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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784168120039
作品紹介・あらすじ
世界が驚いた圧巻のリアリティ
兄妹の死が物語るものとは――。山田洋次、與那覇潤、妹尾河童ら豪華執筆陣が、戦争とアニメーション表現の本質について掘り下げる。
みんなの感想まとめ
戦争の悲惨さと兄妹の絆を描いた物語は、観る者に深い感動を与えます。多くの読者が、主人公たちの苦悩や周囲の人々との関係を通じて、現代社会における人間関係の希薄さを考えさせられると語っています。特に、叔母...
感想・レビュー・書評
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4歳と14歳で、生きようと思った。
叔母さんにあの時頭を下げていれば・・・
清太は、叔母さんの手伝いもしない、怠けていて・・・
というSNSの考察が話題だけれど、そうじゃないと思う。
思春期の子供が母を失い、4歳の子供の面倒を見なければいけない状況で、自分だけではなく妹に対してもひどい対応を取る叔母さんの下に居続けることができるだろうか。
手を差し伸べてくれる人もいた、
でも誰も二人がクラス横穴までは来てくれなかった。
戦場で、人の心は修羅と化すのかもしれない。
二人の悲惨な結末は覆しようのないことだったのかもしれない。
でも、清太と節子が現代の高層ビルを見つめるラスト。
戦争下ではない今、清太や節子のような人を
自分の暮らしに忙しく、私たちは無意識に振り替えるゆとりをなくしてはいないか、そんなことを我々に問いかけている気がする。
人と人の関係が希薄になっている現代において、私たちが周りにどれだけ目を向けて手を差し伸べることができるのか。
可愛い絵のアニメーションで、これほどまでに残酷にはかなくて美しくそしてリアルに人間を描き出す作品はこれまでもこれからも、なかなか巡り合えないと思う。
『火垂るの墓』が同じく兄弟愛を描いた作品である『となりのトトロ』という高畑勲、宮崎駿双方の最高傑作ともいえるスタジオジブリ作品だ同時上映されたことは、
偶然だけど、何か意味があったのではないかと思わずにはいられない。
《アニメーションは勇気や希望やたくましさを描くことはもちろん大切であるが、まず人と人がどうつながるかについて思いをはせることのできる作品もまた必要であろう》監督高畑勲
スタジオジブリ作品に関して、私は受け取り方が年齢とともに変わっていって、そのたびに考えさせられる。それがとても楽しい。これが私がジブリを大好きな理由の一つだ。
「人類全員ジブリみろー!!」とまでは、思わない。感じれる人に届けばそれでいいと思う。世界って夢と魔法だけじゃなくて、落ち込むこともあるけれど、でも毎日の中に輝きがあって。
それをジブリは思い出させてくれると思う。
忘れてはいけない大切な作品である『火垂るの墓』に関して、考察を深められるヒントをたくさんいただけた本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
スタジオジブリのアニメにもなった名作。戦争の悲惨さと兄妹の絆を描く物語です。涙なしでは読めません。オススメです!
