シュナの旅 (アニメージュ文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 3468
感想 : 405
  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784196695103

感想・レビュー・書評

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  • コミック類はこの本棚には入れないことにしているが、前述した「犬になった王子」が元になった話ということで特別扱いにする。
    カテゴリーはとりあえず児童書で。読まれた方はどうぞご容赦を。

    宮崎駿さんによる後書きを読むと『十数年前、はじめて読んで以来、この民話のアニメーション化がひとつの夢だったのですが、現在の日本の状況では、こんな地味な企画は通るはずもありません・・』
    とあって、軽い衝撃を受けた。
    私自身は、なんとドラマティックなお話だろうと感動しつつ読んだからだ。
    それとも、もしかしたら私たちは、殺戮の場面や暴力的なシーンがないともう物足りないまでに鈍化しているのだろうか。
    素朴で、土のにおいのする力強い話にはもう魅力を感じないのだろうか。
    この「シュナの旅」の後半は、元になったと言うチベット民話とは大きく異なる。
    「神人」という存在が登場し、人買いから集めた人間たちを麦に変えてしまうのだ。
    かなりぞっとする設定で、旅の途中で人買いから救った少女・テアとの関わりがわずかな希望である。
    それも、互いにギリギリの命の選択であり、チベット民話に描かれたような、純愛を貫くというものでもない。
    読みすすめていると、身体が痛くなってくるような感覚がある。
    何もここまで登場人物を痛めつけなくてもとさえ思う。

    「シュナの旅」を先に読んだ場合は、こんな感想ではなかったかもしれない。
    絵は相変わらず美しく、ナレーションのように文字が入り、文を絵が補い、絵を文章が補うという、とても良い配分。
    吾郎監督の「ゲド戦記」の原案になったと言うのも頷ける。
    色々な場面が「ナウシカ」のようでもあり、「ラピュタ」のようでもあり、「もののけ姫」の「シシ神様」を彷彿とさせるような「ヤックル」という家畜も登場する。
    もっとも、こちらはもっとずっと身近にいて、人間を助けてくれる存在だが。

    背景色とのミスマッチで、ところどころ文字が見にくいのが惜しい。
    宮崎アニメファンの方は、ぜひ元になったと言うチベット民話もおすすめです。

  • 行き倒れの旅人から
    「人々の飢えを除く黄金の穀物が実る
    豊饒の地が西の果てにある。」
    と、耳寄りな話を聞いた
    貧しい国の王子『シュナ』は
    相棒『ヤックル』と共に
    旅へ出る決意をする。

    生きる為の糧を求め
    住み慣れた地を去る…
    と、言うのが
    もしかすると
    本来の正しい旅の目的なのかもしれない。

    過酷な『シュナ』の旅には
    観光も娯楽もなかったが(当然…)
    干からびた地にしがみつき
    死を待つだけの日々を無為に過ごす事を快しとしなかった若者に
    天は一体何を与えたか。

    「この民話のアニメーション化が僕の夢だった。」
    と、語るアニメーション作家宮崎駿。
    元になっているチベットの民話は優しい童話だが、
    彼は、物語の根っこに絡んでいた「大人にこそ向き合って欲しい金ピカの種子」をみつけていたんだな、と感じた。

  • 『シュナの旅』(『シュナの旅』は、スタジオジブリのアニメ映画「ゲド戦記」の原案になった事でも有名です。)は15歳の時に読んで以来、私の最も大切な作品になっています。今までに私の作品制作にも大きな影響を与えて来ました。宮崎 駿氏のスケールの大きな空想力が遺憾なく発揮されています。
    『シュナの旅』の原話は、「犬になった王子」(君島久子 文、岩波書店 民話集「白いりゅう黒いりゅう」所収)ですが、2013年11月15日に絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)が出版されました。文は君島久子先生で、絵は私が日本画で丹念に描きました。『シュナの旅』と『犬になった王子 チベットの民話』を見比べると、その共通点と相違点が面白いでしょう。 
     日本画家・絵本画家 後藤 仁

