「小さきもの」の思想 (文春学藝ライブラリー)

  • 文藝春秋 (2014年2月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784168130113

作品紹介・あらすじ

文春新書『遊動論 柳田国男と山人』によって、画期的な柳田論を提示した、柄谷行人が選び、解題を付した、まったく新しいアンソロジー。

柳田の「可能性の中心」がくっきりと浮かび上がります。

柳田を読むなら、この一冊。『遊動論』の必読のサブテキストです。



「柳田国男の仕事は、一言でいえば、近代の発展の中で急速に廃れ忘れられていくものを記録することであった。(……)柳田はこのような仕事を、たんに学者としてではなく、詩人、官僚、ジャーナリストとして現実に深くコミットする中で成し遂げた。(……)本書は、柳田のそのような生涯を展望できるように編集されている」(「はじめに」より)



主な収録作品は次のとおりです。

第一章 文学と柳田国男:柳田国男自伝/文学の思い出 抄 『故郷七十年』より

第二章 山の人生:幻覚の実験 『妖怪談義』より/幽冥談/九州南部地方の民風/遠野物語 抄/山の人生 抄/山人考 『山の人生』より/山民の生活

第三章 島の人生:島の話 抄 『青年と学問』より/南島研究の現状 抄 『青年と学問』より/島々の話 その四 抄 『島の人生』より/豆手帖から

第四章 「大正デモクラシー」を担う:ジュネーブの思い出/政党と階級意識/七月一日から愈々排日法の実施につき

第五章 民俗学=史学の方法:実験の史学 抄/単独立証法 『国史と民俗学』より

第六章 日本の歴史:親方子方 抄/労働『郷土生活の研究法』より/親分割拠『明治大正史世相篇』より/聟入考 抄 『婚姻の話』より/家の話

/第七章 小さき者と言語:子供と言葉/童児と昔 抄 『小さき者の声』より/キミ・ボク問題 『少年と国語』より/知ラナイワ 『毎日の言葉』より/昔話と伝統と神話 抄 『口承文芸史考』より/嗚滸の文学 抄 『不幸なる芸術』より

第八章 死者との交通:神道私見 抄/日本の祭 抄/先祖の話 抄

感想・レビュー・書評

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  • 文春学藝ライブラリー 
    柳田国男 「小さきもの」の思想

    柄谷行人 が 柳田国男のテーマを一望できるように1冊に編集した本


    柳田国男は仕事の幅が広い。第一次大戦後にジュネーブに行き、南洋諸島の委任統治の仕事をしたり、農商官僚として農村の自立を説いたり、白昼に星を見たり、神道学やエスペラントに通じていたり


    編者が目付けした柳田国男のテーマ
    *山の人生〜東北、天狗など山人論、遠野物語
    *島の人生〜沖縄、南島研究
    *民俗学=史学の方法
    *小さき者と言語
    *死者との交通〜先祖の話


    山の人生、島の人生は興味深い。全集読もうと思う。沖縄と東北で一致する現象を日本の古層と捉えた方言周圏説は 思考実験的で面白い


    最も驚いたのは「親方子方」や「労働」「親分割拠」など 労働組織としての家についての論考集。オヤとコの内容は、親と子より本来広い内容を持っていたとしている。親戚を含めてオヤコと言っている地域が多かったらしい。オヤコ関係は労働組織を意味し、実際の血縁関係より強いとのこと




    山の人生
    *山地は平地の世界を嫌う人が逃れる場所〜山地には自由で平等な世界が残存する

    *先住民の狩猟採集民が稲作農民に追いつめられて吸収されるか、山に逃れ山人となった

    *山人は実在するか不明であり、天狗や妖怪とみなされる者

    島の人生
    *沖縄と東北〜南北の両極で一致する現象がある場合 それが古層を示す

    *島の人生=孤島苦〜ひとは互いに無用に争い、差別しあう

    *日本は孤島であるため、強制的に同化されるか、山人となった

    小さき者と言語
    柳田国男の思想は「小さきもの」の価値を見いだすこと

    死者との交通
    日本人が敗戦後の社会を死者とともに再建し〜二度と戦死者を生み出さない社会を作る















  • 「小さきもの」の思想 (文春学藝ライブラリー)
    (和書)2014年03月02日 14:51
    柳田 国男 文藝春秋 2014年2月20日


    非常に良かったです。

    柄谷行人さんが組んだ柳田国男さんのアンソロジーということで、以前全集を見かけたけれど30巻以上もありそれぞれの巻もボリュームがあるので無理だと思っていたのですがこういった本は本当に読みやすくて僕のようなものにとって道案内として良かったです。

    柄谷さんの影響で坂口安吾全集を全巻購入して読んだことがあります。柳田国男さんの全集は図書館にあるのを知っているから安吾のように購入する気はありませんがこのアンソロジーを読んでいたら全集を読んでみてもいいかなと思いました。

    僕は年間100冊ぐらいの読書量です。それを考えて一年で全集を読むことは可能ですね。各巻のボリュームがあるからそれを考えても一年で読み切ることはできそうです。

    このアンソロジーの道案内には感動を覚えました。皆さんも読んでみてください。

  • 【一冊で柳田国男の思想をつかむ】『遊動論 柳田国男と山人』(文春新書)で画期的な柳田論を展開した思想家が、柳田思想の核心を精選し、解題をそえたオリジナル版。

  • どちらを先に読もうか迷います。。。

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    「一冊で柳田国男の思想をつかむ

    『遊動論 柳田国男と山人』(文春新書)で画期的な柳田論を展開した思想家が、そのエッセンスを一冊に凝縮。柳田が生涯探求した問題は何か? 各章に解題をそえたオリジナル文庫版

    担当編集者より
    好評発売中の新書『遊動論 柳田国男と山人』をご執筆中の柄谷行人さんに、柳田国男のアンソロジーを編んでいただけないか、とお願いし、実現したのが本書です。その文業は文学、民俗学、紀行、歴史学、言語学、宗教学と多様な分野に広がっています。柄谷さんには、そのなかから柳田が生涯を通じて一貫して追い求めていたものが明瞭に浮かび上がる作品を選りすぐり、解題を付していただきました。柳田が探究していた「来たるべき社会」とはどんなものだったのか? 『遊動論』と合わせてお読みください。(HB)」

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著者プロフィール

1941年兵庫県生まれ。東京大学経済学部卒業。同大学大学院英文学修士課程修了。法政大学教授、近畿大学教授、コロンビア大学客員教授を歴任。1991年から2002年まで季刊誌『批評空間』を編集。著書に『ニュー・アソシエーショニスト宣言』(作品社 2021)、『世界史の構造』(岩波現代文庫 2015)、『トランスクリティーク』(岩波現代文庫 2010)他多数。

「2022年 『談 no.123』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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