信仰 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2025年5月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784167923617

作品紹介・あらすじ

「なあ、俺と、新しくカルト始めない?」

好きな言葉は「原価いくら?」
現実こそが正しいのだと強く信じる、超・現実主義者の私が、
同級生から、カルト商法を始めようと誘われて――。

世界中の読者を熱狂させる、村田沙耶香の11の短篇+エッセイ。
表題作は2021年シャーリィ・ジャクスン賞(中編小説部門)候補作に選ばれました。

文庫化にあたり、短篇小説「無害ないきもの」「残雪」、エッセイ「いかり」を追加。
書き下ろしエッセイである「書かなかった日記――文庫版によせて」を巻末に収録。

〈収録作〉
「信仰」「生存」「土脉潤起」「彼らの惑星へ帰っていくこと」「カルチャーショック」「気持ちよさという罪」「書かなかった小説」「最後の展覧会」「無害ないきもの」「残雪」「いかり」

〈文庫版読者への著者メッセージ〉
『信仰』は小説と随筆を混ぜた、私にとっては少しいつもと違った佇まいの本でした。
私が存在しない世界の主人公の言葉と、随筆に存在する言葉が同じ本の中に、戯れ合うように混ざりながら存在するのは、私にとってとても奇妙な感覚でした。
文庫にするにあたって、また新しい言葉が本の中に詰め込まれ、滑り込んで、時間も、言葉も、さらに奇妙に膨張したような感覚で、出来上がった美しい装丁のご本を眺めています。
もし、この少し不思議な本をおそばに置いていただけたら、とてもうれしいです。

みんなの感想まとめ

テーマは「信仰」であり、現実主義者の視点から私たちの周囲に潜む信仰の形を問いかけます。短編集として軽やかな印象を持ちながらも、各作品は深い思索を促し、時には重いテーマに触れます。ブランドやカルトといっ...

感想・レビュー・書評

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  • ブランドもカルトに似ているなと思うと、何もかもがそう見えてくる。
    私たちはみんなそれぞれ何かに信仰しているのだと。

  • これはいったいどゆこと??全くわからなかった、、。めっちゃ難しい(・・;)
    短編?エッセイが混じってる?の?それすらわからないけど、冒頭の『信仰』以外、全部理解不能で流し読みになってしまいました。

    すぐに原価を気にしてしまう、超現実主義者の部分だけ、わかるー!!と思ったりもしたのですが。

    世界観に入らないと読めないのかも、、
    初心者な私には難易度高すぎました( ・∇・)

  • 短編なので軽く、さくさく読みたかったのですが、どれもけっこう考えさせられるし、まあまあ重いです。
    でも発想がすごいなぁ、村田沙耶香さん絵を描いたらどんな感じかな、すごい絵を描くのかなぁなんて思いながら読みました。
    ☆は3.8くらいです。

  • 短編集なので、ライトに味わえるかな?と購入したのですが、短い分だけ深く険しい村田さんワールドでした。ここまで別世界を描けるのはすごいです。1ページずつ、殴られながら読み進む感じでした。


  • 表題作ほか幾つかの作品に強く惹かれました
    基本的に人間というものに期待していない作者らしい作品集です

    「信仰」はそれに加えて突き抜けたユーモアもあり、Netflixあたりでドラマ化を希望!

    本の概要

    「なあ、俺と、新しくカルト始めない?」

    好きな言葉は「原価いくら?」
    現実こそが正しいのだと強く信じる、超・現実主義者の私が、同級生から、カルト商法を始めようと誘われて――。

    世界中の読者を熱狂させる、村田沙耶香の11の短篇+エッセイ。
    表題作は2021年シャーリィ・ジャクスン賞(中編小説部門)候補作に選ばれました。

    文庫化にあたり、短篇小説「無害ないきもの」「残雪」、エッセイ「いかり」を追加。
    書き下ろしエッセイである「書かなかった日記――文庫版によせて」を巻末に収録。

    〈収録作〉
    「信仰」「生存」「土脉潤起」「彼らの惑星へ帰っていくこと」「カルチャーショック」「気持ちよさという罪」「書かなかった小説」「最後の展覧会」「無害ないきもの」「残雪」「いかり」

