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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784168130229
作品紹介・あらすじ
戦後日本人の盲点を補う最良の歴史書
戦後世界を規定した第二次世界大戦。「連合国=善玉」「枢軸国=悪玉」という二分法では理解できない戦争の真実に迫る。
みんなの感想まとめ
第二次世界大戦の複雑な国際政治やヒトラーの影響を、鮮やかに描き出した作品です。ヒトラーを中心にした外交の動きや、各国の指導者たちの戦略を時系列で追いながら、単純な善悪の二分法では捉えきれない戦争の真実...
感想・レビュー・書評
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第二次世界大戦前夜、ヒトラーを中心に繰り広げられた外交バトルが、破局へとなだれ込んでいくプロセスをこれほど鮮やかに活写した書物を知らない。息つく間もなく一気に読み通せる。独、伊、英、仏、ソ、米、日各国の内政との絡み合いにも周到な目配せをしながら、それぞれの指導者達がどんな状況認識の下に、何を考え、いかなる戦略に基づいて行動していたのか、枢軸国対連合国、ファシズム対民主主義といった単純な構図では見えてこないダイナミズムを見事に描き切った名著である。
とりわけスリリング(という形容はいささか不謹慎ではあるが)なのは、ヒトラーとスターリンがいずれは激突する運命にあることを共に自覚しながら、二正面作戦の回避に腐心し、潜在的に敵対国にも同盟国にもなり得る各国を巻き込み、欧州のみならず地球規模で虚々実々の駆け引きを展開するところだ。まさに「敵の敵は味方なり」「昨日の友は今日の敵」を地で行くものだが、それが世界大戦の世界大戦たるゆえんでもあるだろう。
またヒトラーが英仏との全面戦争を必ずしも望んでいなかったという常識を覆す見方が提示されている。ヒトラーの戦争計画が案外杜撰であり、英仏の中途半端な宥和政策がヒットラーの機会主義的な行動を助長したとするテイラーの『 第二次世界大戦の起源 (講談社学術文庫) 』に近い立場をとっているようだ。ただチェンバレンの態度が煮え切らなかった背景には、少なくともミュンヘン会談の時点では、平和を謳歌する英国民が戦争を望まなかったという事情があることも著者は見逃さない。いずれにしてもヒトラーという特異な個性のみが大戦の元凶であるという単純な見方の再考を迫るものである。
それにしても、ヒトラー率いるナチスドイツと昭和の大日本帝国は往々ファシズムという言葉で括られるが、両者がいかに異質であるかを改めて感じる。ただ当時の第一級の知識人ですらヒトラーの本質を理解するのは今日考えるほど簡単なことではなかった、という野田氏の指摘は歴史家として公平な態度だろう。もっとも、野田氏が日中戦争を侵略という一語であまりに単純化して捉えている点は少々気になるが、欧州をメインにした書物であり、日中戦争の意味を論じるのが目的でもないので多くは問うまい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ヒトラーを叙述の中心とした、第二次世界大戦の概説書。
前半はヒトラーの伝記的な叙述で、いかにヒトラーの思想形成がなされたか、そしてナチスが政権の座に就く社会背景はいかようなものであったかが説明される。
後半は特に列強間の外交史に力を置いている。その背景である、各国指導者が当時国際社会をどう分析していたか、そしてどのような戦略を立てていたかも、極力紹介するようにしているため、各国の思惑や駆け引き等は分かりやすい。
一方で戦史には殆ど紙幅は割いていない。
時系列に沿って平易な言葉で書かれているため、大変読みやすい。一方で、史料の引用はあるものの出典はなかったり、様々な学説の紹介などはしていなかったりで著者の考察もあまり深入りはしていない。完全に一般向けの本で学術的な読み物ではない。
第二次世界大戦前から終戦までのヨーロッパ国際政治の動きの流れを追うにはなかなかまとまっていて良い本であるように思う。
ただ、あくまで入門編を意識したであろう本なので、「そうだったのか!」と目から鱗が落ちるような記述はあまりない。 -
【戦後日本人の盲点を補う最良の歴史書】戦後世界を規定した第二次世界大戦。「連合国=善玉」「枢軸国=悪玉」という二分法では理解できない戦争の真実に迫る。
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