アニメージュコミックス 風の谷のナウシカ(5)

  • 徳間書店 (1991年5月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784197710614

みんなの感想まとめ

戦争の悲惨さや人間の愚かさをテーマにしつつ、深い感動を呼び起こす作品です。特に、土鬼の一つ目が持つ恐怖感や、王蟲の慈愛の心が描かれ、登場キャラクターたちの美しさが際立っています。宮崎駿の独特な画風は、...

感想・レビュー・書評

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  • 土鬼のあの目が怖い…
    一つ目のあの目が怖い。
    二十世紀少年もあの一つ目だったよね。
    何?一つ目に何か意味があるの?
    あれ怖い。

    そして王蟲の慈愛の心があの優しさが泣ける。

  • 戦争というものはむごい。宮崎駿先生の画のタッチはそれをうまく和らげてくれている。そのおかげで、むごい戦争から目を背けず考えることができる。

  • 感想は7巻に。

  • 欲望のままに生きる愚かな人間。
    ナウシカを守ろうとするテトや、人間が造り出した菌類ともひとつになろうとする蟲たちが美しい。

  •  破滅の始まり。土鬼が造った粘菌は巨大な4つの変異体となり、大地を呑み込みながら1ヶ所に集まろうとしていた。蟲たちが押し寄せ、いよいよ”大海嘯”が起こる。トルメキア軍も撤退を始め、地上は猛毒の瘴気と胞子に覆われる。ナウシカもチヤルカもユパ一行も、この世の終わりを肌身で感じ取っていた。
     そんな中、蟲に襲われた基地で船の残骸に潜み人が来るのを待ち続けていたクシャナとクロトワは、ナウシカがクシャナ軍と共にいると考えて南下してきたユパたちに救われる。土鬼の神聖皇帝は実兄のナムリスに殺され、皇兄として実権を握った彼はヒドラ(人造人間)を使ってクシャナを拉致し、政略結婚による土鬼⁼トルメキア二重帝国の支配を持ちかける。
     粘菌と蟲の大群の合流地に赴いたナウシカはこの世界を汚した人間が滅ぶのは必定と考えて、王蟲と共に自然に還り、新しい腐海の植物の苗床になろうと身を委ねるが…。
     極限状態を乗り越え、すっかり丸くなったクシャナに注目。彼女はペジテをトルメキアに滅ぼされたアスベルや、土鬼の少女ケチャに憎しみをぶつけられても当然のことと受け止める。その姿にユパは、彼女は今後王の器として必要な人間だと見定める。人間が汚した世界を一旦呑み込んで腐海が浄化するという作者の思想に、環境問題への大きな虚無感を感じる。

  • ここで土鬼の皇弟(こうてい)ミラルパVS皇兄(こうけい)ナムリスの図。
    粘菌の憎しみに対峙するのはナウシカとチヤルカ。
    ナウシカは絶望に眠り、森の人が来る。
    ユパとナムリスの対峙。ここで花嫁の座を蹴るクシャナの鬼神のごとき容貌が、凄まじい。こりゃ庵野も惹かれるわけだわ。

  • 優しさがひたすらに美しく哀しい。

  • 土鬼の皇帝陛下の兄弟喧嘩は凄まじいのだが、兄貴がサイキック弟君をDISる際の「管にまみれた」姿がなんか説得力を持つ。
     で、クシャナ殿下がご成婚なわけであるが、別に凶悪な婚姻はヒロインでもいいと思ふんだけど、かたき役がやるんだよなぁ。

  • ドキドキは続く

  • この巻がいちばんすき。

  • [図書館]不気味な人造兵士ヒドラを従え、土鬼皇兄ナムリス登場。弟を殺し、長い間くすぶった眠りからついに動き出す。未だ戦いをやめない愚かな人間達。凄い勢いで街を飲み込んでいく粘菌。大海嘯が始まる。自らの命を賭して苗床=森になり地球を浄化しようと動く王蟲や蟲たち。人間の愚行を嘆き、後戻りできない自らも王蟲と共に森になる事を決意したナウシカ。寄り添うナウシカを口の中に入れ、彼女を守る王蟲がまた(泣)王蟲がとても美しく神々しい存在に思える。(内容が難しくなってきて何度も読み返す:泣、感想書くのがむずい)

