風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡 (文春ジブリ文庫)

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  • 文藝春秋 (2013年11月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784168122026

作品紹介・あらすじ

衝撃の引退劇――世界のミヤザキの原点

『風の谷のナウシカ』から『千と千尋の神隠し』まで、十二年間に及ぶロングインタビューで、天才・宮崎駿の発想の“源泉”を探る。

みんなの感想まとめ

作品は、宮崎駿の創作の源泉に迫る貴重なインタビュー集であり、彼自身の葛藤や希望が色濃く反映されています。ジブリ作品に登場するキャラクターたちが抱える葛藤と同様に、宮崎監督もまた複雑な内面を持つ人物であ...

感想・レビュー・書評

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  • ジブリ作品に出てくる人たちが好きだ。
    特に主人公たちは、みんな(たとえ幼くとも)葛藤を抱えて生きているから。
    このインタビュー集を読むと、監督の宮崎駿自身が、ものすごく葛藤を抱えて生きている人だということがわかる。
    言ってることは、かなりひねくれたオジサンなんだけど、そのものすごく奥の方に、絶対に消えない小さな希望の光がある。
    それを力任せに取りだして、みんなにどうだ!!と見せたい反面、誰にも見られたくないから、大事に大事に隠しておきたい、といった矛盾した気持ちのあいだから、こぼれ落ちたものが、ジブリ作品にちりばめられているような気がするのだ。
    こんな感想も、宮崎監督は「わかったことを言うな」と一蹴するのだろうけど。

  • 僕も大好きなジブリのアニメーション映画の数多くを手掛けている宮崎駿さんのインタビュー集。インタビュアーは音楽雑誌のほうで著名な渋谷陽一さん。1990年11月から2001年11月までのあいだの5度のインタビューを収録。

    最初のインタビューこそ謙虚さが勝っていてまっすぐに応えようとしている姿勢が感じられるのです。しかし、だんだんと、インタビュアーに慣れてきたのでしょうか、あけっぴろげに感じられるところもあるし、歯に衣着せぬ発言も多数あるし、気難しげなところもあるしで、もともとけれんみの無いお人柄のようではあるのですがざっくばらんに話をしてくれている印象に変わっていきました。その結果、宮崎駿さんという、一人の人間であり、アニメーション映画監督であり、アニメーションの技術者であり、表現者であり、という丸ごとにすこしずつ触れられるような出来栄えの本になっていると思いました。そして、たびたび、「いやはや、面倒くさい人だな」と笑えてしまいました。

    面倒くささでいえば、このなかで語られる手塚治虫さんについてもかなりです。漫画を描いているぶんには神様と言われるほどの天才的な技術と表現力を発揮する人でも、アニメーションの分野での仕事ややり口は、宮崎駿さんの言い分のよると「彼がアニメーションでやったことは僕は間違いだと思うんです」でした。製作を安く受け合ったり、イエスマンしか周りに置かなかったり、いろいろあったみたいです。

    また、『エヴァンゲリオン』の庵野秀明さんと『攻殻機動隊』の押井守さんにたいする言及があるのですが、彼らへのすごいこきおろし方をしていてびっくり。読んでいくとわかりますけども、どうやら気心知れた仲みたいですね。アニメ世界の世間は狭いようで。

    『風の谷のナウシカ』から『千と千尋の神隠し』まで、映画を作った動機やどういう流れの中での作品なのか、また背景にある宮崎監督の思想や知識(マルクスだとか照葉樹林文化だとか)を断片的に知ることができる内容でした。映画の一部分やキャラクターの解説になっているところもあります。

    あと、コミック版『風の谷のナウシカ』に触れている箇所も多く、このコミック版にわくわくどきどきした者から言わせてもらうとぞくぞくしてくる話を聞けたような感じでした。名作だと思っているのですが、宮崎さんは苦役のようにこなしていたところがあるようで、スタジオで彼の半径何メートルかではコミック版ナウシカは無かったことになっている、と。もし誰かが触れたら怒鳴り散らされたり不機嫌になってどうしようもなくなったりしたそうです(やっぱり面倒くさいですね)。

