モネの宝箱 あの日の睡蓮を探して (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2025年1月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784167923235

作品紹介・あらすじ

じんわり泣ける、優しいアート小説!

アートの旅に特化した旅行会社・梅村トラベル。敏腕社員の桐子と新人の優彩の元に、奇妙な依頼が届く。依頼人の柳橋は、モネの名画《睡蓮》を巡る旅を組んでほしいと言う。しかも旅をするのは柳橋本人ではなく、彼が指名した4人の代理人で……。旅に隠された真の目的とは?
東京藝大出身の著者が贈る、感涙必至のシリーズ。

【目次】
第一章 国立西洋美術館、東京「過去と今をつなぐ睡蓮」 
第二章 ポーラ美術館、箱根「夢をあたえる睡蓮」
第三章 大原美術館、倉敷「友情をとりもどす睡蓮」
第四章 アサヒグループ大山崎山荘美術館、京都「愛する人の睡蓮」 

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

アートをテーマにした心温まる物語が展開され、読者はモネの名画《睡蓮》を巡る旅を通じて、感動的な人間関係や成長を体験します。旅行会社の社員、桐子と優彩は、依頼人である柳橋からの指示で、彼が選んだ4人の代...

感想・レビュー・書評

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  •  わたしは、一色さゆりの文章が好きだ。

     この小説のシリーズには、志比桐子(しび きりこ)という女性が出てくる。彼女は梅村トラベルに勤務し、姿勢がよく背が高いスタイルで、細身の黒いパンツスーツを着こなし、てきぱきと仕事をこなす凛とした女性だ。

     一色さゆりの文章は、志比桐子を体現しているかのような文章である。表現に一切無駄は無いが、けしてぞんざいではなく、品があってキレが良い。淡々と話を書き連ねているようでいて、各段落はきちんと均整がとれている。
     まるでミケランジェロやロダンの大理石の彫像のような、滑らかなプロポーションと凛とした趣きがある。

     姿態や仕草がきりりとして、小粋で魅力的な女性の様子を「小股が切れ上がった」という言い回しで表すが、一色さゆりの文章は「小股が切れ上がった文章」なのだ。

     そんな文章で綴られるこの小説は、アートの旅「宝箱」シリーズの2作目である。
     この小説の主人公 桜野優彩(さくらの ゆあ)は、1作目の「ユリイカの宝箱」で、桐子に誘われて4箇所のアートの旅に出かけるうちに、梅村トラベルで、自身もアートの旅を顧客に紹介する職に就くことを決めた。そして、子どもの頃の桐子との関係の記憶も甦った。

     2作目では、資産家の柳橋友哉(やなぎばし ともや)から、彼の人生の大事なタイミングで見たモネの睡蓮の絵を探して欲しいという依頼を受ける。
     モネは、生涯で三百点にも及ぶ睡蓮の絵を残したと言われており、その他にも五百点近くの睡蓮を破棄したと言われている。

     柳橋氏の話から、探す睡蓮は、4箇所の候補地
    のいづれかにあると絞られたものの、旅をするのは柳橋氏が指定した4人の代理人という謎の旅だった。

     「好きなものがある人生は、それだけで幸せだよ。」
    モネの旅を続けるうちに、旅の真の目的が明らかになっていく。

     様々な美術の知識や知見が得られる本書の旅は、文字通り「リベラルアーツ」(自由学芸)の旅でもある。

     皆さんにも、このモネの宝物の旅を一緒に味わって欲しい。♡
     ご自身の頬に、美しい宝物のような涙も見られることでしょう。♡

     【目 次】
     第一章 国立西洋美術館、東京「過去と今をつなぐ睡蓮」 
     第二章 ポーラ美術館、箱根「夢をあたえる睡蓮」
     第三章 大原美術館、倉敷「友情をとりもどす睡蓮」
     第四章 アサヒグループ大山崎山荘美術館、京都「愛する人の睡蓮」

  • モネの睡蓮は何百作もあって、そのうち日本で観れる4か所を巡り依頼主の「思い出の睡蓮」を探す旅。
    添乗員・桐子さんの解説も分かりやすく、アートの知見に深みが増します。作品ごとに異なる天候・水に映るもの・水底の様子などは数多の色彩で写実的に表現。心なしか暗めの花言葉、こだわって作った池とその管理など知らないことが多かった。

