剣の刃 (文春学藝ライブラリー 13)

  • 文藝春秋 (2015年6月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784168130373

作品紹介・あらすじ

第二次大戦で「敗戦国」に等しかったフランスを、たった一人で「戦勝国」に変え、戦後は大統領として、フランスの独自外交と自立の基礎を築いたド・ゴール。本書は、第一次大戦を経て厭戦気分が蔓延していた1932年に、いちはやく国防の重要性と指揮官のリーダーシップ、理想的軍人像を説いた歴史的名著。
「凡人が戦場で将帥に一変する」「大事を成す者は、偽善的規律など黙殺すべし」「無愛想でも実力者が評価されるべし」など名語録が満載。
「政治家と軍人」「民主主義と安全保障」といった今日的問題を考えるための必読書であると同時に、すぐれた戦略論、組織論、リーダー論としても読める。
文藝批評家・福田和也氏による圧巻のド・ゴール論も収録。

(目次)
■序
■戦 争
■気 骨(カラクテール)
■威 信
■ドクトリン――固定した原理、原則
■政治家と軍人
■人名用語解説
■ド・ゴール略年譜
■個人的な意志としての“国”――解説に代えて(福田和也)

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

テーマは、軍事理論とリーダーシップの重要性を説いた歴史的な名著であり、特に政治と軍隊の関係について深く考察しています。著者は、戦間期のフランスにおける軍隊の必要性を訴え、理想の司令官像や集団を指揮する...

感想・レビュー・書評

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  • 2024.9.25読了。
    戦間期に陸軍次官になる前のド・ゴールが書いた有名な軍事理論書。
    ずっと読みたいと思っていてようやく読めた。
    内容は司令官や軍隊の在り方、政治と軍隊の関係について抽象的に述べたものである。第一次世界大戦後の戦勝国となったものの、平和には無用の長物と見做されるようになった軍隊というフランス世論がある中にあって、軍隊の必要性を説いてもいる。この点、平和主義のために軍隊を持たないという建前をとっている我が国と比較して考えさせられた。
    また近代国家での軍隊の在り方についてはシビリアンコントロールが原則であるが、本書では政治家と軍人の基盤の違いやどちらも必要であること、相互の理解協力が必要である旨が述べられており、かなり現実的に即した分析のように感じた。
    その他、本書の理想の司令官には権威性、神秘性が必要だという件があったが、ド・ゴールが当時の連合国首脳から嫌われていたとされる理由もわかるような内容であった笑

  •  名著だと思う。訳書であるが、読みにくさは全くない。
     私は、シャルル・ド・ゴールが生きた時勢と比べれば平和なときを生きている。戦争を経験したことはない。だからこそドクトリンの章は馴染まなかったが、威信の章などには集団を指揮する人間が覚えておいて損はないことが相当書かれていて、引き込まれた(軍隊を指揮することと平時の集団を指揮することは性質を異にするものであるが。)
     人を指揮することやリーダーシップなどに関する本が巷にたくさんあり、それらは本のタイトルから何が書いてあるか直接的にわかるもので、本の中身も読者が解釈する手間が少ない本が多い。しかし我々はときに、私たちが自ら解釈と消化を丹念に行う必要のある本書のような本に向き合うべきだ。
     平和な時代を生きる我々は戦時下の軍や国の指揮官から何を学べるのか。それを知るためには、読み、理解し、述べられている事実を一般化し、自らの領域に導入するという手間が必要である。歴史から学ぶにはこれを怠ってはいけない。

  • P20 ベルクソンの分析によれば、「知性は流動的な現実に接するとき、不安を抱く」。
    すなわち、彼は言う。
    「思考のどの範疇も生の事象にはピタリと、当てはまるということはない。したがって、人間は苦痛を感じるのである。この生成流転する生の事象を我々の思考の枠内に押し込めようとすれば必ず枠の方が先にこわれるだろう。なぜならこの枠は狭く硬直し過ぎているからである。人間の推論は固定的かものに対するときは自信に満ちているが、かような未知のものに対すると不安を憶える。」と。

    そこで直観、本能が必要になってくるが、決して知性が無用なわけではない。

    指揮官に必要なのは、知性、本能、権威(P38)であり、そうした指揮官の養成こそ最大の戦争準備である。

  • 戦争において、状況把握は本能、状況の整理と構造化は知性が行う。どちらもなければならない。
    軍人にも知性は必要だし、理論家・研究者とて本能を鍛えなければならない。
    そして、リーダーに必要なのは自分が成功させてやるという気骨であり、それが無ければどんな能力も無駄である。成功すれば部下を奨励し、失敗すれば責任を全て負う。その様な覚悟とたゆまぬ自己規律こそ権力をもつリーダーには必要であり、軍人たるもの自己規律と自己犠牲を怠ってはならない。その様な犠牲の代償として武器という力を持つことが許されている。
    なにごとも状況に依存する。普遍的な理論などなく、状況に応じて型を適用するしかない。組織論、戦略論の究極体である軍隊にこそ、マーケティングにも通じるものがある。
    あと、平和な時代には軍は疎まれるが、群衆はもっと軍に感謝しなければならない。
    日本で言えば戦争反対はするべきだが、いざ戦争になった時の備えはかかしてはならないと教訓を得ることができるのではないか。

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