    なんていうか、クリエイター、表現者として、これだけいろいろ考えているし勉強されているし、っていうところが、一文一文にきらめいて見えるわけです。そのきらめきの光に力をもらうような読書でした。ほんとはこういう本をちまちま読みながら自分でも何か短篇小説をひとつ書いてみるだとかするとすごく楽しくなるんだと思うんですよ。なんか、よく分かっている人で、理解してくれるだろう人で、そしてライバルに設定できる人っていう感覚を持ちつつ書けるというような。読者想定がかなり具体的になるからかもしれないですね。宮崎駿さんを読者に想定して書きやすくなる、という。

    それはそれとして、宮崎駿さんのバイオレンス性についてはあまり考えてこなかったですが、ふつうに自認しておられる様子。『ラピュタ』なんかでは「人が蟻のようだ」なんていって大勢死んでいったりしますし、『もののけ姫』でもばっさり刀で斬られるシーンがあったと思います。こういう暴力性の表現の意味っていうものについて、もっと話を読んでみたいです。同時に、僕も自分でもっと考えてみたいところでした。

  • すべて地続きに繋がっている。ジブリの世界観ではなく、本当の意味ではこの生きてる僕たちの世界もジブリの世界なんだって。心の中にリトル宮崎駿を飼いたい、いやむしろ飼われたい。

  • 夏と言えばジブリ。
    金曜ロードショーにジブリが並ぶと夏を感じる。
    今年は宮崎駿の新作、「君たちはどう生きるか」が公開されています。
    ジブリに関する物語が読みたくて、「スタジオジブリ物語」と併読していた一冊です。

    1990年代のインタビュー集で、
    インタビュアーの渋谷さんも著名な方なんですね。

    二人のやり取りが途中喧嘩のようだし、
    インタビュアーの考えを押し付けているような印象も受けましたが、文字だけだからですかね。苦笑

    映画は受け取り手の見方、
    感じ方に委ねたい部分もあるから、
    名言はせず抽象的に伝えている印象の宮崎監督と、
    だからこういうことでしょ、という感じのインタビュアー。

    途中、インタビュアーの文章の方が長くて、
    宮崎監督が「そうですね」の一言で返してるのは、
    笑いました。苦笑

    宮崎監督の最初の一言が、
    「いや」「いや、だから」みたいな言葉が多くて、
    インタビュアーが違うのか、
    宮崎監督の元々の性格なのか、
    あまり詳しくない私には判断できず。苦笑

    子どもに向けて映画を作っているというのは、
    とても腑に落ちました。
    「あんな人いない」に対して、
    「まだ出会ってないだけかもしれないよ」と言いたい、と。

    ヒーローでもヒロインでも、特殊能力がなくても、
    ちゃんと自分で立って頑張る、
    千(千と千尋の神隠し)を描きたかったというのが印象的でした。

    読んでいて宮崎監督節に苦笑いしたり、笑ったり、ほっこりしたり、はっとさせられたり。

    宮沢賢治の本が読みたくなりました。

  • インタビューをまとめた本なので、比較的読みやすい本でした。ただ、インタビュアーがはじめにに書いてある通り本人も認めてる通りちょっと喧嘩腰なのがそこが読んでてしんどさを感じた。内容自体は各作品のことやアニメーションに対する気持ちや姿勢、世の中とどう関わってていくかを書かれていてなるほどなと思いながら、宮崎駿さんってなんかこうつかみどころがありそうななさそうな不思議な人だと思った。また改めてジブリ作品を観てみたくなった。

  • インタビュアーの渋谷陽一さん、冒頭に喧嘩腰で、、、って書いてあったけど、これだけのインタビュー引き出せるのすごいなあと思った。
    子供に映画を作りたい、子供に何かしたい、っていうのが宮崎駿さんの作品作りの源泉になっていて、でもそれが決して押し付けるようなものではなくて、自身が面白いと思うことを軸に構成されてると理解。
    何かすごいものを作る人って、あらかじめいろんなことを想定して作るよりも、心の赴くままに進めていったらこうなりました、っていうパターンが多いのかな〜と思った。あらかじめ色々考えすぎると型にはまりがちだしね。少し自己反省です!!

