授業の技を磨く研修の在り方を問う

  • 明治図書出版 (2009年10月11日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784182262173

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  •  本書では前半は、教師以外のさまざまな世界での「本物の技」の身につけ方が書かれており、中盤では最新のネタ(京都・シュガーロード)から、教材開発の過程に触れ、最後には授業づくりの「技術」について、細かなところまで記されている。非常にバラエティ豊かな構成になっていると感じる。ここでひとつ貫かれているものが「技」である。

    ① 技を体得するには【工夫】しながら【経験】を【積み重ねる】こと
     さまざまな業種で「技」を身につけた方の共通点であり、これは教育の世界でも当てはまることであると有田先生は言う。単なる経験の積み重ねだけでは不十分。工夫し、考え、予想してみるということを積み重ねることが大切である。有田先生は「工夫の積み重ね」について【予想をもって仕事をし、仕事をしたあとは記録し反省を加え、次の予想をたてる】と述べている。このサイクルを回し続ける(=積み重ねる)ことで、「技」を体得することができる。【積み重ねる】ためにはマンネリの打破がカギとなる。そのためにも【工夫】が必要である。

    ② 【努力】と【挑戦】を【継続】できるかどうか
     有田先生の金言のひとつ「努力と挑戦」である。その前提として「授業が上手くなりたい!」という【強い願い】がある。やはりここでも【継続】の大切さが説かれている。続けてこそ身につけられるものなのである。コツコツと【努力】、新しいものへの【挑戦】の双方を持ち併せて【継続】していくのである。「努力と挑戦をやめたとき、私の人生は終わりだ」…有田先生はここまで言っている。有田先生は常に第一線で、このことを背中で示してくださった。【努力と挑戦の継続】……有田学を継承する者として必須である。
     そして日々の授業においては「毎日『一定以上』の授業が、継続してできなければ『実力』とはいえないし、『技』があるとはいえない」と書いている。「毎日が研究授業」ぐらいの気持ちで日々の授業に臨んでいけば、授業力への手ごたえを得ることができ、子どもが伸びてくる。子どもたちのための努力と挑戦をしていくことである。

    ③ 知性・モラル・スマイル
     今の教師に足りないものである。仕事術についても本書にはある。それも上記の【工夫】のひとつである。また、スマイルについては「一時間に、一度も笑いのない授業をした教師は、授業終了後、ただちに逮捕する」という有田先生の名言も出ている。私もこのことについては、有田先生から本格的に学ぶ以前から意識していることである。また、他の先生の授業を見ても「良い授業だったけど、笑いがなかったよね」と、視点のひとつとなっている。それだけ、私にとっても血肉化されているものである。

     子どもの声こそ「神の声」…この言葉もステキだなぁと思う。「子どもから学ぶ」有田先生だからこそ生まれてくる言葉である。

  • いくつになられても、前に向かって進む教師である有田先生。
    自らを戒めるきっかけをつくってくれる本である。

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著者プロフィール

1935年福岡県生まれ。玉川大学文学部教育学科卒業。福岡県の公立校,福岡教育大学附属小倉小学校,筑波大学附属小学校を経て,愛知教育大学教授。1999年の愛知教育大学退官後も日本の教育に携わり,教材・授業開発研究所代表,東北福祉大学子ども科学部特任教授。1976年より社会科・生活科教科書(教育出版)の著者も務めた。2014年没。
著書は185冊を超え、主著に『歴史を楽しむ年表』『授業づくりの教科書 社会科授業の教科書』『学級づくりの教科書』(以上、さくら社),『教え上手』(サンマーク出版),『社会の仕組みがわかる“追究型社会科発問”ワーク』『有田式歴史教科書』(明治図書)などがある。

「2020年 『社会科授業の教科書5・6年[改訂版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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