夏休みの殺し屋 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2025年4月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784167923532

作品紹介・あらすじ

奇妙な依頼の数々に、彼らはついつい「推理」をしてしまう……。

殺し屋が日常の謎を解く異色のミステリー短編集。
人気シリーズ第4弾!!


人知れず副業で殺し屋稼業を営む富澤允と鴻池知栄。二人のもとに届く殺害依頼はいつも謎めいている。

畑に人形を埋め続けるターゲット、死体に椿の花を添えて欲しいというオプション、“夏休み”期間限定の殺害──。

感想・レビュー・書評

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  • 殺し屋シリーズ第4弾

    作者とタイトルから
    面白そうと思ったけど、
    シリーズものだったので
    最初からよんで、ようやく本書に。

    今回も最後の章で、
    案件のニアミスがありましたが、
    仕事自体はそれぞれ淡々と。

    仕事後の考察が同じ結論で
    思考が似過ぎていて笑うしかない

    鴻池さんは報酬をもらえたのかな?
    ネット通販だから先払いなのかな。

  • 相変わらず面白くて読みやすい。
    表題作が一番おもしろかった。

  • 副業は殺し屋の
    彼は富澤允 彼女は鴻池知栄
    事件は5件いや6件か?
    どちらかが受けたのは3件
    2人が受けたのは1件じゃなくて2件か……
    もう1件は誰の仕事でしょうか?

  • かなり読みやすく、思ったより面白かった。
    心理戦はないし、あっさり殺しやす過ぎだけど、その件の背景を推理していくのは面白く、構成も良い。
    シリーズ、他のも読んでみようかな。

  • タイトルから想像していた以上に、お話にバリエーションがあってすごく面白かった!殺し屋視点の話と、それ以外の人の視点も混じっていて飽きないし、殺し屋が依頼の裏にある事情を推理する構成が新鮮。特に「残された者たち」が最後まで真相が分からなくて意外性のあるラストに楽しめた。

  • 【収録作品】近くで殺して/人形を埋める/残された者たち/花を手向けて/夏休みの殺し屋

    副業で殺し屋稼業を営む富澤允と鴻池知栄の話。シリーズ第4作。
    「近くで殺して」 富澤允。オプションで殺害の日付・時刻の報告と第一発見者の指定。
    「人形を埋める」 鴻池知栄。畑に人形を埋め続けるターゲットの行動に不審を抱く。
    「残された者たち」 被害者の同僚たちと妻の独白。
    「花を手向けて」 鴻池知栄。死体に椿の花を添えてほしいというオプション。
    「夏休みの殺し屋」 富澤允と鴻池知栄。期間限定のオプション。

    二人と仲間たちは、淡々と「仕事」をこなすだけなので、ターゲットの情報が入ってもウェットにならず読みやすい。パズルのような物語として楽しめるのだが、それでいいのかなというもやもやも残る。

  • 一風変わった推理もの。シリーズは全て読んでいるが、時間が経ちすぎて、覚えていない話もある。殺し屋がお休みしているので夏休みか、と思ったら、そんなことはなかった。
    殺し屋の富澤と鴻池、両方が出てくる。

    1近くで殺して
    富澤サイド。オプションが第一発見者を指定するもの。このオプションは予想外だった。事件も割と複雑で、全容が見えるまでは時間がかかる。
    2人形を埋める
    鴻池サイド。今回の連作短篇は家族を失う、という話が多い。1も兄の復讐だし、2も子どもを失って精神のバランスがとれなくなった女性がターゲット。精神のバランスが失われて、そういう行動する?と思ってしまうが、私の想像力が足りないだけかもしれない。
    3残された者たち
    これはどちらサイドだろう。何となく富澤サイド、だと思っている。塩野と平松の腹の探り合いが面白い。最後の若葉のつぶやきも。ちょっとブラックユーモアな感するする。
    4花を手向けて
    鴻池サイド。オプションが椿の花を手向けて。鴻池は富澤と違って1ヶ月の猶予で金額が100万安い。依頼者は何となく予想がついたが、雑談の選挙の話が関わってくるとは思っていなかった。鴻池の顧客サービスがよい。プロだ。
    5夏休みの殺し屋
    両サイド。どちらも料金2倍のチャンス?効率的には富澤が美味しい。本当に小沼が狙っていたなら(多分そうなんだろうけど)憔悴してみせたのは演技なのか。それも怖い。小さなことだが、誤字を発見。225ページの坂木棗が坂本棗になってる。

  • 2025.04.19
    軽快で訓みやすいけど、人間のドロドロを扱っていて怖さもあるというシリーズの最新作。
    殺し屋が殺意の背景を想像するくだりが毎回楽しい。文庫書き下ろし

  • 相変わらずあっさりとターゲットが殺されて行く。殺し屋が二人出てきてその絡み?がなんとも気になる。軽いけどほどよく次を読ませるぐらいの後を引く内容で寝る前に程よい。

  • 富澤允と鴻池知栄の殺し屋物語の短編集。
    それぞれのグループ(?)の依頼案件が交互に置かれているが、最後の「夏休み中に」というオプションが付いた案件には、接触はないものの両者が関わっており、任務完了後に経緯を推理する場面まで描かれているのが他とは違う。
    倫理的にはものすごく良くないにも関わらず、彼らに肩入れしたくさえなるのはどうかと思うが、それを脇において楽しんだ。

  • 夏休みの殺し屋という本(ミステリー雑貨の本)で少し怖い場面もあるしくすっと笑う要素も盛りだくさんなこの夏休みの殺し屋の本はおすすめで星4をつけてしまいました。みなさんも読んでみてください。あと(ゆう)にも追加コメントお願いします。\(^o^)/

  •  帯によると、「殺し屋探偵」シリーズだそうです。第4作『夏休みの殺し屋』は、前作と同様に嬉しい文庫オリジナルで登場だっ!

