民族とは何か

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784195549476

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  • 最後の著作。ローマ帝国でユダヤ人は“生活様式”=ユダヤ律法による自治の特権を持っていた。安息日には法廷に召喚されても出廷せず、市民権を得ても兵役を免れた。それはヘレニズム的寛容とも言え、(実は旧宗主国の)ギリシャと同様征服されたのではない同盟であるからであった。しかし特権は被征服民族の嫉妬をかった…。「氏より育ち」が民族を象徴する、生活手段が文化を規定する。砂漠に生きるベドウィンは個人主義にならざるを得ない信じられるのは血縁であり罪には厳格な処罰。農業を営む日本には近隣という地縁を重視する馴れ合いがある…
    付録の対談で『ユダヤ人イザヤ・ベンダサンなる人物は居なかった』と村松剛は明言している(相手は渡辺昇一)。『日本人とユダヤ人』の殺し文句「日本人は水と安全はタダだと思っている」が妥当するのは戦後の都市生活者だけだろう。が、防衛への危機意識が冷戦体制下、欠如していたことへの指摘は無視できない。朝鮮人虐殺は嘘だが、日本人ジェノサイドはあった。

  • 単行本: 224ページ
    出版社: 徳間書店 (1992/08)

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著者プロフィール

1921年、東京都に生まれる。1942年、青山学院高等商業学部を卒業。野砲少尉としてマニラで戦い、捕虜となる。戦後、山本書店を創設し、聖書学関係の出版に携わる。1970年、イザヤ・ベンダサン名で出版した『日本人とユダヤ人』が300万部のベストセラーに。
著書には『「空気」の研究』(文藝春秋)、『帝王学』(日本経済新聞社)、『論語の読み方』(祥伝社)、『なぜ日本は変われないのか』『日本人には何が欠けているのか』『日本はなぜ外交で負けるのか』『戦争責任と靖国問題』(以上、さくら舎)などがある。

「2020年 『日本型組織 存続の条件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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