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何回も繰り返し観た訳でもないのに、展開や1つ1つのシーンを鮮明に覚えているのはそれだけ衝撃的な内容だったからだろう。本書でもちらほら触れられていたが、大人になり親の立場になってから西宮のおばさんの態度・振る舞いが決して意地悪過ぎる訳ではないことがわかった。ただのお涙頂戴ではなく、当時を生きた庶民のリアルを描写した記録映画だ。中でも節子が海に入る前に服を脱ぐシーンは、幼児の動きがよく表現されており、そういう細かなところからアニメの中の話でなく節子のような女の子が実在していたことを観客に認識させる。
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ジブリの教科書「となりのトトロ」を読んで、「火垂るの墓」も読みたくなって、発売を心待ちにしていた。
でも表紙の2人に見つめられたら、浮ついた気持ちが萎んでいった。
私が「火垂るの墓」を観たのは、たしか小学生高学年か中学生の時、節子よりは年上、清太よりは年下ではなかったかと思う。
記憶がぼんやりとしているのは、日頃から嫌なことはさっさと忘れるようと努めている脳が、「火垂るの墓」の記憶も消去しようと試みたからではないか。
それでも、消去したはずの記憶が表紙の絵によって少し蘇ってきた。
「火垂るの墓」は私にとって繰り返し観たい作品ではない。
まだ一度しか観ていないし、観直す予定もなかった。
でも、ジブリの教科書を読んで、原作に込められた想いと、映画化に込められた想いを知って、もう一度観たいような気がし始めている。
清太の年を追い越してからさらに何年も生きたけど、清太のように節子を養う力は依然としてない。
今この映画を観ることで何を感じるのか、それを知りたい。 -
企画段階から映画の作画、音響、色彩などの製作過程についての貴重なお話しや監督と原作者の対談など内容は盛りだくさん。より深く作品を理解できる一冊。
当時の神戸の街並みや、B29の飛行ルート、焼夷弾の構造まで調べ上げリアリティにこだわったと知り、もう一度違った視点で映画を見てみたいと思った。 -
火垂るの墓のただ悲しいだけ、ただの反戦ではない、本当のメッセージについて、制作プロセスなども含めて書かれている。
本当は、心中もの。単純な反戦ではなく、人との関係に馴染めなかったコミュニケーションが苦手な少年が、妹を死なせてしまうと言う悲惨な物語。 -
アニメ化された『火垂るの墓』の紹介本です。解説に徳島大学出身のノンフィクション作家城戸久枝さんが、母となって子どもとみてまた見方が変わったと述べています。あの戦争から遠く離れてしまった世代にも親しまれる作品です。(yori)
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きっと、一度は目や耳にしたことがある作品ですよね。でも、どのように作られたのか知っていますか?
故・高畑勲監督が、この作品に込めた、もう語られることのない思いを、この夏、受け取ってみるのはどうでしょうか。
当時のジブリの様子や、制作秘話も知ることができますよ。また、貴重なカラー絵や、キャラクター設定画なども、載っているので、ジブリファンでなくても、面白い本です!
【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
不思議だ。
「トトロ」で語られる言葉は、全部いらない言葉に聞こえるのに、「火垂るの墓」で語られる言葉は、1つ1つが重くて、何かを伝えようとしていると感じられる。
どっちの作品が、優れているとは言えないと思うのだけど、「トトロ」は語られることを拒否する物語で、「火垂る」は語りを誘発する物語であるようだ。
そこが、宮崎 駿と高畑 勲という2人の天才の、違いなのかも。
信用できないと思っている妹尾河童の語る野坂のエピソードさえ、ちゃんと聞こえてくる。
そして、野坂本人にすら、語らせる力が、この映画にはあったのだろう。
そして、そこまでの作品であるにもかかわらず、監督の高畑自身の欲望は、深く深く、物語のなかに、原作の中に隠されている。
大塚さんの話は、楽しいのだけども、最近のいつものように、ちょっと自分の政治的な思想に寄せて考えすぎだ。
自分の政治的な主張を強化するためだけに「作品」があるのだとしたら、それはつまんないことだと思う。
それから、多くが宮崎との対比で高畑が作った的なことを書いているけれど、どうも、鈴木 敏夫の話なんかを聞いていると、相手の作品を気にしているのは宮崎の方で、もし本当に対比させて作ったのだとすれば、それは、「火垂る」に対比させて「トトロ」が作られているということだと思う。
おそらく、それ以前の宮崎作品への高畑からのメッセージというのはあると思うけど、多分、「トトロ」の表現の細部を気にして「火垂る」が作られた訳ではないだろう。
もちろん、この題材を選ぶ時点で、「トトロ」との対比ということは意識されただろうし、宮崎が自分のいなところで、なにをどんな風にかくのか、ある程度は、高畑は知っていたし想像しただろうけども。
多分、高畑からの直接のメッセージは、「天空の城ラピュタ」と「かぐや姫の物語」が対応しているみたいに、ものすごく長いスパンのもののような気がします。
歴史に残る映画です。
見たら、トラウマも残るけど。
けど、その棘を心に突き立てたまま、ぼくたちは活きていく。 -
【世界が驚いた圧巻のリアリティ】兄妹の死が物語るものとは――。山田洋次、與那覇潤、妹尾河童ら豪華執筆陣が、戦争とアニメーション表現の本質について掘り下げる。
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登録番号:10941 分類番号:778.77ス
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