空色勾玉 (トクマ・ノベルズ EDGE)

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 1020
感想 : 173
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198506780

作品紹介・あらすじ

輝の大御神の双子の御子と、闇の氏族とが烈しく争う戦乱の世に、闇の巫女姫と生まれながら、光を愛する少女狭也。輝の宮の神殿に縛められ、地底の女神の夢を見ていた、「剣の主」稚羽矢との出会いが、狭也を不思議な運命へと導く…神々が地上を歩いていた古代の日本を舞台に、絢爛豪華に織りあげられた、人気沸騰のファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • 最近はまっている荻原規子さんのデビュー作。ダイアナ・ウィン・ジョーンズの挿絵も手がける佐竹美保さんの表紙で気分も上がる。

    あんまりにも面白くて珍しく一気読みした本で、やっぱりファンタジーが好きだな、と思えました。帰って来てからずっと図書館に行けるのが嬉しくて子供の時好きだった本の続きを読もう、の流れで児童文学ばっかり読んでるけど全然飽きなくて漫画もいらなくなるくらい満足してる。

    古代日本の自然の描写が綺麗。狭也が池で泳ぐところが特に好き。
    夏の夜に魚になりたくなるのは、わたしばかりではなかったのか。
    どこか勧善懲悪的な考えを超えたところに安心して読めました。

    特別な女の子、ってのはレッドデータガールもおんなじだけど、泉水子と狭也の性格が違う、ってだけじゃなく、厳しい環境が狭也を否応無く強くしてるのかな、とも思いました。
    うじうじできるのはそれを許される環境にいるから。それがいいのか悪いのかわからんけど。輝の宮にいるみたい。今のわたしも。

    月代の君は最後まで完璧な王子様でした。
    なんとでも。そなたが嘆くのは見ていられない。
    いかにも、な古代のプレイボーイなもてもていけめん王子。
    稚羽矢より目立ってる。稚羽矢と狭也が惹かれ合うのはもっとそんな俗世的なものを超えての運命的な結びつきだからかな。
    でも輝の宮みたいな現代日本に生きるわたし達にできるのは、運命になんて頼らず自分の意思で選び取ることだけなのかも。

    富士山火口、不死の女神=竹取物語、であわや照日御神もここまでかと思ったけど、そこで投げ入れなかったからこそ、不死と死するものの共存、という世界が続いてゆくのかな。続きが読みたすぎて他のことに手がつかなさそう。図書館行かなきゃ。

    10/22/17

  • 再読いたしました。10年以上前に読んだので、全然覚えてなくて再読どころが初めて読んだような気分で読んでました。
    昔はハードカバーで読んだんですけど、佐竹さんの表紙が美しすぎる……大好きです佐竹さん。
    荻原さんの作品は少女マンガくさい、とどっかで見たので軽く戦々恐々としながら……でも、腹が立つほどではなかったです。なんとか。
    ただ、やっぱり女の子がいつも同じ感じだよなあ、と思ってしまった。
    スケールが大きなファンタジーですごかったです。神代の風俗が目に見えるように描写されていて面白かった。私も、歴史で一番好きなのは古代上代なので。植物の生き生きとした描写も美しいですね。これがデビュー作とは、すごすぎる。
    結構人がばたばた死んでいきますね。必要に迫られた死だけれど胸に来る。
    視点は結構ぶれる。難を言うなら、開都王伊吹王と科戸王が誰が誰やらわけわからなくなってしまいました。