    『モネの《睡蓮》にはいくつか楽しみ方があると私は思うんです。
    ①いつの時間帯でどんな天気なのかを想像する。
    ②近寄って好きな色を探してみる。
    ③三つ(周囲の木々や空という外の世界と、水底という内の世界と、その境界線)の世界を想像する。
    -第2章ポーラ美術館、箱根 夢をあたえる睡蓮-』

    まさかのシリーズ第2弾とは知らずに読んでしまいました。ブクログでも作品登録者数が第1弾の作品よりこっちの方が多くなってて、もはや罠だったと思っている( ゚∀゚ )

    2025.9

  • アートの旅と日常の謎が織り成す物語ですね。
    『ユリイカの宝箱』の続篇です。

     梅村トラベルに、旅行の依頼があって、社長と桐子優彩の三人は世田谷にある資産家の柳橋友哉の家に訪れる。
     依頼は奇妙なもので、モネの名画『睡蓮』を巡る旅を組んでほしいと言う。しかも旅をするのは柳橋本人ではなく、彼が指名した四人の代理人でとの事?
     旅に隠された真の目的とは………?

         もくじ
     第一章 国立西洋美術館 東京
         「過去と今をつなぐ睡蓮」
     第二章 ポーラ美術館 箱根
         「夢をあたえる睡蓮」
     第三章 大原美術館 倉敷
         「友情をとりもどす睡蓮」
     第四章 アサヒグループ大山崎山荘美術館 京都
         「愛する人の睡蓮」

     大好きな一色さゆりさんの作品なので、ワクワクしながら読みました。
     この作品は、アートの旅をしながら、旅の依頼人との古い関係を呼び戻しなから、代理人が『睡蓮』を通して、自分探しをするというストーリーです。
     心温まるしみじみとした物語に、なぜこの旅が仕組まれたのかが次第に明らかになっていきます。
     旅先案内人の桐子や優彩も、自分達の心の悩みを解決していく成長物語でも在るのが、物語に深みをもたらしますね♪
     最後は涙無しには読めませんから、感動のハートフルストーリーに、期待以上の満足感がありました。
     続編が、待ち遠しいですね(=^ェ^=)

  • じんわり優しい気持ちになった。
    旅行会社で働く桐子と優彩。客の柳橋から、モネの名画「睡蓮」を探す旅を、4人の代理人へ贈りたいという依頼を受ける。旅を重ねるごとに、真の目的が明らかになっていく。
    著者の一色さゆりさんは東京芸大出身。「芸術は人生をゆたかにしてくれる」とあるように、旅で美術館を巡るなかで、芸術作品の楽しみかたを教えてくれた。
    モネの絵の持つ魅力はもちろん、モネにとって庭の絵を描くことはどんなことだったのか、どんな人だったのか、一緒に想像しながら楽しむことができた。
    旅の真の目的には、ホロッときた。こちらはシリーズ2作品目みたい。他の作品も読んでみたいな。

  • 一色さゆりさん初読み。
    原田マハさん好きとしては外せないタイトル!と読み始めたところ、シリーズ続編であることを知った。前編を読んでいなくても問題なかったが、登場人物の背景を詳しく知りたい場合は前編から読む方が良いかもしれない。
    アートに特化した旅行代理店社員の桐子と優彩は、資産家の柳橋からの依頼で、彼がかつて観て忘れられないというモネの『睡蓮』の絵を特定するため、柳橋が指定する代理人と国内4つの美術館を訪れる。自分で足を運ぶのではなく代理人を指定するのには理由があって…。4つの美術館を訪れる代理人は柳橋と関わりのあった人たちだが、柳橋に対して必ずしも良い印象を持っておらず、唐突なアート旅行代理の提案に戸惑う。

    旅とアートを掛け合わせ、モネの300枚もあるという『睡蓮』の国内所蔵美術館のいくつかを巡るというストーリーは面白かった。京都にあるアサヒグループ大山崎山荘美術館に行ってみたい。同美術館所蔵で話に出てきたモネの『エトルタの朝』もぜひ観てみたいと思った。
    旅に出ると気分転換になるし、考え方や価値観にも影響したりする。芸術鑑賞も人生を豊かにする。そんな旅とアートが持つ力を実感した小説だった。そして、人生はやはり今を大切に過ごしていくのが大事だと教えられた。

