帝国の残影 兵士・小津安二郎の昭和史 (文春学藝ライブラリー)

  • 文藝春秋 (2022年10月5日発売)
4.00
  • (0)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 54
感想 : 1
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784168131035

作品紹介・あらすじ

『晩春』『麦秋』『東京物語』などの戦後の傑作で「日本の家族像」を確立したとされる監督・小津安二郎。しかし少壮気鋭の歴史学者は、「兵士・小津安二郎」の存在を、今ではあまり注目されない「失敗作」そして当時から現代にいたる膨大な文献を渉猟して炙り出した。中国大陸を転戦し、復員後、直接的には「戦争」を描写しなかったが、小津「らしくない」映画に、戦争の傷は生々しく刻印されていた。映画批評と歴史学が融合し、戦前、戦中、戦後を生き抜いた人々の思いが丸ごと伝わってくる、ユニークな、生きた歴史書。解説・古市憲寿

【目次】
序章 ピースの欠けたパズルー『晩春』批判

第1章 帝国の残影ー小津安二郎の『暗夜行路』

第2章 大陸の光景ー沈黙する前線

第3章 暴力の痕跡ー戦争の長い影

第4章 叛乱の季節ー中国化と日本回帰

終章 呪わしき明治維新ー『東京暮色』讃

増補1 田中眞澄氏の小津安二郎研究ー映画の歴史学

増補2 入れ替わることと一つになることーホー・ツーニェンの歴史実践

増補3 謎を謎のまま忘れないでいるためにー戦後映画史のなかの『火垂るの墓』

学藝ライブラリー版のあとがき 歴史とは「まわり道」

解説 忘れたことを忘れないために 古市憲寿

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【気鋭の評論家、初期の瑞々しい歴史書】小津は大戦中、兵士として大陸を転戦した。戦後の名作と興行的「失敗作」から浮かび上がる戦争の傷あと。新たな小津論にして昭和史。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

1979年生まれ。東京大学教養学部卒業。同大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。専門は日本近現代史。2007年から15年にかけて地方公立大学准教授として教鞭をとり、重度のうつによる休職をへて17年離職。歴史学者としての業績に『翻訳の政治学』(岩波書店)、『帝国の残影』(NTT出版)。在職時の講義録に『中国化する日本』(文春文庫)、『日本人はなぜ存在するか』(集英社文庫)。共著多数。
2018年に病気の体験を踏まえて現代の反知性主義に新たな光をあてた『知性は死なない』(文藝春秋)を発表し、執筆活動を再開。本書の姉妹編として、学者時代の研究論文を集めた『荒れ野の六十年』(勉誠出版)が近刊予定。

「2019年 『歴史がおわるまえに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

與那覇潤の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×