    〈文庫版読者への著者メッセージ〉
    『信仰』は小説と随筆を混ぜた、私にとっては少しいつもと違った佇まいの本でした。
    私が存在しない世界の主人公の言葉と、随筆に存在する言葉が同じ本の中に、戯れ合うように混ざりながら存在するのは、私にとってとても奇妙な感覚でした。
    文庫にするにあたって、また新しい言葉が本の中に詰め込まれ、滑り込んで、時間も、言葉も、さらに奇妙に膨張したような感覚で、出来上がった美しい装丁のご本を眺めています。
    もし、この少し不思議な本をおそばに置いていただけたら、とてもうれしいです。

  • いい意味で不安を煽られ、非現実的なのに現実を突きつけられたような感覚になった。
    何かを盲目的に信じているとき、人は″信じている″という感覚すら持たない。それはすでに自分の中の“当たり前”になっていて、迷いもなく自分の血肉のようになっているからだと思う。

    たとえば、ふと電車の中で周囲を見渡すとみんながスマホを操作している。
    ときどき、その光景にゾッとすることがある。自分もその一部なのに、普段は何も感じない。
    けれど、そのゾッとした瞬間、集団から一歩引いて俯瞰で見ている自分がいて、まるで金縛りから解放されたような感覚になる。
    そうして初めて、自分が言語化できない“何か”に縛られながら生きていることに気づく。

    この作品で描かれる世界線は、まさにその延長にあるのではないかと思った。こわすぎる……。

  • 11の短篇+エッセイ。
    「一仰」「生存」「土脉潤起」「彼らの惑星へ帰っていくこと」「カルチャーショック」「気持ちよさという罪」「書かなかった小説」「最後の展覧会」「無害ないきもの」「残雪」「いかり」


    世界99を読み終わった後にすぐ読んだので、世界99のカケラがたくさんある!と余韻を楽しめた感じでした。あの世界の何年か先みたいだなぁとか、空想が広がりました。

    また村田沙耶香さんのエッセイを初めて読みました。ああ私もクレイジー沙耶香って表現使ってたなぁとドキッとします。ラベルってたくさんの人に手にとってもらう為に必要だなと思うし、枠にはまりたがる平凡なにんげんからすると、クレイジーってかっこよくて、羨ましい!ってことなんです。


    「小説の中にはナイフが置いてある。

    このエッセイの中でも、可能な限り刃先を自分に向けていたいと思う。それがいいことかはわからない。ただ、そうしたいからそうしている。そもそも私には普段からそういう思考の癖があり、「相手を責めていたほうが気持ちが楽な人と、自分を責めていたほうが気持ちが楽な人がいる。村田さんは後者なんですね」と言われてはっとしたこともある。なので自分の卑さの現れでもあるのかもしれない」

    「悪が勝つのは、ひとえに善人がなにもしないから。この言葉のことをずっと考えている。」

  • 待ちに待った『信仰』の文庫化!

    表題作「信仰」は、何気ない日常からのラストの展開はこれぞ村田さん!という感じで楽しめました。

    1番グサグサ刺さったのは「気持ちよさという罪」。
    物語というよりエッセイなのかな。
    「個性」とか「多様性」という言葉に対する小さい頃からの戸惑いが書かれていて、『自分にとって気持ちのいい多様性』という表現にとても共感しました。

    定期的に読んでいきたい作品です。

    村田さんのエッセイも読んでみようかな。

  • シンガーソングライターのmiletさんがファンサイトのブックコーナーで、村田 沙耶香ビギナーにオススメの作品と紹介されていたので、手にした作品です❗️

    村田 沙耶香さんは、『コンビニ人間』以来2作目の作品。『コンビニ人間』を読んだ時は、余り感じなかったけれども、凄く言葉選びが繊細で、チクリチクリと針を刺すように心に訴え掛けてきた作品でした❗️

    11篇の話しは、分かるような分からないような不思議な感覚の内容で、面白いというのとはちょっと違う、ページ数の少ない割りに大きなインパクトのある作品です。

    好きな話しは、『書かなかった小説』で、何だか星 新一さんのショートショートに似ているように感じました。また、小説全体の雰囲気が、少し今村 夏子さんにも似ているような気がします。
    次回は、本命の『消滅世界』をチャレンジしたいと思います❗️