  • 逃げ惑う時、犠牲になるのは99.9%の普通の人。

  • 1年に1度は読み返すバイブル的存在の本

  • ヒドラがなかなかやっかい。映画版だとこんなのいなかったのにい。

  • 息子10歳3ヶ月
    息子が喜びそうな本を、母が選んで図書館から借りてきています。時々息子リクエストの本も。読み聞かせしなくなりました。母はサミシイ。

    読んだ◯
    好反応◯
    何度も読む(お気に入り) ◯
    「また借りてきて!」「続き読みたい!」◯
    その他◯

  •  土鬼に戻った皇弟ミラルパは、多くの医師たちの治療を受ける。そして皇兄ナムリスは、ヒドラとなり、何回の手術を受け、復活する。皇弟ミラルパの治療している溶液に薬物を入れる。土鬼の中でも厳しい権力闘争があった。皇弟ミラルパは超常能力を持っているので、実質権力を握っていたが、皇弟ミラルパの治療中に薬物で殺してしまう。この権力闘争は、土鬼の戦争相手国のトルメキアでも起こっている。

     土鬼には、長寿延命治療の医療チームが存在し、皇兄ナムリスはその治療を受け、ミラルパの位置を奪い取るのに100年近くかかっている。。皇兄ナムリスは、土鬼の博士チームに巨神兵の再生も行う。秘石がなくてもその技術を持っている。土鬼の生物兵器と言える不死のヒドラも作っていた。皇兄ナムリスは、ヒドラを連れて戦いに出るのだった。墓所を封印し、神聖皇帝として出陣する。
     第5巻は、ヒドラ、つくられた粘菌の変異が大きな存在感を示す。

     剣士ユパ、アスベル、ケチャの三人は南南西のカポをめざす。トルメキアの人たちは種子を持って引越をする。カポの土地は、蟲の屍から腐海が生まれ始めていた。蟲の体についていた胞子が発芽したのだ。カポの街は全滅していた。そこで、クシャナとクワトロを見つける。アスベルはクシャナに仇を討とうとするが、ユパに止められる。仇は留保された。
     
     クシャナは、憎しみと恐怖を捨てれば、蟲が襲ってこないことを知り、蟲の大群がさって子守唄を歌い続けた。蟲は、憎しみや恐怖の感情を察知して、襲うのだった。

     ナウシカは、粘菌の状況を調査する。4つの大きな粘菌が、急速に成長し、一体化を目指して増殖し、移動する。なぜ、粘菌はそのように動いているのか?ナウシカの粘菌の実験の中で、粘菌は食われるが、粘菌自身も食うことを見つける。粘菌は餌を求め、目的的に生育する。餌がなくな李開発、老化すると集まって、球になり、時が来ると弾け無数の胞子を出す。(ホコリタケみたいだ)粘菌は、過酷な環境下でも生き抜くための高い生命力と、環境の変化に適応する能力を持っている。瘴気に耐性があるだけでなく、腐海の様々な場所で繁茂し、生態系の一端を担っている。また粘菌は、環境の変化に応じて常に変異し、進化を続けている。ナウシカは、考え続ける。

     一方、土鬼の皇兄が率いたヒドラは、ユパやクシャナと戦う。ユパは不死のヒドラをどうやって退治するかを知っていた。皇兄は、ユパがヒドラ退治法を知っていることに意外感を持って伝える。皇兄はヒドラを使って、トルメキアのクシャナを捕まえる。そして、クシャナを嫁にすることを宣言する。土鬼とトルメキア連合国を作ろうというのだ。

     大量の王蟲が進軍してきた。ナウシカはその王蟲の目が菌糸に覆われ見えなくても行進する。そして菌糸を取り除くと王蟲の目はきれいで澄んでいた。王蟲は行進しそして変異した粘菌に食われてしまうことをナウシカはいう。さらにナウシカは王蟲たちは人間の愚かさを伝えていると思った。そして、ナウシカは王蟲に食われてしまうのだ。王蟲、粘菌、ヒドラ、それぞれのいくべき方向はどうなるのだろうか?

