保守とは何か (文春学藝ライブラリー)

著者 :
制作 : 浜崎 洋介 
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 110
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784168130021

作品紹介・あらすじ

「私の生き方ないし考へ方は保守的であるが、自分を保守主義とは考へない。保守主義などといふものはありえない。保守派はその態度によつて人を納得させるべきであつて、イデオロギーによつて承服させるべきではない。」福田恆存が戦後の時流に抗して孤独のなかで掴んだ、「主義」ではなく「態度」としての保守。 時事的な論争家、文芸評論家、脚本家、演出家、シェイクスピア翻訳者など多くの顔を持つ福田恆存は、「保守論客」と位置づけられながらも、その「保守」の内実は、必ずしも十分に理解されてきたとは言い難い。福田恆存にとって「保守」とはいかなるものだったのか――本書は、その問いに迫るべく、気鋭の若手論客が編んだアンソロジーである。 本書の構成は、以下の通り、Ⅰ~Ⅴまで、年代順であると同時にテーマ別に構成されているが、福田恆存の思索自体が、問いに対する答えを一つずつ腑に落としながら、時代ごとに形成されたものにほかならないからである。 「Ⅰ 『私』の限界」〔九十九匹(政治)には回収できない一匹(個人)の孤独とその限界をみつめた論考〕。「Ⅱ 『私』を超えるもの」〔近代個人主義の限界で、エゴ(部分)を超えるもの(全体)へと開かれていった福田の論考〕。「Ⅲ 遅れてあること、見とほさないこと」〔近代=個人を超える「全体」を「伝統」として見出しながら、それを「主義」化できないものとして受容しようとした論考〕。「Ⅳ 近代化への抵抗」〔戦後を風靡した合理主義と近代主義に抵抗した論考〕。「Ⅴ 生活すること、附合ふこと、味はふこと」〔「生活感情」に基づき、主義ではない、生き方としての「保守」の在り方を示したエッセイ〕。 旧来の「保守」像と「福田恆存」像を刷新する本書は、今日、最良の「福田恆存入門」であると同時に「保守思想入門」である。

感想・レビュー・書評

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  • 丸山眞男を好んでよく読んだ身としては福田恆存の名は敬遠していた。文芸評論家で古臭いことを言う保守派のおじさんぐらいの認識で読んでも文学論ぐらい。

    本書を読んでも結局、保守思想とは何のか分からなかった。
    ただ保守とはイデオロギーでなく生きる態度であり、孤独を引き受ける覚悟をもった人のこと、ということがひしひしと伝わってきた。

  • 「一匹と九十九匹と」を、同年発表の丸山眞男「超国家主義の論理と心理」と比べると実に面白い。丸山が旧時代の価値の陳腐さを暴露し、新たな価値を時代に刻み込もうとしているのに対し、福田は新たな価値が敷かれた時代においても旧時代と同じく99匹に対する1匹が存在せざるを得ないことを指摘する。
    どのような社会においても政治が救えない1匹はいる。常にこの考え方が根底にあるから、戦前と戦後で声高に叫ばれたそれぞれの近代的諸価値を無条件に信じていない。では何に軸足を置くのか。それは古典や歴史の積み重ねであることが、以降の論述で繰り返し述べられる。旧仮名遣いにこだわる理由も開陳され、思想のみならずライフスタイルも含めて徹底的な保守派であることがわかる。
    同時代的なトピックに触れた論述が多いものの、福田の反応は流行り廃りのないスタイルとなっており今後も長く読まれることだろう。

  • ずいぶん我慢して読んだが、途中で挫折。言わんとしてる事は、理解できるが、文章が、どうも、体に馴染まない。

    自分の読解力のなさもあるとは思うが、韜晦にみち、繰り返しが多く、ステッブが細かい。

    本当に理解するには馴れも必要だな。また、挑戦しよう。

  • 【保守とは「主義」ではなく「態度」である】旧来の「保守」像と「?田恆存」像を刷新すべく、気鋭の若手論客が最重要作品を年代別に精選した究極のアンソロジー。

  • 14/01/29。

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