  • 渋谷氏のロキノンは、エレカシと幸福な関係。
    ブランキー初期とは幸せな関係だったが、浅井健一ソロとは決裂して……という。(→浅井健一は「音楽と人」へ。)
    それくらいの印象。
    もちろんロック方面、私が一時期首を突っ込んで、その奥深さに辟易し首を引っ込めた分野では、凄い人なんだろう。
    が、駿へのインタビュアーとしては、ともかく続けてくれという懇談、そして次の回においては、だから前回私は駿さん続けるって言ったでしょー!? という、その鼻息に終始している。
    とはいえ駿も鼻フンフンの若者に対し、ジジイとして鼻の穴をフンフンしているので、共犯。
    素材としては悪くないが。
    評論家は、こういういけ好かないインタビュー集を材料にして色々考えなければならないんだろうね、難儀だねえ。

    @@@@@

    宮崎駿インタヴュー集『風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡』

    宮崎駿インタビュー集第2弾刊行にあわせて6刷決定!
    「どんな状態になっても世界を肯定したいっていう気持ちが自分の中にあるから、映画を作ろうっていうふうになるんじゃないかと思うんです」(本書より)――『千と千尋の神隠し』でついに第75回アカデミー賞を受賞し、名実ともに世界のトップ・アニメーション映画監督となった宮崎駿。決して大人に向けてではなく、ある10歳の子どもたちを観客として想定して作られた作品であり、しかも湯屋を舞台に何から何まで非常に日本的なるもので作られた作品であるにもかかわらず、『千と千尋』が年齢も国境も超えたグローバルな普遍性を獲得することができたのは何故なのでしょうか。本書は12年の歳月をかけて行われたインタヴューのすべてをノーカットで収録した、宮崎駿の決定版インタヴュー集です。華やかなサクセスストーリーを歩んでいると誤解されがちですが、宮崎駿のアニメーター人生は決して平坦な道のりではありませんでした。実は苦渋の決断だった『ナウシカ』のアニメ化、『となりのトトロ』の興行的な失敗、表現者としてぶつかった壁……のどかな世間のイメージとはかけ離れた、一人の表現者・宮崎駿、そして人間・宮崎駿の真実。本書ではそのすべてが、宮崎自身の肉声によって語られています。様々な苦悩と困難を乗り越えて、宮崎駿はなぜ世界を肯定できたのか。12年間かけてじっくり積み重ねられた、あまりに重く、そしてあまりに眩しい言葉の数々。本当の宮崎駿を知ってください。

