呻吟語 (現代人の古典シリーズ 31)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784192233934

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  • ・忘とはこれ無心の病、助長はこれ有心の病。心は従容として自在に、有無の間に活発ならんことを要す。

    ・忍激の二字はこれ禍福の関なり。

    ・欲はただこれ進気ありて退気なし。理はただこれ退気ありて進気なし。善く学ぶ者は、進退の間を審らかにするのみ。

    ・心は実ならんことを要し、また虚ならんことを要す。物なき、これを虚と謂う。妄なき、これを実と謂う。ただ虚なり、故に実なり。ただ実なり、故に虚なり。心は小ならんことを要し、また大ならんことを要す。その心を大にすれば、能く天下の物を体す。その心を小にすれば、天下の事を破らず。

    ・大事、難事には担当(責任感)をみる。逆境、順境には襟度をみる。喜に臨み、怒に臨みては涵養をみる。群行、群止(集団での行動)には識見をみる。

    ・才能技芸は他に譲りてその高名を占めしめ、ともに勝を競うなかれ。鋼常大節(道徳の根幹)に至りては、即ちまず自家努力せんことを要す。退きて人後に居るべからず。

    ・掩護するは(弱点)攻むるなかれ。屈服するは怒るなかれ。これ威を持ちうる(相手に力で臨む)者のまさに知るべき所なり。
    功無き者は賞するなかれ。盛籠(一人の人を重用する)は加うるなかれ。これ愛を用いる者のまさに知るべき所なり。

    ・人の過ちを聞くを喜ばんよりは、己の過ちを聞くを喜ぶに若かず。己の善をいうを楽しむよりは、人の善をいうを楽しむにしかず。

  • ■書名

    書名:呻吟語
    著者:呂 新吾
    翻訳:守屋 洋

    ■概要

    阿諛追従はびこる混迷腐敗の明代万暦年間、“政治がうまくゆくか
    否かは、上に立つ者の姿勢にある”と看破、官僚政治家として多く
    の治績をあげるも、改革を上書して非難されるや、病を称して下野、
    学究の道に果てた“硬骨の士”呂坤―その著作は時代・国境を超え、
    人間の生き方、在り方を考える心ある人々に読み継がれてきた。本
    書では全1976項のうち236項を精選収録!
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    ■気になった点

    ・極端を避ける。これが学問を修める急所である。

    ・発言に耳を傾けるのは、自分にとってプラスになるからである。
     相手の人物がどんな人であろうと構わないのではないか。
     (発言に耳を傾ける=尊敬するではない。)

    ・人を理解する。これが自分の器を大きくする第1のポイントである。

    ・何事も動きがゆるやかで穏やかなものは、寿命が長い。

    ・毎日の積み重ねを責めないで、その瞬間だけを問題にするのは、
     愚かなことである。

  • はるか昔の中国に、こんな生き方をした人物もいたものかと思った。少し見習いたいところもある生き方。

  • 明代のビジネス書。

    論語などの様々な古典を引き合いに出し、
    働く上での心得を説いている。

    引き合いに出している書物は、
    儒教の書だけでなく、仏教や道教、
    果ては墨子の説まで幅広い。

    そして儒仏道のどれも
    心を平静にすることが根本であり、
    それが一番重要な事らしい。

    ほとんどは現代でも通用するが、
    残念ながら時間管理術だけは
    陳腐化してしまっているのも面白い。

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