映画を作りながら考えたこと

著者 :
  • 徳間書店
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (497ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784195546390

作品紹介・あらすじ

27年間、宮崎駿とコンビを組んで来た「高畑アニメ」の舞台ウラ。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で予約したら、一巻と2巻が同時に来てしまい、期限切れになってしまいました。本当はもっとじっくり読みたかった。
    ハイジを見たのが子供のころで、フランダースの犬も三千里もすごいなと思ってみておりました。そうか、現地取材もこんなにしてコンセプトをしっかり持って制作されていたのですね。私はマルコがスパゲッティを茹でてほとんど何もかけずに食べるシーンに驚いたものです。

    柳川掘割物語には泣けてきました。なぜあんなに泣けたのか、これを読んで納得した次第です。

    アニメを芸術まで高めた功労者は、かくも厳しい人なのですね。歌詞のアクセントが気になる下りも興味深かったです。

  • 本書はアニメーション監督、高畑勲が『映画を作りながら考えたこと』です。これを読みながら高畑勲監督が手がけたアニメの数々は、自分の精神形成に大きな影響を与えているということを改めて知りました。

    『アルプスの少女ハイジ』 『母をたずねて三千里』 『赤毛のアン』『じゃりン子チエ』…。こうして高畑勲監督の手がけたアニメーションを並べてみるとスタジオジブリで製作したもの意外でも、自分の精神形成にものすごく影響を受けているということを改めて本書を読んで理解しました。

    アニメーション監督、高畑勲氏がアニメ映画を作りながら考えたことを1955年から1995年の『おもひでぽろぽろ』までのことを一冊にまとめたものです。その内容は本当に盛りだくさんで、エッセイあり、対談あり、作品についての解題や製作現場の貴重な裏話に至るまで、本当に質、量ともに重量級で、読み終えるまでは本当に時間がかかりました。

    長年彼の元でアニメーターとして活躍し、現在ではライバルとして同じスタジオジブリで監督を務める宮崎駿氏をして
    「パクさん(東映動画時代によく遅刻してきては水を飲んでパンをパクパク食べることからつけられた高畑監督のあだ名)は大ナマケモノの子孫です」
    といわれながらも緻密でリアリズムにあふれた作風は定業があり、例えば『火垂るの墓』では主人公から見た空爆のシーンで飛来する飛行機の方角が資料を基に正確に描写されてあったり、『おもひでぽろぽろ』ではヒロインのタエ子の綿密な人物造型に始まって、ハイライトシーンである紅花を取るシーンも資料を徹底的にあさり、現地の取材を重ねた上で描かれ、そのプロセスで製作された取材ノートを専門家に見せても『その通りだ』という太鼓判を受ける…。アニメ映画を作るということにこれだけの試行錯誤を重ねるのかと、読みながら本当に驚き、またその執念こそが、高畑アニメのクオリティを支えているのだなと痛感しました。

    さらに高畑氏はプロデューサーとして宮崎駿監督が手がけた長編劇場アニメ『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』を手がけるわけですが、もともとこの話を引き受ける気はなかったが、結果としてプロデュースを引き受けることになった経緯が描かれていて、それが現在、スタジオジブリの大番頭として辣腕を振るう鈴木敏夫氏とはまた違った見解から描かれていて、とても読んでいて面白かったです。

    高畑監督の豊穣な世界を紹介するのはなかなか骨がいることですが、日本のアニメ史上に大きな足跡を残した男が何をどのように考えたかということを知りたい方は、是非手にとっていただけたらと願ってやみません。

  • 請求記号・778.77/Ta  資料ID・310000901

  • 興味のある部分を読んだ。

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著者プロフィール

高畑 勲(たかはた いさお)
1935年10月29日 – 2018年4月5日
三重県宇治山田市(現・伊勢市)生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。長編漫画映画『やぶにらみの暴君』(『王と鳥』の原型)の影響で、アニメ映画を作るために東映動画入社。テレビアニメ『狼少年ケン』で演出デビューし、劇場用長編アニメ映画『太陽の王子 ホルスの大冒険』の監督を務め、宮崎駿と共に作品制作にあたる。
その後Aプロダクションに移籍して『ルパン三世』 (TV第1シリーズ)後半パートの演出を宮崎と共に担当。映画『パンダ・コパンダ』の演出を務める。ズイヨー映像(のちに日本アニメーションに改組)に移籍したのち、『アルプスの少女ハイジ』、『母をたずねて三千里』、『赤毛のアン』、『未来少年コナン』などの演出、『じゃりん子チエ』アニメ映画監督とTVアニメチーフディレクターなどを担当した。
その後、宮崎駿・鈴木敏夫らとスタジオジブリを1985年に創設。これに前後して『風の谷のナウシカ』(1984年)、『天空の城ラピュタ』(1986年)のプロデューサーを皮切りに、ジブリ作品に積極的に関わった。『火垂るの墓』(1988年)、『おもひでぽろぽろ』(1991年)、『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994年)、『ホーホケキョ となりの山田くん』(1999年)、『かぐや姫の物語』(2013年)監督・脚本を務める。実写映画『柳川堀割物語』(1987年)脚本・監督も務めたが、作りこみすぎて製作期間を延ばしてしまい資金を使い果たしてしまったことが、『天空の城ラピュタ』とスタジオジブリ誕生の遠因にもなっている。
映像作品以外にも本の著作があり、『映画を作りながら考えたこと』『アニメーション、折りにふれて』といった映画に関わりが深いものから、『君が戦争を欲しないならば』といった講演を元にした著作など、幅広い切り口の評論を残している。
仏文学科出身ということもあってフランス語に堪能で、関わりが深い。在学中に影響を受けたフランスの詩人・作家、ジャック・プレヴェール『ことばたち』『鳥への挨拶』の翻訳を行っており、さらにはプレヴェール脚本のアニメ『王と鳥』、ミッシェル・オスロ監督の長編アニメーション映画『キリクと魔女』字幕翻訳にも関わっていた。

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