  • モネ展に行った後、読み始めました。
    温かいストーリーで、美術館をまわってみたくなりました。
    図書館で借りて、駆け足で読むことになってしまったので、もう一度、ゆっくり読み直したいです。

  • この本を読むとモネの「睡蓮」を見に行きたくなります。又、見たことがある人も、もう一度じっくりと観察したくなります。

    季節、時間、周りの木々、植物や橋との調和、そして池の中まで、モネの睡蓮は見るべき所がたくさんあります。一枚の絵にも物語があって、それを知るのと知らないのとでは印象が違いますね。もちろん、モネ以外の作品も出てきますよ。

    今回は、モネの睡蓮が飾られている、四つの美術館を旅します。それぞれの美術館の描写がとても詳しく、入り口から館内まで一緒に巡っているような感覚が味わえました。

  • あなただけのアート旅にご案内します。シリーズ第二弾。
    「梅村トラベル」の敏腕社員の桐子と新人の優彩の元に、モネの名画《睡蓮》を巡る旅を組んでほしい、しかも旅をするのは依頼人が指名した4人の代理人という奇妙な依頼が届く。

    今作も一緒に旅をしているつもりで、ネット検索しながら読んだ。
    どの章もアートに触れる中でモヤモヤした心を晴らし、前向きな気持ちにさせてくれる。ラストの章はウルウル。対話って大事だなと改めて思う。

    桐子&優彩コンビにアート旅のコーディネートをお願いしたい。
    シリーズ続くと嬉しいな。

  • 先日開催されていた国立西洋美術館のモネ展。
    なかなかの人気と同僚に勧められたものの行けないままだったこともあり、こちらを手に。
    シリーズ物と知らず前作を読まずに読んでみたけれど、全く問題なく楽しめた。

    日本で見られる4大「睡蓮」とその作品が所属されている美術館についても知ることができる。

    最初はちょっと退屈かなという印象だったけれど、軽いミステリー仕立てでイッキ読み。

    東京藝大出身の一色さゆりさん。
    芸術家から作家という経歴もあり、作品の鑑賞は情報の有無で大きく変わるということを大切にされているのだろうなと思う。
    その情報は、作者や描かれた時代背景だけでなく、鑑賞する人そのものの人生こそが大きな情報なのだろう…

    一枚の絵画はいつ、誰がどんな思いで描かれたか

    それを知る、知らないで見えてくるものが180°変わることもあるし
    同時に

    一枚の絵画をいつ、誰と鑑賞するか

    によっても、見るものが受け取るメッセージが大きく変わる。

    そんなことを再確認。
    ポーラ美術館や大原美術館、大山崎山荘美術館は訪れたことがないので、いつか訪れたい…
    ひとまずは、また西洋美術館の常設展示に行きたくてうずうずしてきた!



  • 「ユリイカの宝箱」という作品の続編と知らずに読んでしまいました。
    登場する美術館に行ったことがあり、美術作品のことを知っていれば尚楽しめると思いました。
    ストーリーはあっさりとしていてさくっと読める印象です。
    思っていたほど重くもなく、感涙必至という訳でもありませんでした。

  • はじめての著者さんでした。モネの「睡蓮」をめぐる小説です。京都アサヒグループ大山崎山荘美術館
    前作があるとのことなので、読んでみます。

  • まずタイトルで購入決定。
    一色さんの小説でアートを巡れるとは。
    原田マハさんの作品はほぼ読み、絵画に魅了されてきた。
    この作品はアートの旅に特化した旅行会社の社員が依頼人から指名された4名と、日本に展示されている「睡蓮」を巡り美術館を訪れる。
    アート小説はたいてい自分自身も絵の前に立って鑑賞している錯覚を起こさせてくれる。
    この物語も優しく誘われてとても心地よかった。

  • 「ユリイカの宝箱」に続き一気読みでした

    帯にある通り、じんわり泣ける優しいアート小説
    まさにその通りでした

    題材が、モネという事もあり自身も色々な
    美術館で沢山のモネ作品(睡蓮)を観てきました
    日本でも各地で幾度となく目にする機会が
    多い分おざなりになりがちですが
    改めて画集や図録を開きたくなりました。
    また、行ってみたい美術館も増え、
    頁に沢山の付箋が貼られました。

    モネ好きの方は勿論、柔らかな優しい
    アート小説を読みたい方にも強くオススメします

    2025.2 14冊目

  • 前作があるのを知らずに読み始めてしまったが楽しめた。
    とにかく美術館に行きたくなる本。

    西洋美術館は年に一回は行きます。何度行っても飽きない。企画展やってなくても常設展だけでも大満足です。
    大原美術館は子供が小さいときに行ったのでゆっくり楽しめなかったのでいつかまた行きたいなぁ。
    アサヒグループ大山崎山荘美術館が一番行けそうな場所だな。建物も素敵そうなのでぜひ行ってみたい!
    でも、なんと言っても本好きとしては箱根本箱に泊まってポーラ美術館に行きたい。箱根本箱高いなぁ。でも泊まりたいなぁ!

