本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784198601584
みんなの感想まとめ
近未来を舞台に、事故によってチンパンジーの体に脳を移植された13歳の少女が、自己のアイデンティティや人間社会との葛藤を描く物語です。エヴァは、父の研究の影響で幼少期からチンパンジーと共に育ち、移植後も...
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
野生動物がほぼ死滅した近未来。13才のエウ゛ァはチンパンジーの研究者である父とともに事故に遭う。
200日という長い昏睡から覚めて、彼女が鏡の中に見たものは…
幼い頃から家族同様育ってきた、チンパンジーの姿だった。
父は、脳以外は生存不可能になった彼女を生かすため、脳をチンパンジーに移植したのだ。
…それからのエウ゛ァの葛藤や苦悩は 計り知れないものがあります。
だけど、チンパンジーになってみて気付く人間の愚かしさ、醜さ…
彼女はキーボードで会話をし、マスコミに注目され・・・そのせいもあり、人間不信になっていきます。
また、彼女の例に続けと、脳を移す手術が行われ、けれど、ことごとく失敗し、その被験者の苦しみを見て、自らも苦しみます。</
自分の居場所が人間社会ではないと思いはじめた彼女は…
…ラストのエヴァの心の声には、様々なことを考えさせられます。
初めて読んだ時は、脳を移植した時点で挫折しました。
友人に勧められ、も一度トライしてみると、なかなか考えさせられる作品です。
骨組みのしっかりした、近未来小説です。 -
ラストで主人公の名前が"エヴァ"であることに必然性を感じた。エヴァたちは何万年か先にはまた人間になっているかもしれない。
-
ネタばれといいますか、最初の衝撃を書かずには感想を展開できないのでそれは書きます。
13歳の少女エヴァは事故により体を失い、その記憶をチンパンジーの脳に移された状態で目覚めるのだった。
チンパンジーの体に少女の思考と記憶という衝撃的な始まりですが、エヴァが幼少時から父親の研究の関係でチンパンジーと共に育ったため思うよりは抵抗少なくその状況を受け容れます。エヴァ自身よりも周りの人々の方が戸惑い、どのように彼女に接すればいいのかを逡巡する場面も見えます。そのことについてエヴァ自身も気付いており、自分から他人はそのままだが他人からは見た目がチンパンジーであるという部分が大きいためだろうと推測する。そのように実にエヴァは聡明で本当に13歳の少女なのだろうかと思える場面が多々あります。それは天性のものなのか、自分の運命を受け容れたから得た達観した観念なのかどうなのか。
エヴァ自身の内的葛藤よりも、エヴァと社会の葛藤に物語の焦点は合わさります。エヴァの記憶を移した元のチンパンジーの記憶は消去されているのですが、その記憶の奥にある本能のようなもの、種が持っている記憶は残り、そのためエヴァは自分が人間として生きるのかチンパンジーとして生きるのかを悩みます。舞台となっている近未来の世界では、人々は屋内に閉じこもりシェーパーと呼ばれる立体テレビを見続けている。そんな人間という種の未来がどこに行くのか。それをチンパンジーの体とその種の記憶を引き継いだエヴァが静かに見つめます。 -
(2024/07/01 3h)
-
20年近く前、小学生の頃に初めて読み、内容が印象的だったんでしょうね、タイトルや表紙もずっと覚えていました。この度、書店で本作を見かけて懐かしくなり再読しましたが、なかなかどうして、とても面白い。重厚なサイエンス・フィクションを通して描かれる、意識とは、種差とは、進化とは……。近未来に生きる、黄昏の人類の様子もまた面白い。シェーパー(立体動画)漬けになっている人類の様子は、まるでYouTube漬けになっている現代人のようですらあります。30年前に刊行された小説ですが、内容はとても未来を予見していますね。
小学生の頃にこの本を読み、この本だけが理由ではないですがその後生命科学を志すようになり、神経学の分野で博士号も得ました。わたしにとって羅針盤のような一作です。 -
中学生の時に読んだ本のタイトルを偶然知りました。当時、とても新鮮で悲しい話だったのを覚えていましたが、大人になって読むと悲しみよりもSFとして楽しめました。
あと、人間と動物の境目、娘の脳を持つ猿を娘と呼べるのか?は、考えさせられるところがありました。 -
-
始まりは『ジェンナ』そっくり。(書かれたのは『ジェンナ』が後だが。)
交通事故で全身を損傷し、長い昏睡状態の後目覚めた少女は○○になっていた、というのがまず衝撃。そしてその後の展開も、予想外だが納得がいく。(あとがきは読み終わってからじゃないとネタバレになるので注意)
『ジェンナ』より作品の完成度もメッセージ性も高い。
読み物としては行動だけを延々と描写する部分は(喋ることができないのだから仕方ないが)、ちょっとダレた。こういうのは映像で見た方が面白いだろうな。
エヴァに行われた手術も、人間の思考も、さもありなん、可能ならきっとするだろう、人間のおぞましさ。
近未来の描写は88年発表の作品だけに少々古臭いが、内容は古びていない。 -
しばらく前に読了。ディッキンソンははじめて?
おもしろかった!エヴァとチンパンジーとの共存関係のシビアさというか、緊張感が鮮明。身体の、自分でありながら自分ではない感じが、チンパンジーという要素があることでしっかり意識されて描かれていて興味深かった。基本SFは苦手なのだけど、現状の異化とその先の試行を描けるのは、やっぱりこのジャンルの強みなのだなぁと思う。
訳も切れ味が良くて読みやすい。 -
ちょっと読みにくい文体ではあるけど。地下沢ちゅうやさんはピッピの参考にしてそう。
-
交通事故から目覚めたら体が雌のチンパンジーになっていた少女のおはなし。
中学生頃に読んだのかな?
森の描写が綺麗でしたねー -
いや~凄い。「変身」カフカとも違うし、リアリティが妙にあるんです。
-
少女エヴァが、ある事故をきっかけにチンパンジーの肉体で生きるという話だった記憶がある。南浦和図書館の二階の児童書の、当時左奥にあったこの本はジャケット買いに近い感じで借りた。
名前はあえてエヴァにしたと作者のあとがきに記されていたが、本来はアダムとイヴのイヴがモチーフ。
終盤、人間たちは自ら死ぬことを選び、エヴァはチンパンジーとして生きることを選ぶ。
エヴァが最後に語ったことはなんだったっけかな。 -
中学生の時の教科書にオススメ?として紹介されていて興味をもち読みました。交通事故の昏睡状態から目覚めるとチンパンジーになっていた…という近未来のSF風な話。映画のアバターに通じるような…。
-
交通事故から目を覚ますと、脳の中身がチンパンジーに移植されていた13歳の少女、エヴァ。
始まりから終わりまで、とても丁寧に描かれていて、読んだ当時とても強烈だった作品。
特に自然科学や社会科学を勉強している人は、小説が苦手でもぜひ、読んで欲しいと思います。
唐沢則幸の作品
本棚登録 :
感想 :