  •  将来の生存率が学問成果のみで判定するのがスタンダードな社会。何と偏った考え方だろうと思うのはそうじゃない世の中を知っているからだろう。村田さんが描く奇抜な標準ルールの社会を幾つか堪能させて頂いた。パソコンの画面でスクロールするのに指でスワイプしたり、自宅の住所を知らなかったり、電子メールの送り方を知らなかったり、当たり前が変化した光景は普通にあること。ランキングにより生活環境が決まり、低いランクになると野生化するとは、中流階級だと日々降級の危機に追い詰められる。ある意味緊張感を覚えながらの生活なのかもしれない。
     家電量販店で買える自分のコピー。ロボットか?と思いきや水で戻す素材とは、これまた推定を裏切られた。ポイント還元とか5体セットでもう一体おまけがついてくるとかそんなサービスも期待しまう。5人もいるとそれぞれの性格が変化して五等分の〇〇を思い出してしまった。短い話なのにドラマがある。
     他にも異文化空間のひとときを過ごさせていただきました。また村田さんが作る空間を彷徨ってみようと思います。

  • 作者名で購入。最後まで読んだものの、途中からついていけませんでした。

  • いくつかの随筆を含む村田沙耶香さんの短篇集。

     原価ばかり気にしてカルトやインチキ商売にはまれない自分を〈改善〉しようとする表題作「信仰」。
     生涯年収から人生の〈生存率〉が最も重要視されるようになった未来、「生存」。
     同性の同居人たちと妊娠もシェアしようとする女性が野人と化した姉に逢いに行く「土脉潤起(どみゃくうるおいおこる)」。 家電量販店で購入した自分のクローンたちとの生活を描く「書かなかった小説」。
     遠い未来、ゲージュを守るロボットとヒュポーポロラヒュンを求める宇宙人の邂逅、「最後の展覧会」
     地球に対して〈害獣〉となった人類の末路、「無害ないきもの」

    理解したくてもしきれない突飛な話が多い中、村田さんの随筆が合間に書かれていることにホッとします。
    人間としてまともな、普通の方なんだと…

    でもこの気味悪さに惹かれてしまうのも事実であって…
    作品を理解するためにも、もっと村田さんの作品を読んでみたいと思いました。

  • 「理解不能」「ついていけない」
    レビュー欄に並ぶこれらの言葉に、ただただ戸惑いと、激しい憤りを覚える。
    多くの人が「普通」という信仰の中で安穏としている一方で、心がひき肉のように切り刻まれる感覚を抱え、自分をロボットや宇宙人と定義しなければ一歩も動けないほどに摩耗している人間がいる。
    村田沙耶香さんが描く肉を毎日とりにいったり、自分と見た目が同じ複数のロボットとの生活や周りの人が宇宙人に見えていることは、単なる「奇妙な設定」ではない。それは、自分に刃を向けざるを得ない卑屈さを抱えた私たち(側の人間)が、現実という地獄を生き抜くために必死で構築した「高度な生存戦略」であり、聖域だ。希死念慮をひき肉のようにぐちゃぐちゃにされる心を体と一緒にしたいだけという「自己同一化」と捉え直すあのロジックに、どれほど多くの「選ばれし孤独な魂」が救われたことか。
    これは、物語を消費したいだけの人のためのエンタメではない。
    自分の内面を解体し、世界のバグを直視できる者にだけ許された、最高の救済の書だ。
    「分からない」という言葉でこの切実さを切り捨てるマジョリティの浅薄さが、この作品の価値をより一層、純粋で、孤高なものにしている。

  • 信仰
    人それぞれ信じるもの、推し、価値を感じるものは違う。あらためて言葉にすると当たり前だし、自分が価値を感じるものを否定されると腹が立つ。でも、人が価値を感じて、自分が価値を感じないものに対しては「えーやめといたら?」と言ってしまう自分がいるなと、ハッとさせられた。