  • 人間だけが、憎み、奪い合い、争い続けている。
    森になりたいと願ったナウシカの気持ちが、心に響く。

  • 風の谷のナウシカ5 1991

    月刊アニメージュ1987年2〜6月号、1990年4〜7月号連載
    1991年6月30日初版発行

    『風の谷のナウシカ』(かぜのたにのナウシカ)は、宮崎駿による日本の漫画作品。アニメーション監督・演出家でもある宮崎が、1982年に徳間書店のアニメ情報誌『アニメージュ』誌上にて発表したSF・ファンタジー作品。

    戦争による科学文明の崩壊後、異形の生態系に覆われた終末世界を舞台に、人と自然の歩むべき道を求める少女ナウシカの姿を描く。1984年には宮崎自身の監督による劇場版アニメ『風の谷のナウシカ』が公開された。2019年には歌舞伎化された。

    漫画は『アニメージュ』1982年2月号より連載を開始し、映画制作などのため4度の中断期間を挟みながら、1994年3月号にて完結した。1994年に第23回日本漫画家協会賞大賞、1995年、第26回星雲賞コミック部門を受賞。コミックス全7巻の累計発行部数は1780万部を突破している。海外でも8か国語で翻訳・出版されている。

    あらすじ

    プロローグ
    高度産業文明を崩壊させた「火の7日間」という最終戦争から1,000年後の地球。汚染された大地には異形の生態系である菌類の森「腐海」が徐々に拡がり、腐海には昆虫に似た蟲(むし)と呼ばれる巨大生物達が生息する。
    菌類は一欠片でも村に侵入を許せば、たちどころに汚染が広がり、菌類が放出する瘴気(しょうき)は、多量に吸い込めば一時も持たず死に至る。衰退した人類たちは瘴気と蟲に怯えながら、錆とセラミック片に覆われた荒廃した世界での暮らしを営んでいた。
    トルメキア、土鬼(ドルク)という敵対する二大列強国が覇権を争っている中、腐海の辺境にあるトルメキアと盟約を結ぶ小国風の谷から、物語は始まる。風の谷の族長ジルは、腐海の毒に侵されて病床にあり、ジルの娘ナウシカが代理で国を治めていた。

    序盤
    ある日、ペジテ市を滅ぼしたトルメキアの第四皇女クシャナ及び親衛隊から逃れるため、ペジテの避難民を乗せたブリッグが、腐海に隠れ蟲を殺した為、蟲に襲われ風の谷に近い腐海の縁に墜落する。ブリッグに搭乗していた瀕死の王女ラステルは、救助に駆け付けたナウシカにとある石を託し、兄に渡して欲しいと懇願して事切れる。その石は、最終戦争で世界を滅ぼした巨神兵を蘇らせる鍵となる秘石であった。
    巨神兵を得ようとしたクシャナ達が、秘石の捜索の為に風の谷に飛来。検疫を受けないままの強行着陸をとがめたナウシカは、クシャナの部下と一騎討ちを演じる。ナウシカの師匠でもある旅の剣士ユパの仲裁で停戦し、クシャナ達は谷を去る。やがてトルメキアは土鬼との戦争の為、盟約を盾に辺境諸国に出征を強いる。夜明けと共にナウシカは父ジルに代わり、風の谷のガンシップに乗り、城オジと呼ばれる数名の老従者と共にクシャナ支隊へ合流する。
    土鬼の地へ向けて腐海を南進するクシャナ支隊の空中艦隊を、ラステルの兄アスベルが操るペジテのガンシップが単機で奇襲し、多大な損害を与えるも装甲コルベットに撃墜される。乱戦の中で風の谷のバージのワイヤーが切れ、不時着水する。バージを回収する為に降下したナウシカは、地蟲(じむし)と翅蟲(はむし)に襲われるアスベルを、腐海下層部でメーヴェで救出するが、翅蟲達に追われ腐海の奥に逃げる途中、彼がメーヴェから落ち着地する。直後にナウシカは翅蟲達に襲われ、メーヴェから落ち瘴気マスクを失い、気絶し着地する。その後目覚めたナウシカは、腐海下層部の大気が清浄である事を発見する。そして、その地の砂とナウシカが以前ユパに見せられた腐海下層部の無毒の砂との共通点を見出し、腐海が汚染された大地を浄化している真実に気づく。

