る。」
    火村と有栖川が仲良くイチャイチャしている場面を数多く堪能できるだけで楽しい。特殊設定ミステリにありがちなトンデモ展開はないよ、ということを随所にちりばめていて、事件の推理も常識的に犯人はそういう行動はとらないということをちゃんと吟味する。小説の登場人物が自分と地続きにある思考をしてくれるので、事件がどう展開しても、納得感が高くなる。ちゃんと人が生きているミステリ。

  • まさかコロナ禍のアリスとセンセのフィールドワークが見れるとは。まだ記憶に新しいあのソーシャルディスタンスの寂しさと足踏みするようなもどかしさも思い出した。それだからかな、今回は常よりふたり一緒に行動する事が多かった感じがする。ふたりでGo toトラベルするとか最高だわよ〜
    後書きに、読者から「同じ世界にふたりがいるみたいだ」という感想があったというけど、ほんとそう。連載を追っていた人はさぞ楽しみにしていたのでは…
    ネコをひざに乗せる火村先生のパラダイスが見られたり、聞き込みでアリスをフォローする先生や、火村の過去を思いつつ黙っているアリスとか、ふたりのファンとしても嬉しい読みどころが満載だった。

    事件自体は割と地味な感じなのに、なかなか決めてが無い。前半の地道な捜査や裏付けを進めながら犯人に迫っていく刑事さんたちのパートも好きだ。ほんと、靴底をすり減らすような丁寧な聞き込みをするんだなぁ… 船曳さんの厳しくビシっとした部分が見られたのも良かった。
    後半はGo toトラベルでガラリと雰囲気が変わる。うん。刑事ドラマと紀行ドキュメンタリの二本分。その分のボリュームがあるけど、ぐいぐい読めた。
    いつも思うけど、有栖川先生の文章てミステリだけど柔らかいんだ。優しいっていうのかな。人間に対する愛情があって。殺人事件なのに…ん?殺人事件だからより感じるのかな。

    隙間時間を使った読書だったので、読んでいた期間は長いけど本を開くとスッと中に入れる楽しい読書だった。

  • 簡単なはずの操作が意外と進まない。進んでいるはずなのに思わしくない。不思議な始まり方からしてコロナ禍の捜査が始まる。
    久々に長編小説を読んだが、1番楽しく読めたシーンが「蚊」にまつわるどうでもいいとさえ思える火村とアリスのやりとり。思わず笑ってしまった。雑学を知るのは好きだ。
    所々で交わされる二人のやりとりが面白かったし、意外な接点も楽しめた。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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