特高 二・二六事件秘史 (文春学藝ライブラリー)

  • 文藝春秋 (2015年2月20日発売)
3.78
  • (2)
  • (3)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 41
感想 : 7
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784168130397

作品紹介・あらすじ

反乱軍から首相を救った男の回想



首相官邸が反乱軍により占拠! 小坂憲兵は女中部屋に逃げ込んだ岡田啓介首相を脱出させるべく機を狙った――緊迫の回想録。

みんなの感想まとめ

緊迫した歴史の中で、特高憲兵の視点から描かれる二・二六事件と相沢事件の実録は、当時の混乱と葛藤を鮮明に伝えます。著者の手記は、事件の詳細な描写とともに、法に則り行動した人々の姿を浮き彫りにし、単なる反...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ある憲兵の手記。
    タイトルは二・二六事件だが、半分くらいは二・二六事件に連なると言われる「相沢事件」(昭和10年)のことが書かれている。
    いずれも、著者自身が深く関わった事件であり、当時の様子がよく伝わってくる。
    事件を起こした側にばかり注目してしまうが、その裏であくまでも法に則り、やるべき事をやろうとした人たちもいたのだ。

  • 元憲兵の手記で、著者が立ち会った重大事件、226事件と相沢事件のあらましが主な内容。事件発生からの憲兵の動きと、叛乱軍兵士の様子、岡田首相の救出作戦などの推移は、当事者でしか語れない迫力に満ちており、事件に関心のある人には必読。敏腕だった思しき著者の文章は、状況の描写が明晰かつ論理的で、非常に読みやすい。嫌われ者の特高も、視点を彼ら側に置けば、まるで推理小説のような印象を受けたりする。1点残念だったのは相沢三郎の供述書が原文(カタカナ)のままだった事。分量が多いだけに配慮が欲しかった。

    薄ら寒く感じたのは、両事件とも、犯行に対して軍上層部が一枚岩でなく、醜い派閥争いを垣間見せていたところ。相沢事件に至っては、犯人が犯行後も堂々と建物内を歩き回っていたほど。国家瓦解への道は、軍の規律や良識が乱れていたこの時期から、既に宿命づけられていたかのよう。

  • 「岡田総理は生きています」陸軍青年将校らの決起による叛乱軍占拠された官邸。「首相は殺害された」と騒然となる緊急事態の中、特高憲兵・小坂曹長は真祖をつかみ、一か八かの救出作戦を実行する。昭和史最大の事件の知られざる実録。(親本は1956年刊、2015年文庫化)
    ・推薦のことば
    ・序に変えて
    Ⅰ 二・二六事件秘史ー総理は生きていた
    Ⅱ 相沢事件
    ・解説

    推薦のことばは、賀陽恒則、迫水久恒、福田耕という錚々たる顔ぶれである。下士官ながら交友関係の広さが窺える。本書の臨場感溢れる記述は、読んでいて圧倒される。
    二・二六事件秘史では、財閥とのつながり(当時三井、三菱の情報網は完璧に近い程に、洗練された組織を持っていたp27とい)や、上官との駆け引き(黙殺しようとする上官p45、保身に走る上官p64)など興味深い。
    相沢事件では、事件現場の陸軍省から憲兵隊司令部へ連行するまでの状況や、下士官が将校を取り調べるデリケートな様子などが窺えて興味深い。
    昭和史の貴重な証言が、文庫として刊行されたのは、喜ばしい事である。

  • 1936年(昭和11)の二・二六事件において襲撃されたうちの一人である岡田啓介首相。彼は当初殺害されたと思われていましたが、実は殺されたのは別人で、本人は叛乱軍の占拠する首相官邸の中で身を隠していました。それを知った著者の小坂慶助・陸軍憲兵曹長が、部下とともにある大胆な方法で総理を救出するまでの顛末を記しています。

    日本の近代史史上、最も特異なエピソードの一つ(と私が勝手に思っている)の当事者による手記のため、それだけでも極めて資料価値が高いものとなっていますが、ノンフィクションとして見ても非常に面白く、サスペンスに満ち溢れたものとなっています。

    また、著者は前年に起きた相沢事件においても、犯人である相沢三郎の逮捕から取り調べを担当しており、その模様についても触れられています。

    「序にかえて」によれば、小坂氏は他にも憲兵として、当時軍を揺るがした様々な事件に関わっており、これらについて書かれた本があるのならば、ぜひ読んでみたいです。

  • このようなクーデターのような二二六事件から100年も経っていないことに驚かされる。

  • 「二・二六事件」の岡田首相救出のノンフィクション。
    著者は岡田首相を救出した特高憲兵の小坂曹長本人。
    憲兵というと思想弾圧の急先鋒の悪役というイメージがあるが、具体的には大逆・政治・思想・騒櫌・等の私利私欲を離れた犯罪の取り締まりを行う高等警察(以下特高)である。
    この任務から「二・二六事件」は当然特高の範囲に入るのであるが、事件が勃発するや、1500名近くの軍隊の反乱を前に、特高の上層部は日和見を決め込む。
    こういう状況での小坂曹以下3名での長岡田首相救出劇の顛末は、スリリングであり、かつ「二・二六事件」の時代背景や事件そのものの具体的な状況等、当時の様相を後世の我々に教えてくれる一級の資料でもある。

  • 【反乱軍から首相を救った男の回想】首相官邸が反乱軍により占拠! 小坂憲兵は女中部屋に逃げ込んだ岡田啓介首相を脱出させるべく機を狙った――緊迫の回想録。

全7件中 1 - 7件を表示

小坂慶助の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×