    中盤
    劣勢の土鬼軍は、腐海の植物を品種改良し、特殊な瘴気を出す生物兵器を、土鬼の町に駐留するトルメキア軍に対し使用した。この人工の森の瘴気は蟲を死に至らせる物であり、マスクを持たない軍を撃退する事に成功した。しかし、トルメキアに輸送中の菌類の苗が土鬼各所で一斉に突然変異を起こし生じた、重マスクでも浄化できない程の強毒の瘴気を出し、増殖力の大きな粘菌が暴走し始め、事態は収拾不能になる。かねてからこの粘菌の発生を予知していた蟲は、暴走する粘菌に向かって大量に集結した。蟲達が粘菌に自らを吸収させる事で粘菌はやがて通常の瘴気並に弱毒化し、暴走は収束していく。大量の蟲(特に王蟲(オーム))が移動する現象は物語中で「大海嘯(だいかいしょう)」と呼ばれており、移動する蟲の体に付着した胞子が蟲の死骸を介して拡がり、腐海をより拡大してしまう。結果、土鬼の主要な国土はほとんど滅亡するに至った。
    ナウシカが大海嘯を止めようと土鬼の地を1人で探索する内に、大海嘯が収束し、「森の人」と呼ばれる種族の1人、幽体離脱をしたセルムに導かれ、彼女は幽体離脱をし、腐海の植物群が浄化し、蟲達が守る、「青き清浄の地」を見る。その後、土鬼軍がペジテに駐留するクシャナ支隊の蟲使いから奪取し、土鬼で復活させ、トルメキアに輸送中の眠る巨神兵の胎児と土鬼で会ったナウシカは、覚醒した胎児の前でアスベルに託された秘石を掲げ、巨神兵の母となる。土鬼の聖都シュワにある「墓所」と呼ばれる施設は、内部に旧世界の科学技術を保存しており、皇帝達に技術を与える事で世界を動かしていた。墓所の技術で戦争利用の為、腐海植物を品種改良した他、巨神兵を復活させた事を知ったナウシカは、今起きている瘴気を使う戦争を止め、巨神兵の戦争利用を防ぐ為、「墓所」を永久に封印しようと巨神兵と共にシュワに向かう。

