- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784191547230
感想・レビュー・書評
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後世日本はすごいぞ。
なんと太平洋から米国の艦船を一掃し、大西洋にまで進出してしまった。
しかも北米大陸の奥深くにある砂漠地帯・ロスアラモスまで爆撃機を飛ばしてしまった。
その理由は、言わずと知れた原爆工場の攻撃による、開発阻止。
米国を操るフリーメーソンの陰謀を暴露すべく、ワシントンに落下傘で単身ジャーナリストを送り込み、日本の意図を米国のマスコミに宣伝するということまでやらかしてしまった。
読み返しをしていて気がつくのはこの頃の小説家というのは、本当に解説好きというか、兎に角言い訳がましいというか、自己の思いをそのまま本に書いちゃうというか、だんだんと自分の思いを書きなぐっている。
本来フィクション小説とは、登場人物や情景描写を通して、その小説の背景を文章にしていくのだと思うが、いつの間にか自己主張の論文になっている部分が、だんだん増えてきている。
グインサーガの栗本薫も、はじめは読み物としての面白さがあったが、だんだんと自分に言いたいことをそのまま記すようになり、くどくてしつこい文書になってきていたが、この紺碧の艦隊も同様に、巻を重ねるごとにその様相が濃くなってきた感じがする。
まあそれはそれとして、やっぱり負けるより勝つほうが面白い。
ところで、この巻を手にとって読み始める前にパラパラとページを繰っていたら、しおり代わりに、初めてこの本を読んでいた当時、会社に届いたキーエンスのダイレクトメールが挟まっていた。
23歳のときのものだった。
あれからもう20年以上が経っているんだな・・・とちょっと感慨深いものがありました。詳細をみるコメント0件をすべて表示