    目次
    ○ 風が吹き始めた場所――1990年11月
    映画/拠り所/現代/風/娯楽/ブランド/黄金律/自己嫌悪/日本人/動態/左翼思想/本音と建前/手塚治虫/ディズニー
    ○ 豚が人間に戻るまで――1992年7月
    豚の由縁/崖っぷち/東西の崩壊/嘘/豚でしかない人間/「仕方のないもの」/根拠/出発点/創作意欲/終わっていない映画/メガヒット/本質/突き抜けたニヒリズム/ジャパニメーション/時代劇/奇跡/種を蒔く人
    ○ タタラ場で生きることを決意したとき――1997年7月
    引退/職工頭/業の深さ/日の当たらない日本史/コダマ/『もののけ姫』の世界観の裏側/新しい歴史観/不条理な生/暴力性/自信の喪失/愛憎/ジブリというタタラ場/庵野秀明/押井守/高畑勲/無意識
    ○ ナウシカと千尋をつなぐもの――2001年7月
    静かな山場/千尋と海/急遽の変更劇/油屋=ジブリ/顔の見える観客/銀河鉄道の夜/大事なもの/予感/鉄砲オタク/物語
    ○ 風の谷から油屋まで――2001年11月
    失業者/漫画家/持ち込み/制約/職場/橋/「ライフワーク」/映画版『ナウシカ』のエンディング/世界観の造形/『ナウシカ』の成功/少年モノとしての『ラピュタ』/脇役/戦前・戦後/キスシーン/女性観/『トトロ』への積年の想い/日本/日常/草原/台風/『トトロ』の失敗/ヒモつき/思春期/佳境に入ったコミック版『ナウシカ』/社員/経営者/冷戦の終結とバブルの崩壊/後悔/真っ向勝負/シンプルでストロングなストーリー/「タタラ場」という現実/祝福/メロドラマ/答え

  • ケンカ腰が本当を引き出していた。

    渋谷陽ーの宮崎駿へのロングインタビュー。
    最初は喧嘩腰。
    それが回を重ねるごとに噛み合い、思わぬ本当を引き出していた。
    それは渋谷と宮崎に通底する思想や教養があったからこそ。
    土俵があってこその喧嘩腰。

    「『これはブランドもんだから好きだ』って着てるのは駄目ですよ! そういうスノビズムは、どっかで可愛げがあったときはいいけども」

    「僕は回復可能なもの以外は出したくないです」

    「僕は、人間を罰したいという欲求がものすごくあったんですけど、それはヤバイなあと思ったんです。『新世紀エヴァンゲリオン』なんかは典型的にそうだと思うんだけど、自分の知っている人間以外は嫌いだ、いなくてもよいという」

    「下請けの人が仕事を持ってきてくれたときには挨拶したいしね、暇があったらお茶でもいれたいぐらいの気分なんですよ。~ところが案外ね、みんな平気な顔してるんですね」

    「シンプルでストロングなストーリーで端的明瞭っていうのが映画では一番いいんだっていうのは、ほんとそのとおりだと思うんですよ。でも、それだけやってしまうと、この現代の世界は取りこぼしてしまうんですよ」

    心にとまった所をピックアップしてみると、常識というか、知性というか、教養というか、もののとらまえ方が自分に響いたとわかる。

  • ■書名

    書名:風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡
    著者:宮崎 駿

    ■概要

    『風の谷のナウシカ』から『千と千尋の神隠し』まで、宮崎駿監督
    が自らの作品の背景や狙いはもちろん、文明論から歴史観に至るま
    で、徹底的に語り尽くした完全保存版インタビュー集。
    (From amazon)

    ■感想

    宮崎駿さんへのインタビュー集です。
    先日、引退発表をしましたが、だから出版されたわけではないよう
    です。

    宮崎さん、ジブリ関係の本は山ほど出ていますが、全てがインタビ
    ューで構成されている本は、多くはないんですよね。
    で、インタビューアは、音楽雑誌で有名な、渋谷陽一さんです。
    インタビューの二人のやりとりを見ると、宮崎さんは結構渋谷さんに
    心を許している感じですね。
    気になるのは、少し渋谷さんが自分の思っている方向に導こうとする
    感じが強いかな?と感じる点です。

    でも、そこを差し引いても、宮崎さんの考えが満載の一冊だと思い
    ますし、一人の表現者としての考えを感じる事が出来ます。
    (自分のレベルでは、分かる事は出来ません)

    ナウシカの映画化までの経緯とか、自分が他の本で読んだのと少し
    違っていたので、どちらが正しいのか?気になったのもあります。
    (もう記憶がごっちゃになっているのだろうな~と思いますね。)