    ●それぞれの関係を図解するとこうなります。

    「犬になった王子」(民話集『白いりゅう 黒いりゅう』〔訳:君島久子〕所収 岩波書店 1964年) →(影響)→ 「シュナの旅」(作:宮崎 駿 徳間書店 1983年) →(影響)→ 「アニメ映画 ゲド戦記」(スタジオジブリ 2006年)

    「犬になった王子」(民話集『白いりゅう 黒いりゅう』〔訳:君島久子〕所収 岩波書店 1964年) →(絵本化)→ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』(文:君島久子、絵:後藤 仁 岩波書店 2013年11月15日)

  • 一度読んだだけでは
    意味がわかりません。
    でも 何度も読み返していくうちに
    あぁ そうなんだって色んな事に気付かされます
    今の現代社会にも通じる事あるんじゃないか?って
    思います。
    漫画だけど やっぱりジブリは素晴らしい

  • ナウシカも もののけ姫も 原型はここにあった?!
    初版は1983年に出ている カラーの漫画。
    原作のチベット民話「犬になった王子」の話は、
    火を人間界にもたらしたギリシャ神話に通じるものがある氣がする。
    一粒万倍、産めよ増やせよ地に満ちよ、
    貧富の差を生みだすもとになった穀物栽培、農耕の歴史について
    豊かさについて、旅と出会いについて、・・・
    考える種はたくさんある。

  • ナウシカの原点。
    絵本のような漫画のような。
    宮崎駿監督の物語には独特の「間」がありますね。

  • 十数年ぶりに再読。

    チベット民話をモチーフに描かれたもので、アニメーション化したかったものの内容が地味という理由から断念したものが書籍となったそう。

    でも淡々としたなかに、ナウシカの要素あり、もののけ姫の要素あり、ゲド戦記の要素あり、ジブリ好きとしては何度見ても楽しいです。

    民話…文章からこれだけの空想を広げてそれを表現できるなんて…羨ましいなんて簡単に言ってしまうのはおこがましいことこの上ないけど、でもやっぱり羨ましい!

  • シュナはなんとなく女子にみえる。ゲームの「ワンダと巨像」と似ている。旅立ちと喪失と再起動の物語。大男の緑色が怖い。

  • 十数年ぶりに再読。ページ数はそれほど多くないのだが、内容の深さを再発見。前回読んだときはナウシカに近いなと思っていたが、他の宮崎アニメにも出てくる要素があちこちに盛り込められていて、テーマの一貫性を感じられた。それにしても、ヤックルが可愛いぞ。

  • ヤックルかわいい。登場人物のあれこれが、ジブリ作品のあれこれかなって想像しながら読むのも楽しい。

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著者プロフィール

アニメーション映画監督。1941年東京都生まれ。学習院大学政治経済学部卒業後、東映動画(現・東映アニメーション)入社。「ルパン三世 カリオストロの城」(1979)で劇場作品を初監督。1984年には「風の谷のナウシカ」を発表。1985年にスタジオジブリの設立に参加。「天空の城ラピュタ」(1986)、「となりのトトロ」(1988)、「魔女の宅急便」(1989)、「紅の豚」(1992)、「もののけ姫」(1997)、「千と千尋の神隠し」(2001)、「ハウルの動く城」(2004)、「崖の上のポニョ」(2008)、「風立ちぬ」(2013)を監督。現在は新作長編「君たちはどう生きるか」を制作中。著書に『シュナの旅』『出発点』『虫眼とアニ眼』(養老孟司氏との対談集)(以上、徳間書店)、『折り返し点』『トトロの住む家増補改訂版』『本へのとびら』(以上、岩波書店)『半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義』(文春ジブリ文庫)などがある。

「2021年 『小説 となりのトトロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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