    終盤
    旅の途中ナウシカは、エフタル語で「無垢」を意味する「オーマ」と名づける。生まれたばかりの赤子のような幼児性と残虐性を持ち合わせていた巨神兵は、名を得るや急速に知能レベルを発達させ、旧世界におけるあらゆる利害を調停する為に人工的に作られた神、「裁定者」としての役割に目覚める。
    その後ナウシカは、古代の動植物や文化を保存している「庭園」の中に入り、オーマと別れ、「庭園の主」と会話した際、セルムに助けられ、腐海生物が旧世界の技術による人工生命体であること、自身を含む現生人類及び腐海外の現生動植物は、旧世界の人々が、汚染された環境に適合するよう人類及び旧世界の動植物を改造した人工種であり、浄化完了後の清浄な世界では腐海生物同様に生存できないという事実を知る。旧世界の人々は腐海を作り出して世界の浄化完了後、火の7日間によって絶滅に瀕した科学文明勃興以前の動植物や文化を復活させると共に、清浄な世界で生きられる体を持つ、穏やかな新人類をこの世に生み出し、世界を再建する事を目的としていたのだ。
    「墓所」はそれ自体が意識と旧世界の科学知識を持つ人工生命体でもあり、墓所とシュワに到着したオーマが互いに攻撃し合った結果、街は墓所以外跡形もなく壊滅する。遅れて到着したナウシカは墓所の中に入る。墓所の中枢にあり、表面に1,000年前の古代文字が現れる肉塊は、「墓所の主」と呼ばれ、ナウシカに浄化完了後の戦争のない理想郷を作る為に協力して欲しいと言い、汚染に適応した現生人類を元に戻す技術も表面に記されてあるとも言う。しかしナウシカは、清浄のみを追求し一切の汚濁を認めない旧世界の計画に反発して協力を拒否し、「墓所の主」をオーマに握り潰させる。
    その後「墓所」は、旧世界を研究し「墓所の主」と共にいる事を望む科学者達と、ヒドラ達、そして新人類の卵を内部に収めたまま倒壊した。「苦しみや悲しみ、そして死も人間の一部である事を受け入れ、汚濁と共に生きてゆく事」。それがナウシカの選択であった。

    エピローグ
    オーマはナウシカに看取られながら役目を終え、生き延びたナウシカは全ての真実を胸の奥に秘めたまま帰還する。そして、土鬼の地に留まり土鬼の民と共に生き、土鬼で会った少年チククの成人後に風の谷に帰ったとも、やがて森の人の元へ去ったとも言い伝えられたという。

    世界観
    産業革命から1,000年を経て極限まで科学技術の発展した人類社会が、「火の7日間」と呼ばれる最終戦争によって滅びてからさらに1,000年余りが経過した未来の地球が舞台。作中ではセラミック時代終末期と記述されている。

    ユーラシア大陸の西のはずれに発生した産業文明は
    数百年のうちに全世界に広まり
    巨大産業社会を形成するに至った
    大地の富をうばいとり大気をけがし
    生命体をも意のままに造り変える巨大産業文明は
    1000年後に絶頂期に達し
    やがて急激な衰退をむかえることになった
    「火の7日間」と呼ばれる戦争によって都市群は有毒物質をまき散らして崩壊し
    複雑高度化した技術体系は失われ
    地表のほとんどは不毛の地と化したのである
    その後産業文明は再建されることなく 永いたそがれの時代を人類は生きることになった

    — ワイド判 第1巻 冒頭より
    火の7日間によって地球全体に有毒の汚染物質がばらまかれており、更に陸地の大部分は菌類の森「腐海」に覆われ、人類は腐海の毒が及ばない地域で生活している。しかし腐海は少しずつ広がり続けており、わずかに届く毒で子は育たず、石化の病が流行り、人口は減り続けている。また海は「この星の汚染物質が最後にたどり着く所」とされ、人類は海からの恩恵も得られなくなっている。火の7日間以前の産業文明は旧世界と呼ばれ、かつての高度な科学技術は失われて地下の古代都市から発掘された遺物を利用するに留まり、人々の生活様式は現代からすら大きく後退している。それでも人類同士の勢力抗争は続いており、作中ではトルメキア王国と土鬼諸侯国連合の間で勃発したトルメキア戦役の模様が描かれる。また王国内では王位継承権を巡り権力闘争が続いている。