    他の方のレビューを見て。確かに、狭也がほとんどなんにもしないまんま終わってしまいましたね……
    狭也が美人もてもてなのも確かに鼻につくと言えばつくかも。

  • すっかり和製ファンタジー漬けに(笑)。
    これがデビュー作かー。すごいですねえ。
    それにしても、主人公に全く親しみが持てなくて困りました(笑)。どうもよく分からんあの性格。
    チャキチャキしてて気が強くて無鉄砲で…と一貫はしてるんだけど、そのくせどうにも掴みがたくてどうにも魅力を感じない…
    情が厚いのかというとそうでもなくて結構酷いんですよね。なんていうか、まだ子供だということを差し引いてもそこここに見える自分本位さが何とも言い難い。
    稚羽矢をかばってるのかというと案外そうでもなかったり…自分が引っ張り込んだくせになあ、と思って仕方なかったです。
    「明星だけが、私を、なんのためらいもなく好きになってくれたのだ」て言う稚羽矢が切ないですよ。稚羽矢を道具としか思ってない、とみんなに怒っていたけど、こういうの見ると狭也も結局は稚羽矢をさして理解しようとはしてないよね、と思うのですが。
    最後までよく分からん人でした。
    逆に稚羽矢はいいですよ!なんか、要所要所でぼさーっとした的を射ない(笑)会話が大好き。
    しかしどうも全体に描写がはっきりしないんですよね。特に戦闘(ていうのかな?)シーンとか。
    大蛇の目覚めるとことかもそうだし、そのほかの普通の時間の移り変わりがよく分からなくてもったいないです。文章の量は多いんだけどもったいぶった書き方というか、思わせぶりでメリハリがない。なので伊吹王が命を賭けて稚羽矢を止めに行くシーンも、ほんとならもっと盛り上がるのにー!と地団駄踏んで読みました。
    気付いたらもう終わっててあれ?ていう場面が多いんですよ。もったいなーい!!
    稚羽矢が徐々に目覚めていくのももっとじっくり書いて欲しかったなあ。姉弟弟の対決もなんだかあっさりしてたし…
    稚羽矢贔屓(笑)としては物足りない気分がてんこ盛りです。

  • 和テイストなファンタジーってありそうでないし、日本神話がモチーフなため、洋書のファンタジーより好きかな。

  • YouTubeのおすすめ本を見て手に取りました。
    学生さん向けの内容だからか40代の私には面白味がわからなかった。

  • 当時の知り合いがオススメしてきた本
    ファンタジー好みじゃない…
    すまん…

  • 4作目、5作目を最近読んでの再読。
    結構覚えていない。。
    4作に登場した鳥彦が1作目絡みだったとは。。。

    帯、とか着物を連想していたけれどカバーイラストを見て勘違いに気づく。
    この時代の服は竜宮城みたいで、趣があるなぁ。。。

    学生時代は3作目が好きだったけれど
    今読み返したら1作目もスイスイ入ってきたので不思議。

    でも一番は
    スピンオフが読みたいな、という感想。
    輝サイドの過去やこれから、
    月の皇子の葛藤や今までの乙女との関わり合いとか。
    主人公の若々しさより、周りの大人の事情が気になってしまった。

    昔の人は短命だから10代の結婚が当然だろうが
    この村のように自由恋愛だと成立するまでに若気の至りとか、友人関係とか
    恋愛面が絡むと泥沼化したケースもあったのだろうなぁ。。大変だなぁ。。。という感想しか抱けないのが
    悲しい。。

    平安貴族の女性が活発、という漫画はよくあるけれど
    古代も当然ながら、おとなしい子もいればチャキチャキした子もいて、現代と変わらない会話だったのだよなぁ、と再認識。

  • 何度読んだかわからないが、久しぶりに再読。やはり面白い。
    日本の神話をベースにした和製ファンタジー。個人的には現代和製ファンタジーの草分け的な存在だと思っている。題材が現代でないので、時がたっても面白く読めるのはいいところだと思う。

  • 佐竹美保さんの挿絵で☆をプラス1。

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著者プロフィール

荻原規子・東京生まれ。早稲田大学卒。『空色勾玉』でデビュー。以来、ファンタジー作家として活躍。2006年『風神秘抄』(徳間書店)で小学館児童出版文化賞、産経児童出版文化賞(JR賞)、日本児童文学者協会賞を受賞。著作に「西の良き魔女」シリーズ、「RDGレッドデータガール」シリーズ(KADOKAWA)『あまねく神竜住まう国』(徳間書店)「荻原規子の源氏物語」完訳シリーズ(理論社)、他多数。

「2021年 『エチュード春一番 第三曲 幻想組曲 [狼]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

荻原規子の作品

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