     いちいちシリーズを未読の読者に配慮しないが、今回も2組の殺し屋一派の豪華共演である。第1の殺し屋・富澤一派と、第2の殺し屋・鴻池一派。なお、一派と書いたが、どちらも殺人の実行者は1人だ。

     富澤の仕事「近くで殺して」。ん? 前作には「遠くで殺して」という依頼があったような。舞台は大学。面倒なオプションの理由とは。ありがちな設定だが、金さえもらえば、依頼者がどうなろうが冨澤の知ったことではない。

     鴻池の仕事「人形を埋める」。確かに奇妙だが、どうしてその行動にこだわる? ターゲットの境遇には深く同情してしまうが、もちろん鴻池は同情などしない。金さえもらえば、依頼者がどんなに身勝手だろうと、淡々と殺す。

     どちらの仕事か明記されない「残された者たち」。ありがちな会社内の設定だが、簡単に殺し屋に依頼するのはありがちではないよねえ。

     鴻池の仕事、ターゲットの死体に「花を手向けて」とは? 石持さんご自身の某シリーズを彷彿とさせる、短編にはもったいない気がする設定。現実を見るに、絵空事とは言えまい。結果的に、殺し屋が役に立った珍しい話か?

     前作同様、最後に2人の殺し屋がニアミス(?)する表題作。学校という閉鎖的な空間。現実にここまで酷い例は…ないとは言い切れない。それにしても、彼らが年間何件受けるのか知らないが、こんな偶然あるか? 知らんけど。

     殺人という行為を、あまりにも軽く描く、ミステリーというジャンル。中でも飛び切り軽く描く、このシリーズ。警察の面目丸潰れはいつまで続くのか? 前作の感想を流用した手抜き感想で済ませてすみません。

  • 夏休みの殺し屋/石持浅海

    シリーズ第4弾
    大好きな殺し屋探偵シリーズの最新刊!
    依頼を安全に遂行するためと言いつつ、ついつい「推理」をする殺し屋。殺し屋の立場、そして任務は遂行されるので普通のミステリーみたいな明確な答え合わせはない。謎解きが主ではなく依頼遂行が仕事だからね。
    無慈悲だし完璧な仕事運びだから倫理観を一旦横に置ける人におすすめ!石持浅海さんらしいブラックさが好きです!

  • 【殺し屋しながら推理します…シリーズ第4弾】副業で殺し屋を営む富澤のもとに、変わった依頼が同時に二人から舞い込む。とにかく“夏休み中”に対象を殺してほしいと...。

  • 「近くで殺して」
    富澤充、華麗なスリングショット。

    「人形を埋める」
    鴻池知栄、今回も盆の窪に針。

    「夏休みの殺し屋」
    富澤に同じターゲットに殺しの依頼が2人から。
    8月末までに殺してほしいという依頼。
    ターゲットは坂木棗。
    一方、鴻池には久我世理香(高校生)と篠宮真知(その校長)の殺しの依頼。
    しかも、久我世理香、篠目真知の順番で、あまり間を空けずに殺してほしい。
    6/30までに。

    ちょっと惰性になってきたかな…。

  • おおー相変わらず面白い。
    特に表題作がよくできていて、その見事な着地に拍手を贈りたいくらい。
    殺し屋である富澤と鴻池のキャラも良い。
    ドライで有能なんて最高じゃないか。
    殺し屋を主人公に据えてるくせに、物語の9割を推理パートに、残り1割を殺害パートに充てるという狂った構成ホント好き。
    この人の作風というかロジックは、何年経っても飽きないな。
    次回作も楽しみにしてます。

  • ロジックをもてあそぶみたいな2組の殺し屋さんたち。
    性別も、殺しを請け負うシステムも違う2組なのにw
    シリーズも回を重ねて来て、いろんなパターンが出て来てうならされる。
    いいねぇ、同じパターンが続くのもいい意味のマンネリで安定感があって好きなのだけど、今回みたいに新鮮なパターンがあるのも好き。
    今後がどうなっていくのか、2組が共闘したり、あるいは敵対することがあるのか、興味津々。

  • シリーズなので安心して読める
    その一方で少しだけ淡々
    別の作品を読みたいかも

  • 人知れず副業で殺し屋家業を営む富澤と鴻池。2人の
    もとに届く殺害依頼はいつも謎めいている。奇妙な
    依頼の数々に、彼らはついつい「推理」してしまい…。
    殺し屋が日常の謎を解く異色の書き下ろしミステリー
    短編集。

  • 副業として殺し屋をしている男女が主役のシリーズ。変わった依頼が来るとその理由を考えずにはいられない。ストーリーは首尾よく完了した後で謎が披露される。殺し屋の悲壮さは無く淡白であるが謎はロジカルに語られる。さらっとした読了感。

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著者プロフィール

1966年、愛媛県生まれ。九州大学理学部卒。2002年『アイルランドの薔薇』で長編デビュー。03年『月の扉』が話題となり、〝碓氷優佳シリーズ〟第1弾となった05年『扉は閉ざされたまま』(祥伝社文庫)が 「このミステリーがすごい!」第2位。同シリーズの最新作に『君が護りたい人は』(祥伝社刊ノン・ノベル)。本作は『Rのつく月には気をつけよう』(祥伝社文庫)の続編。

「2022年 『Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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