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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784195983232
感想・レビュー・書評
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「父子鷹(上)」子母沢寛著、徳間文庫、1987.07.15
478p ¥620 C0193 (2019.02.25読了)(2015.01.13購入)(1993.12.25/2刷)
BSプレミアムで、「小吉の女房」が始まったので、勝小吉を主人公にした、この本をこの機会に読んでしまうことにしました。
「小吉の女房」は、原作がないそうですが、この本を読んでみると大分雰囲気が似ています。
大分読みやすく、小気味がいいです。
小吉が御番入りのために石川右近将監の屋敷に駆けつける場面から始まります。腕は立つけど、勉強は嫌いで字も書けなかったようです。お信さんと祝言する前から始まっています。
就職活動には、ずいぶんお金がかかるんですね。その為にいったん就職すれば、かかった分を取り返すために役得を図ることになるんですね。
小吉も何とか番入りを果たすのですが、意地悪をされたために我慢しきれず切れてしまい一人殺してしまいました。小吉は座敷牢に蟄居となりました。小吉は座敷牢にいる間に、兄彦四郎の命令で、文字の手習いをしました。小吉の友達には、弁治という巾着切りがいます。「小吉の女房」と同じような設定です。利平治という中元もいます。
父平蔵71歳、兄彦四郎46歳、小吉21歳、と131頁に書いてあります。小吉は、父が50歳のときの子供です。この時に小吉は座敷牢から出て、子供も生まれました。麟太郎と名付けられました。後の勝海舟です。それから半年後、平蔵は亡くなった。
男谷彦四郎の後継ぎは精一郎で、男谷道場をやっている。小吉も腕が立つので、ここに出入りして、精一郎を手伝っている。渡辺兵庫という道場破りが登場して小吉と……。
麟太郎が7歳になったとき、平蔵の妹の阿茶の局の口利きで、第十一代将軍・家斉の後継ぎの家慶の第五子・春之丞のお対手役の候補に挙がった。小吉は、麟太郎がお対手役に選ばれることを願って、水垢離を行った。風邪をひいてしまったけど。
麟太郎は、家慶の眼鏡にかない、彦四郎の手配した越後屋で衣装一切を整えた。麟太郎は、父母・関係者に見送られて、登城した。しばらくは帰ってこない。
小吉は、精一郎に頼まれて、二人の師匠だった故・団野真帆斎先生の年回追悼のための諸流門の試合の総行司を務めます。行司ぶりが見事で、みなさん感心しています。
麟太郎は、お対手の春之丞様が病気で亡くなったためにお城からもどされてきました。次の勤めの機会のために彦四郎が預かって勉強させることになったので、小吉とお信の所には、一時的に戻っただけでした。
麟太郎は、程なく父母の元に戻ってきました。伯父・彦四郎にお前の父親は、人間の屑だ、と言われたので黙って出てきた、ということでした。
麟太郎は、剣術を男谷道場で習い、学問は、滝川靱負先生に習うことになった。
麟太郎が、滝川先生の元から一人で帰る途中に犬に襲われて、男の急所を噛まれて重傷を負った。生死の境をさまよったが、一命はとりとめた。小吉は、妙見堂への裸詣りを50日も続けた。
麟太郎が、元気になって、男谷道場と滝川先生の元へ通うようになって二十日ほどして、あの犬に出会った。麟太郎が家に帰って父親の小吉に報せたら、小吉はすぐ家を飛び出して、その犬を切り捨ててしまった。それを見た麟太郎は、気絶してしまった。
小吉は、町人、侍、等から持ち込まれる困りごとを、小気味よく解決してゆく話が満載で、時代小説ファンには、答えられない本だと思います。
男谷彦四郎 越後水原の代官
男谷精一郎 直心陰流男谷道場
阿茶の局 平蔵の妹
徳川家斉 十一代将軍
徳川家慶 家斉の後継ぎ
春之丞 家慶の第五子、一橋家相続の予定
勝小吉
お信
利平治
弁治 巾着切り、銀蔵
五助 強請屋
吉田蔵人 摩利支天の神主
紙屋の長吉
大竹源太郎
山口鉄五郎 割下水
岡野孫一郎 入江町
【目次】
油堀/昨日と今日/信濃/強情侍/三ぐずり/
浅間のけむり/亀沢町/蛍/みろく寺/おんな/
夏の月/七転/檻/八起/木剣/
天の川/亥の日構/裏だな神主/納戸の中/雪の夜/
白梅/じりじり照り/喧嘩剣術/登竜/かげ富/
女行者/ごろつき/こころ/横十間川/性根/
春濃く/縁台/流水/浮世/刀剣講/
隠居/青雲/清境/鳶の子/犬/
裸詣/夏涼/男/地退ち/脂照/
仮宅喧嘩/風かおる
☆関連図書(既読)
「勝海舟」船戸安之著、成美文庫、1994.06.15
「新選組始末記」子母澤寛著、中公文庫、1977.03.10
(2019年3月4日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
江戸の分限者・男谷平蔵の子に生れた小吉は、型破りで自由奔放、剣術の腕は確かでも大の学問嫌い。旗本勝家の養子となるも周囲は気のもみどおし。なんとか無役から御番入りに決りかけたところ、顔合わせの宴会で嫌味な同僚に絡まれ、誤って殺害。やがて座敷牢からだされ、長男麟太郎(のちの海舟)も生れるが、喜びも束の間、最愛の理解者・平蔵を失って…。幕末を縦横無尽に駆けぬけた勝父子の豪放人生。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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