    終盤では、文明を衰退に追いやった諸々の事象が世界を再建する為の遠大な計画であったという真実が語られる。火の7日間は兵器としての巨神兵が世界を焼き尽くした戦争と伝えられてきたが、巨神兵の真の役目である裁定により世界破壊が選択された事が示唆されている。腐海も序盤では汚染された世界を浄化するために生まれたという仮説が述べられるが、これも旧世界によって人工的に作り出されたことが示されている。人類や腐海外の動植物はかつての生命工学によって毒へ耐性を持つよう作り変えられており、逆に清浄な世界では生きていけなくなっている。そして旧世界の知識と技術は、墓所の主や庭園の主といったかつて作られた人工神により守られていた。

    制作背景
    執筆の経緯
    『ルパン三世 カリオストロの城』の公開後、宮崎はテレコム・アニメーションフィルムの海外合作『名探偵ホームズ』『リトル・ニモ』の制作準備に関わりながら、次回作の構想を練るために多数のイメージボードを描いた。その中には『となりのトトロ』や『もののけ姫』の原案のほか、「グールの王女ナウシカ」「風使いの娘ヤラ」「サンド王蟲(オーム)」といった本作のモチーフも描かれている。しかし、『カリオストロの城』の興業成績の不振により「企画が古臭い」というレッテルを貼られ、アニメ業界では不遇の地位に甘んじていた。

    アニメージュ編集部は『未来少年コナン』や『ルパン三世 カリオストロの城』を通じて宮崎の才能に着目しており、1981年8月号において「宮崎駿特集」を掲載した。また、宮崎から『戦国魔城』と『ロルフ』 という2本の映画企画を預かり、徳間グループの映像会議に提出したが、原作が存在しないことを理由のひとつとして採用されなかった。そこで、編集部はアニメ化への布石と誌面の話題作りを兼ねて、宮崎に連載漫画の執筆を依頼した。担当編集者の鈴木敏夫に口説かれた宮崎は、「漫画として描くならアニメーションで絶対できないような作品を」という条件で受諾。『ロルフ』にSF的な「腐海」という設定を加え、『風の谷のナウシカ』の題名で執筆を開始した。

    連載開始時には『名探偵ホームズ』との掛け持ちで多忙を極めたため、第2話以降しばらくは鉛筆原稿のまま掲載された。宮崎は映画化の際には原作も終わらせることを考えたが、アニメーション作家として地位を確立した後も執筆を続け、12年かけて完結に導いた。

    連載途中(1992年)アニメージュ誌の締め切りまでに1ページ書き足りなかったことがあり、「いいわけ」としてその1ページ分を使って趣味の軍事ショー見学記の漫画が書かれたことがあった。最後のコマでは「おわび」の「び」の字を消して「り」に直し「おわり」としている。

    物語設定の背景
    宮崎は少年時代に読んだ『マクベス』の「森が動く」という台詞に驚き、植物のことを扱いたいという意識を持っていた。漫画家志望だった学生時代には革命ものの習作を描いていたが、本作では「人間がいる世界というか、自然物というか、そういうものとの関係を語らないと、生産と分配の問題だけを論じてもくだらないことになると思ったんですよ」と述べている。

    物語序盤に提示されていた自然と科学技術の対立という構図は、後半では世界の浄化を巡るより複雑な構図に変化していく。宮崎は、この作品を結ぶにあたり影響を受けた事件としてユーゴスラビア内戦を挙げ、「あれだけひどいことをやってきた場所だから、もう飽きているだろうと思ったら、飽きてないんですね」「戦争というのは、正義みたいなものがあっても、ひとたび始めると、どんな戦争でも腐ってゆく」と述べており、これを物語終盤に反映させた。


