生徒指導入門 (THE教師力ハンドブック)

著者 :
  • 明治図書出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784181678111

作品紹介・あらすじ

ブレない生徒指導の極意とは?「目的」を意識するほどに、指導はブレなくなり、子どもの心の安定を生む。生徒指導の基礎理論と成功の極意を伝授。圧倒的多数の「中間的な集団」は、最も冷静に教師をみています。教師の「言動一致」が児童・生徒の心をとらえ、そこから「感化」の教育が始まります。

感想・レビュー・書評

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  • 生徒指導の哲学といった内容で、論語を座右の書とする筆者の言葉の選び方が力強く、入門書とは思えない濃厚な内容。

    生徒指導の心得と言える本で、ノウハウよりもまず、学校がなんのためにあるのか、生徒指導の目的とは、という本質を述べる。

    ブレない指導のため、生徒指導を成り立たせるために、目的を意識することが大切ではあるが、目標と目的は分けて考えなくてはならない。
    ダメなものはダメであるが、なぜダメなのか、根を詰めて考え抜き、哲学としてそれぞれの教員が考え抜かなくてはならない。

    さらに、この本の筆者はたいへんストイックな人で、毎朝四時に起床し、哲学的な本や論語を学び、肉体を鍛え上げたり、トイレを素手で掃除するといったことをしているそうだ。
    なんのためかというと、生徒に人格の完成を求めるのならば、人として徳を求めていく必要があるからだと語る。

    ここまでストイックにはできない!と思うのだが、食事や運動、早寝早起きといった生活習慣、志を高く持つこと、それが生徒指導をうまく行かせるためには不可欠というのは納得ができる。

    そもそも自分が向上心がないと思っている中で、人を指導はし切れない。どこか自分にはそんなことを言う資格はないと自信がないままに言葉だけが一人歩きする感じがする。生徒にもそういった教員の立ち振る舞いは伝わるものだと思う。

    生徒指導の原点にかえり、より良い指導のための心構えを思い出したいときに読み返したい本。

  • かなり以前(20年以上前)に、著者の講演、そして宴席で話を聞いたことがある。
    硬派・そして確固たる教育観をもっている方だと感じていた。

    2020年8月末に、授業づくりネットワークの石川晋氏のTwitterで、著者の名前を目にした。
    「寺崎さんのお話には、一つずつ痺れた。
     真理を希求し続けるということはどれほどすごいことであろう。」
    石川氏にそこまで言わせる著者の考えとは、どのようなものだろう。
    手軽に入手できるこの本を取り寄せてみた。

    ページ数は比較的少ない。
    しかし、濃厚である。
    <目的>を自覚するほどに、指導の軸はブレなくなる。
    <目的>と<目標>の違い。
    第1章の20ページほどを読み、「生徒指導上、自分の未熟な部分はここにある」と、かなり明確に認識できた。

    「『自己支配』ができればできるほど、あなたの自由は広がっていくのである。」(p103)
    自ら追い求め、その上で子どもたちに説いていくストイックな考え方に、私は強く心惹かれた。

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