    …と、内容に関係ないレビューに走ってしまいました。

    • 1Q84O1さん
      ここが大原美術館とは知らずに素通りしてしまった過去があります…w
      ここが大原美術館とは知らずに素通りしてしまった過去があります…w
      2025/03/02
    • せりぐまんさん
      1Qさん、なんて勿体無い!
      またの機会がありますように!

      本で読まなければスルーしてしまうことも、読んだことで行きたい場所になったりします...
      1Qさん、なんて勿体無い!
      またの機会がありますように!

      本で読まなければスルーしてしまうことも、読んだことで行きたい場所になったりしますよね。
      本のおかげで世界が広がりますね!!
      2025/03/02
    • 1Q84O1さん
      やっちまいました_| ̄|○ il||li
      ブクトモさんとのコメントであそこが大原美術館か!と気づいたときには時すでに遅しでしたw
      また、機会...
      やっちまいました_| ̄|○ il||li
      ブクトモさんとのコメントであそこが大原美術館か!と気づいたときには時すでに遅しでしたw
      また、機会があれば今度は寄ってみます!
      2025/03/02
  • 美術館に行きたくなる。モネの睡蓮って何百作もあるなんて知らなかった。

  • 「ユリイカの宝箱」の続編とは知らずに読んだ。
    モネの「睡蓮」が見れる美術館が何館もあることを知らなかった。
    美術館に行きたくなる小説。

  • 【目次】
    第一章 国立西洋美術館、東京「過去と今をつなぐ睡蓮」
    第二章 ポーラ美術館、箱根「夢をあたえる睡蓮」
    第三章 大原美術館、倉敷「友情をとりもどす睡蓮」
    第四章 アサヒグループ大山崎山荘美術館、京都「愛する人の睡蓮」

    ちょうど国立西洋美術館で開催されている展覧会を見に行く途中で第一章を読んだ。これは常設展も見ずばなるまいと思っていたら、今回のテーマの展示品が一部常設展のほうにあるという。おかげでたっぷり目の保養をしてきた。
    旅と美術と人生と。穏やかな時の流れが好もしい。

  • 西洋美術館で購入。
    睡蓮よりも、カペの自画像や『眠る二人の子ども』への見方や感想に共感して「そうそう!」と嬉しくなった。

    モネの睡蓮を想う時、モネ展で見ることができた、行方不明の間に半分ほど破損してしまった『睡蓮、柳の反映』が蘇る。
    絵画としては壊れてしまっているのに、あれほどまでに輝いている。
    戦時下を生き延びた生命力。

    他にも、ポーラ美術館、大原美術館、大山崎山荘美術館の睡蓮を想像する。
    一緒に美術館を巡る感覚が楽しかった。

  • こちらシリーズ2作目とは知らず読みましたが、前作のあらすじや簡単に主要の人物は人物像が書いてあるのでそのまま読めました。

    モネの睡蓮をめぐる旅。連作短編で読みやすかったですし、その旅をした人物の軌跡を追うような感じでとても良い読後感でした。
    全体的に優しさと少しの切なさが折り重なった本でした。

  • 【睡蓮の絵をめぐる爽やかで優しいアート小説】アートの旅を専門とする梅村トラベルの元に、「思い出の《睡蓮》の絵を探してほしい」という奇妙な依頼が舞い込んできて……。

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著者プロフィール

1988年、京都府生まれ。東京藝術大学美術学部芸術学科卒。香港中文大学大学院修了。2015年、『神の値段』で第14回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞して作家デビューを果たす。主な著書に『ピカソになれない私たち』、『コンサバター 大英博物館の天才修復士』からつづく「コンサバター」シリーズ、『飛石を渡れば』など。近著に『カンヴァスの恋人たち』がある。

「2023年 『光をえがく人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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