    腐海(ウクライナ/クリミア半島)
    宮崎は風の谷のイメージを「中央アジアの乾燥地帯なんです」と発言し、腐海のモデルはウクライナ、クリミア半島のシュワージュ(腐海)としている。オーストラリアのオルガ山(カタ・ジュタ)には風の谷(Valley of the Winds)という場所があるが、スタジオジブリによれば関連はない。宮崎の初連載漫画『砂漠の民』も中央アジアを舞台としており、主人公の属するソクート族の王都「ペジテ」が登場している。作中の地名にも、中央アジアやタリム盆地の都市に関連した地名が見られる。「古エフタル王国」は言語などが謎に包まれたエフタルと呼ばれる中央アジアの遊牧民、「トルメキア第四皇女クシャナ」はインド北部に生まれたクシャーナ朝との関連が指摘される。旧世界の産業文明が発生した場所はユーラシア大陸の西、つまりイギリス周辺としている。

    本人による評価
    宮崎によれば、作品の出発点になっている自分の考えを自分で検証することになって、後半はこれはダメだという所に何度も突き当たらざるを得ないことの連続だったという。予定調和なユートピアを否定することになり、ぐちゃぐちゃになってしまったとも語る。体力的にも能力的にも時間的にも限界で、何の喜びもないまま終わって、完結していない作品だと説明している。ジャーナリストの立花隆は、宮崎駿本人に「あれは映画にしないのか」と尋ねたところ、「できない」との返事を受け取ったと述べている。

    他作品からの影響
    ベースになった映画企画『ロルフ』は、アメリカの漫画家リチャード・コーベン(Richard Corben)のコミック"Rowlf"(1971年)をもとに、「小国の運命を背負うお姫様」という着想を得たもの。宮崎は東京ムービー新社に対して"Rowlf"の版権取得を提案してもいる。『ロルフ』は宮崎が漫画家の手塚治虫と共同で映像化しようとしたものの、原作者が許可しなかったために立ち消えとなった企画だった。

    主人公ナウシカのモデルとして、宮崎は日本の古典文学『堤中納言物語』に登場する「虫愛づる姫君」を挙げている。名前はギリシア叙事詩『オデュッセイア』に登場する王女ナウシカに由来する。作品内に登場する人名や地名などには、実際の歴史的事項に一致または類似するものもある。例えば、クシャナはインドの王朝名(クシャーナ朝)、地名エフタルは実在の遊牧民族名、ミラルパは実在のチベット仏教行者(ミラレパ)など。

    ルネ・ラルーのアニメ映画『ファンタスティック・プラネット』(1973年)や、手塚治虫、諸星大二郎の影響も指摘される。なかでもフランスの漫画家メビウスの『アルザック』(1975年)には強い影響を受け、宮崎自身メビウスと対談した際に「『ナウシカ』という作品は、明らかにメビウスに影響されつくられたものです」と語っている。また、腐海と人間との関連性には、中尾佐助の唱えた照葉樹林文化論も影響している。他に『パステル都市』『地球の長い午後』『デューン/砂の惑星』等のSF小説の影響を指摘する論者もいる。特に『パステル都市』には、腐敗・酸化した土地、そこから掘り出される過去の遺物を再利用する黄昏の文明、その特徴的な遺物である飛空艇、対立する2人の女性王族、それを助ける剣士、世界を破壊する前世紀の人造人間など、ナウシカと共通するモチーフが多い。さらに、作品の主要舞台となる「錆の砂漠」という地名の固有名詞が、書籍に掲載されている宮崎駿が書き下ろしたアニメ版ナウシカの幻の主題歌の歌詞に登場していることも確認できる


    以上のようにWikipediaで紹介される風の谷のナウシカ原作5巻。
    自分の購入したこれは2023年5月5日115刷発行とある。

    休載期間を挟んでいる。
    この時期はジブリで言うと魔女の宅急便(1989)とかがあったか。
    まあ、何だかんだできちんと連載を終わらせたのだから宮崎駿が当時頑張ったのだなと思う。
    きちんと連載を終わらせる力も必要なんだよな。
    ちょっと前の漫画は連載長期化の流れがあったから本当にそう思う。
    この5巻の終わりでは粘菌の暴走とそれを止めに来た蟲の大群、王蟲の大群との対峙がある。ナウシカは最終的に王蟲に助けられる形になるのだが・・・
    土鬼側の皇弟は復活しないまま皇兄ナムリスが暴れ出す。
    弟と違う意味でヤバい奴ではあるが、ある意味人間味があって不思議な魅力を感じる。
    まあ、リスクを恐れず進む姿勢が男らしい雰囲気があるというか。


