風の谷のナウシカ 6 (アニメージュコミックスワイド判)

著者 :
  • 徳間書店
4.04
  • (335)
  • (142)
  • (292)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 2461
感想 : 92
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784197731206

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【<気候征服>を考える自由研究】(3)

    「でも今の人間が知ったら、また自分たちが世界の主人だと思いはじめる」
    『風の谷のナウシカ』第6巻より

    ***以下ネタバレを含みます
    ここまで2回に渡り、気候を支配しようとする人類の命運を考えてきましたが、この問題を突き詰めていくと、いわゆる「環境倫理学」になるようです。
    レイチェル・カーソンさんの『沈黙の春』とか、いわゆるガイア理論とか宇宙船地球号とかですね。わずかな変化が重大な事態を引き起こすというバタフライ効果も見逃せません。ただ、ここまでくるともう自分の手には負えません…。

    本当に地球のためを考えるのならここだけの話、人間は存在しないほうがいいのかもしれません。
    ***
    本作は民族や戦争、自然、哲学などいろいろな要素やテーマが複雑に絡みあう大作ですが、科学が地球を征服しようとした一つの結果、という側面も持っていると思います。

    環境や自然を改変しようとした人間が滅びる内容は、もうすでに「未来の神話」であり、そこから学ぶべきものは多いと思います。

    おわり




  • 漫画版ナウシカ6巻。それぞれのキャラクターが物語の終末に向け動き出す。絶望の深淵にいたナウシカは世界の真実に近づき、微かな希望を見出し再び歩み始める。そんなナウシカの前に、ナムリスの連れた巨神兵が現れる。この巻で最も印象に残ったのは風の谷の少女テパがナウシカを継ぐ風使いになる場面。人の想いが子に受け継がれ、古い子は新たな世界へ旅立っていく象徴的な場面だと感じる。

  • ナウシカは深淵で、ミラルパを解放し、眼ざめ、蟲使いを連れる。
    ここにクシャナの兄ふたりが加わる。
    巨神兵にアレを渡すと、ヤッパリアナタハワタシノママダッタ。

  • あと残り一巻なのに、新キャラの名前が出てくるとか。驚いた。

  • 映画より断然こっち。

  • バイブル

  • 人間そのものがこの世界の癌細胞なのかも知れない。それでも必死に生きるしかないのか。

  • 涙がとまらないナウシカと一緒に、ただひたすらに涙がとまらない。
    闇から来た土鬼を一緒に連れて行くナウシカの姿が、カオナシを連れる千尋と重なった。

  • 映画を初めて観たときは、子どもだったこともあって、どこか難しい印象を受けた。
    理解できるところと、できないところの隔たりをものすごく感じる作品だったように今では思う。

    とても神聖で、人類にとって、私たちにとって、生きるということにとって、うまく言えないけれど、意味のある作品なのだろうなぁ…というようになんだかうやむやに感じたけれど、そんなもの、ほんの序の口だった。

    こんなに深い話だったなんて、大人になってから読むことができたことに感謝する。

  •  王蟲の粘液に包まれ意識不明となったナウシカ。暗闇の中で彼女は”森の人”と呼ばれる種族の少年セルムと出会い、自身の心象風景を旅することに。慈悲深いナウシカは土鬼の皇弟ミラルパの怨霊を一緒に連れてきてしまうが、大地が浄化され草木が茂り、マスクなしで空気が吸える1000年後の世界にたどり着いてミラルパの魂は成仏する。ナウシカは夢のような光景に涙しつつもそこをまた人間が汚してはいけないと立ち去り、彼女の魂は肉体へ戻り目を覚ます。そばにはセルムとチクク、偶然近くに停泊していてトリウマのクイに連れられてきたクロトワがいた。風の谷のガンシップに乗せていたクイの卵からヒナがかえり、それを追いかけてきたミトたちはついにナウシカと再会する。大海嘯が終わり新しい朝の光と共に腐海の植物が育ち、クイの子どもが生まれたことがすでに新世界の始まりを象徴している。
     ナウシカは罰を受けるとわかっていながらあえて土鬼に戻ったチヤルカを助けるため、チククと共に大混乱の民衆の中へ出て行き平和と友愛を訴える。その神がかり的な力によって彼女がどんどん神格化されていき、宗教とは人間が心の支えとしてすがりたいものがほしい時に生まれるのだと実感する。
     そこへ土鬼の神聖皇帝ナムリスが巨神兵と共に現れ、駆けつけたアスベルから巨神兵の鍵である秘石を受け取ったナウシカはメーヴェで単身ナムリスのいる船へ乗り込んでいく。 
     ついに巨神兵が目覚め最終決戦へと突入する。ナウシカの心象風景の旅に多くのページを割いているが、最後は大混戦に。静から動へ。クライマックスに向けて、平和を勝ち取るための戦いが始まる。

全92件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

アニメーション映画監督。1941年東京都生まれ。学習院大学政治経済学部卒業後、東映動画(現・東映アニメーション)入社。「ルパン三世 カリオストロの城」(1979)で劇場作品を初監督。1984年には「風の谷のナウシカ」を発表。1985年にスタジオジブリの設立に参加。「天空の城ラピュタ」(1986)、「となりのトトロ」(1988)、「魔女の宅急便」(1989)、「紅の豚」(1992)、「もののけ姫」(1997)、「千と千尋の神隠し」(2001)、「ハウルの動く城」(2004)、「崖の上のポニョ」(2008)、「風立ちぬ」(2013)を監督。現在は新作長編「君たちはどう生きるか」を制作中。著書に『シュナの旅』『出発点』『虫眼とアニ眼』(養老孟司氏との対談集)(以上、徳間書店)、『折り返し点』『トトロの住む家増補改訂版』『本へのとびら』(以上、岩波書店)『半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義』(文春ジブリ文庫)などがある。

「2021年 『小説 となりのトトロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宮崎駿の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×