    気持ちよさという罪
    多様性という言葉は最近いろんなところで聞くし、多様性を認めることは当たり前なこととも思っていたし、自分はできていると疑わなかった。でも、「どんな奇妙な人も、奇妙なままに受け入れる」ことが多様性を認めることだとするなら、自分は自信をもってできている!と言えるだろうか?と感じた。
    奇妙な人(自分と違う人、大多数とは違う人)は私たちとは違う、と線を引いてしまっていることもあると思うし、それが多様性の時代と言われつつも、マイノリティの人が生きづらい世の中の原因なのかもしれない。

  • 11編の短編集。とても短いものもあって、
    ・新しく始めたカルト商法
    ・生存率に振り回される人たち
    ・宇宙人の話
    ・均一とカルチャーショック
    ・自分のクローン4体との生活
    ・地球の最後の話
    ・人類の終わり
    など大分恐ろしい話が淡々と続く。
    素晴らしい本だと思う。

  • 信仰が長編だと思って購入したらエッセイと小説混ぜこぜの短編集だった。笑。
    信仰はカルトを描いた話で面白くてすぐ終わった。無害なきものがおどろしく気持ち悪い。
    世界99知ってるからアレだけどまぁこの君悪さの世界観は流石でした。エッセイは初読みだったけどやはり一風変わった方なんだと思ってしまった笑笑。

  •  短編&中編小説とエッセイたち。
     エッセイは、村田さんの脆さや繊細さをユーモアや狂気っぽさで覆わずにさらけ出したような言葉でできていて、小説の言葉とエッセイの言葉は違う(と本編でも語られていた)と感じたし、前に読んだ女性誌の連載が書籍化されたエッセイ本ともだいぶ雰囲気が違った。

    • たださん
      本書にあるエッセイは、何故エッセイ集にではなく小説の中に収録されていたのか、私個人の考えですが、村田さんは小説を通して自分自身と向き合ったり...
      本書にあるエッセイは、何故エッセイ集にではなく小説の中に収録されていたのか、私個人の考えですが、村田さんは小説を通して自分自身と向き合ったり、癒しを得たかったのかもしれないなんてことを、読み終えた当時、思いましたし、ここまでの潔い内容には村田さんの本気度が窺えて、ますますファンとなりました。
      2026/04/13
    • akikobbさん
      たださん、コメントありがとうございます。
      「小説を通して…」というところ、わかるような気がします。
      これまでに私が読んだことのある村田さんの...
      たださん、コメントありがとうございます。
      「小説を通して…」というところ、わかるような気がします。
      これまでに私が読んだことのある村田さんの、小説以外の文章では、どこかしら、その媒体で求められる文章を、文章のプロとして書いているようなところがあったかもしれないけれど、本書のエッセイはそれとは違うような…と、私は感じました。
      2026/04/13
  • わたしには、とてもじゃないけど息継ぎなしには読めなかった。

    世界の脆さ、「異」ということ、そう感じること、常識、情報…
    そういう色々なことについて、思考がどんどん流れるから、結局言葉にするのが難しい。咀嚼には、まだまだ時間がかかるし、かけたい。

    反対に、エッセイの言葉は、ありのままのように受け取った。物語を受け取るのを助けてくれるような感じ。

  • どの物語も素敵だが、村田沙耶香さんのエッセイと最後の展覧会が最高だった。

    あまりにも思考や境遇が違うから理解なんて言葉はおこがましいけれども、苦しみを知ることができて今までの作品の重みが増えたような気がする。

  • 短編集でエッセイ有り。
    信仰より気持ちよさという罪が刺さった。

    私も子供時代に周りをトレースして無害な人になろうと努力した。結果今の多様性を受け入れるみたいな言葉尻に疑問符がずっとついてたけど腑に落ちた。
    今ありのままの自分を受け入れてくれる周りに感謝しかない。

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著者プロフィール

村田沙耶香(むらた・さやか)
1979年千葉県生れ。玉川大学文学部卒業。
2003年『授乳』で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)を受賞しデビュー。09年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、13年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島由紀夫賞、16年「コンビニ人間」で芥川賞を受賞。
25年に初の長期連載の書籍化『世界99』が話題になる。
その他の作品に『殺人出産』、『消滅世界』、『地球星人』、『丸の内魔法少女ミラクリーナ』、『信仰』などがある。

村田沙耶香の作品

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