    印象に残った点

    王蟲達は怒り狂っているんじゃない
    大海嘯は愚かな人間への罰でも復讐でもなかったんだ
    王蟲は大地の傷口を癒そうとしているだけ

    条件を聞こう
    土鬼・トルメキア二重帝国

    私の夫になろうというのか
    ヒドラだけでは心もとなくてな

    トルメキアの王位継承権と精兵の持参金に見返りは何だ?
    当面の生命
    反乱の自由
    不倫の自由
    あらゆる可能性・・・

    それでこそわが血まみれの花嫁だ
    憎悪と敵意こそ真の尊敬を生む源となろう
    二人してたそがれの王国を築こうではないか

    この地では人は簡単に生まれ簡単に死ぬのだ

    死ねば必ず生まれ変わると教え込んだのだよ
    嘘も百年繰り返すと本人まで信じる始末さ
    おかげで土民は瘴気の中でも来世を信じながら死んでいける
    もっとも老いと死をいちばん恐れていたのが弟だったがな
    ハハハ

    こんなに世界は美しいのに
    こんなに世界は輝いているのに

    生命をもてあそんだ報いだ

    世界はまだわずかでも人類に残されているのだろうか?
    だとすれば生者が死者をうらやむ時代が来ることになりそうだな

    欲望に翻弄されるのも憎悪に捕らわれるのもたいしてかわりはない

    この墓穴とクソ坊主どもはお前にくれてやる
    俺は父祖がしたように自らの帝国を自分で斬りとってやる

    俺のおそれることはただ一つ
    この血を一度もたぎらせることなく終わることだ
    管だらけになっても不死を願うお前とちがい
    俺にも帝国も死もどうでもいい

    2024/08/04(日)記述

  • 貸出状況はこちらから確認してください↓
    https://libopac.kamakura-u.ac.jp/webopac/BB00202654

  • 土鬼皇弟ミネルパは動けず皇兄ナムリスはヒドラを連れて出陣。クシャナの部下達はヒドラに痛手を受け,そこへクシャナを伴いユパ立ちがやってくる。ユパがいても多数のヒドラを倒すことはならずクシャナは捕らえられる。ナムリスはクシャナとの結婚を企てていた。ナウシカは一人丘の上で最期を待る。「森の人」が通りかかり,妹セライネはナウシカのマスクを修理して立ち去る。やがてやってきた王蟲の群れに飛び込むナウシカ。チヤルカと共にいたチククはナウシカが消えたことを感じ震えが止まらない…。希望のない世界だ。

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著者プロフィール

アニメーション映画監督。1941年東京都生まれ。学習院大学政治経済学部卒業後、東映動画(現・東映アニメーション)入社。「ルパン三世 カリオストロの城」(1979)で劇場作品を初監督。1984年には「風の谷のナウシカ」を発表。1985年にスタジオジブリの設立に参加。「天空の城ラピュタ」(1986)、「となりのトトロ」(1988)、「魔女の宅急便」(1989)、「紅の豚」(1992)、「もののけ姫」(1997)、「千と千尋の神隠し」(2001)、「ハウルの動く城」(2004)、「崖の上のポニョ」(2008)、「風立ちぬ」(2013)を監督。現在は新作長編「君たちはどう生きるか」を制作中。著書に『シュナの旅』『出発点』『虫眼とアニ眼』(養老孟司氏との対談集)(以上、徳間書店)、『折り返し点』『トトロの住む家増補改訂版』『本へのとびら』(以上、岩波書店)『半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義』(文春ジブリ文庫)などがある。

「2021年 『小説 となりのトトロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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