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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784168130762
作品紹介・あらすじ
のちに東大総長となる著者が中学3年生のとき、昭和天皇は即位した。金融恐慌と山東出兵、戦争にむけて加速しつつある時代に著者は青春期を過ごす。
そして63年後、天皇は崩御し、同じ年、著者は参議院議員の任期を終えた。ベルリンの壁は崩壊し、第二次大戦の結果うまれた冷戦の世界は終焉を迎えた。
ここで自らの「昭和とともに生きた半生」を振り返り、同時に昭和とは何だかっのかを総括するため、本書を執筆する。
金融恐慌と山東出兵で始まった昭和。知識人の間ではマルクス主義が台頭し、多感な青年であった著者も当選のごとくこれに心酔する。戦時中は海軍に応召され、戦後も共産主義活動に参加するが、次第に現実との齟齬に気づきはじめ、共産主義から離れていく。
のちに西洋史家の泰斗となる筆者は、激動の世界情勢と、翻弄される日本を俯瞰して描くとともに、この間に自らがどのように感じ、生きたたかを活き活きと活写する。立体的な構成により、読者は昭和という時代を我が物のように追体験することができる。
歴史学者、東大教授となり、文学部長であったとき、安保闘争が起こり、奇しくも左翼活動家の学生たちと、大学の代表者として対峙する立場となっていた。力で要求を実現しようとする全共闘の学生たちにより173時間にわたってキャンパス内に軟禁されるが。あくまで筋を通し、暴力で国家を変えることはできないことえを身をもって示す。
東大総長を務めたのち、自民党参議院議員に。天皇崩御に臨んでは、天皇賛美を批判する共産党「赤旗」に対し「文藝春秋」誌上で反論、この論争は大きな反響を呼んだ。
昭和に続く平成も終わろうとしている今こそ待望の復刻版。「昭和」を多面的・重層的に振り返る歴史学者の視点から学ぶことはあまりに多い。
みんなの感想まとめ
多面的な視点から昭和の歴史を振り返る本書は、著者の思想遍歴を通じて、時代の変遷とその影響を深く掘り下げています。若き日にマルクス主義に傾倒し、後に保守主義へと転向した著者の経験は、激動の昭和を生き抜く...
感想・レビュー・書評
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本書は、林健太郎の共産主義者から保守主義者への思想遍歴を時代の背景と共に語った自伝的思想論である。若き時代にマルクス主義やその流れを汲む理論に傾倒した自分自身と重ね合わせて読んでみると、林健太郎の思想遍歴も良く理解できる。自分も来月で77歳になる今、マルクス主義には何の未練もないし、共産主義も否定するが、昨今メディアに登場する自称保守主義者を標榜するコメンテーターや復古主義的な保守政治家の稚拙な歴史観に遭遇するとき、林健太郎や福田恒存、竹山道雄が生きていれば何と述べるだろうか。本書は、アカデミックな角度から保守主義を再評価し、人の思想の厚みと変遷を理解出来る好著である。若い人達がSNSでいきなりネット右翼などの暴論にさらされる時代である。是非、一読を薦めたい。
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【歴史学の泰斗が、自らの半生を振り返りつつ、激動の昭和を語る】紛争で過激派学生と渡り合った後の東大総長も、若き日はマルクス主義の学生だった。希代の歴史学者が自らの半生とともに綴る昭和史。
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