    庵野さんや、押井さんへの批評も面白いです。
    なんか無駄に批判しているのではなく、認めているから批判している
    という感じが伝わってきます。
    こういう方々は基本的に違う考えがあるのが当たり前ですから、お互い
    が、自分の考えをもとに批判しているのは楽しいです。

    続編も文庫化してくれないかな~

    ■気になった点

    ・「人とはこういうものだ」ではなく「こうあったらいいな」という
     方向で映画を作ります。こういうものだなんて、自分を見れば分か
     りますから。

    ・嘘を重ねた映画なんて作りたくない。

    ・観終わった後に「ああ、映画観た!」というような映画を作りたい。

    ・「このレベルで嘘をつきます」って決めた後に、そのレベルを変えちゃ
     いけない。

    ・自己否定が出発点になっていますから。

    ・光と影はどこにも絶対ある。

    ・生きている間にその人を褒めろ。死んでから褒めるな。頭にきま
     すよ。

    ・面倒くさいことに付き合わないと、アニメーションは作れないです。

    ・普遍的なシステムなんてない。その世代が変えていくべきなんですよ。

    ・血がおぞましいなんてのは変でしょ。生きてるっていうのは血が
     流れているんですから。

    ・仕事っていうのは、離れようとすると未練が出るものですから。

    ・僕の場合、目の前の子供たちに映画を作る事が一番大事と思えた
     から。

    ・できないものはできないですから。

    ・(ナウシカ)あの時代だから出来たのであって今(ナウシカ2)やった
     ら違いますよ。

    ・最初に絵をかくのは簡単なんですよ。2回目以降も同じ気持ち悪さ
     で描き続けるのは難しいんですよね。

    ・社員化したら生産性が悪くなるっていうのは分かっていたんですよ。

    ・相手の職業によって態度を変えるというのは絶対にしなかったつも
     りなんです。それだけはやっちゃいけないと思うので。

    ・外注はひどいなどとひとまとめに言う人がいますけど、大嫌いです
     ね、そういうやつは。

    ・鈴木さんも僕も始めるのは好きなんですよ。だけど始めたことを
     続けるのは好きじゃないんですよ。

  • かなり酷い。

    背表紙には"自らの作品の背景や狙いはもちろん、文明論から歴史観に至るまで、徹底的に語り尽くした"とあるが、内容のほとんどが後者の文明論や歴史観(そもそも文明論や歴史観ってなんだ?そんな言葉あるのか?)になる。また、インタビュー形式の記載のため非常に読みにくいことと、インタビュアーの言いたい方向に持って行きたいのがあまりいい気持ちにならない。どちらかといえば、宮崎さんの話を引き出すように自分の考えを強く出さない人に行って欲しかった。

    ジブリ映画好きなら、もっと別の本で宮崎さんを知るべきであると強く感じる。

  • 「ストーカー」「ミツバチのささやき」、宮沢賢治、手塚治虫、ブルース・スプリングスティーン、シニアジブリ、関東大震災、庵野秀明、押井守、杉浦茂、「テス」、「ライアンの娘」

  • 宮崎さんにとっての宮沢賢治が、自分にとっての宮崎駿という日本人は多いと思うし、私もその一人(宮崎さんは否定されているけれど)。
    どの作品も可愛らしくて、綺麗で、懐かしくて、感動して、でもそれぞれが生まれるには様々な思考/思想や面倒臭さ、葛藤が隠れていたのだと思うと、その裏の部分を覗けたようで嬉しかった。特に『もののけ姫』では、原案やサンの名前の由来、こだまの誕生話、アシタカせっ記(造字…!)など知られて楽しかった。『サンというのは、アシタカに突き刺さった棘ですから。』がよい。
    ところどころ話の内容が回りくどく難しい単語も出てきたが、二人が博識なことは大いに伝わってくるから物語を創り上げるには技術だけじゃなく知識や感性も必要な要素なんだと感じた。それにアニメーターって過酷。そしてことあるごとに引退宣言する宮崎さん。笑
    司馬遼太郎と会話していたり、阿佐ヶ谷や荻窪の話が出てきたり…自分にとって歴史の教科書に載るような人物が出てくることがすごいし、身近な地名が出てくると宮崎駿って同じ地球に存在してたんだ…って当たり前を妙に感動した。

    普段インタビュー形式の書籍は読まないのでこれは時間がかかるかもと意気込んだが、ふと、インタビューって聞いている時はふんふんと頷いきながらいかに自分のものにしてやろうかと耳を澄ませるけれど、後で思い返そうとするといくつかの心に残ったフレーズ以外は何も頭に残っていない…という現象が自分にはよく起きるので、むしろ気負わずに流し読みする心地でサラーっと読んでしまおうと思ったらほぼ1日で読了。自分にしては早かった。

  • 監督の思想が作品に色濃く反映されること考えて、ジブリやエヴァンゲリオンを観てこなかったなという気付きがあった。
    毎回行き当たりばったりと言い切る宮崎駿だが、きちんと上映までカタチにするんだからさすが。
    意外といっては失礼だが、自分のやりたいことよりも子供たちのためのに作品をつくるということが最優先されていて、ずっとブレていないのが素敵だ。

  • どれだけこの世界の現状を悲観して見ていようが、結局は絶望ではなく希望を見せる為に映画を作るのが宮崎駿監督なんだよなぁ、、、、

  • もうこれで辞めてやるって言い続けながら、今だに映画作ってるんだよなぁ。有言実行に囚われなくても、その時の自分の気持ちに正直であれば良いかって思えてくる。

  • 宮崎駿がどんな考えや思いがあって、ジブリ作品が生まれた創作背景が気になって読んだ本

  • 白黒はっきりさせるようで、のらりくらりとかわすようでもある、掴めない御方です。2002年、初版発行のハードカバーの方を読んだのですが、『コクリコ坂から』のことだな、と分かるところがあってニヤリ。あれ?監督に就かれた方違いますか??

  • 書棚より

  • 思想をダイレクトに見れて良かった。インタビューは人が創作に昇華する前の思想を知れるから好きだ。彼関係の他の本も買ったので、今後読む。

  • インタビュアーは少し的はずれな方がよいのか?とも感じた。少しズレて突っ込むと的確な答えが返ってくる。
    宮崎駿の作品を見直してからもう一読したいと思えた。それと、ネットに流れている宮崎駿とジブリの逸話は結構本人の口から出る話とはズレててやはりネットは当てにできないと思えた。
    宮崎駿と渋谷陽一の対話は教養に富む一方難解な話も多く、もっと色んなことにアンテナ立てておかないと2人の話を正しく聴くことすら叶わないと感じた。
    時間が経ったら、また読み返したい。

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著者プロフィール

アニメーション映画監督。1941年東京都生まれ。学習院大学政治経済学部卒業後、東映動画(現・東映アニメーション)入社。「ルパン三世 カリオストロの城」(1979)で劇場作品を初監督。1984年には「風の谷のナウシカ」を発表。1985年にスタジオジブリの設立に参加。「天空の城ラピュタ」(1986)、「となりのトトロ」(1988)、「魔女の宅急便」(1989)、「紅の豚」(1992)、「もののけ姫」(1997)、「千と千尋の神隠し」(2001)、「ハウルの動く城」(2004)、「崖の上のポニョ」(2008)、「風立ちぬ」(2013)を監督。現在は新作長編「君たちはどう生きるか」を制作中。著書に『シュナの旅』『出発点』『虫眼とアニ眼』(養老孟司氏との対談集)(以上、徳間書店)、『折り返し点』『トトロの住む家増補改訂版』『本へのとびら』(以上、岩波書店)『半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義』(文春ジブリ文庫)などがある。

「2021年 『小説 となりのトトロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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