海がきこえる(2)アイがあるから

  • 徳間書店 (1995年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784198602871

みんなの感想まとめ

人間関係の複雑さや感情の葛藤を深く描いた物語は、特に主人公杜崎拓の視点から展開されます。続編では、彼の優しさや思いやりが際立ち、周囲のキャラクターとの関係がよりドロドロとしたものになっている一方で、彼...

感想・レビュー・書評

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  • ここまで読んでの『海がきこえる』である。
    1作目でクラスの女子たちに詰められていた里伽子を影から見ていただけだった拓は、守ってあげるべきところでしっかりと守ることができるようになった。自分の痛みをばかりを訴えて周りをめちゃくちゃにする里伽子も他人の痛みを考えられるように少しずつ成長している。わかりやすい話でも、ご都合主義でも、いい話でいいよね。


    絶対に新しい環境になじむもんかと決心しているような、そうすることで無言のうちに母親に反抗していたことの里伽子は、全身から緊張感が漂っていた。
    もしかしたら、その張り詰めた気配が、田舎で微温湯につかるみたいにノンキに暮らしていたぼくや松野には新鮮で、惹きつけたれたかもしれない。
    ぼくが里伽子を好きになったのは、弱みを見せまいと虚勢を張ることで脆さが顕になってしまう、ある種の健気さのためだったかもしれない。 p.93


    ぼくも里伽子にはアイはあるけど、あの人には今のところ、ないな。ぼくらはみんなにアイがあるわけじゃないよ。あったほうがいいけど。アイがあったほうがいいてことを、こういうことで覚えていくんだ p.237

  • ラストシーンが大好き。大学1年間で終わるのも余韻があって良い。

  • なかなかヘヴィーだった。
    読んでいて、いい気分にはならない。

    携帯電話のない時代。
    世の中は随分と変わったようでも、人の懊悩は変わってないのかもしれない。

  • 海がきこえるの続編。前編のラストからそのまま繋がっている。
    あー、やっぱ拓だな。拓が好きだから自分はこの小説が好きなんだなと思わされた。
    一巻に比べて、津村知沙周りの話はそこそこドロドロしていて、ちょっと読んでいて気まずく思うところもあった。それでも、やっぱりクライマックスの拓の激怒と、怒りながらも相手の女性にも背景があることをきちんと考えている拓のキャラクターが好きだ。
    なんで、中学時代、この小説がこんな好きなんだったんだろうなーと改めて考えてみた。
    多分、あの頃読んでいた物語って大概は「敵」とか「目標」みたいな主人公が乗り越えなければならない何かが明確だった。この話はそういうのじゃなくて、ただただ杜崎拓の視点から、武藤里伽子や津村知沙のことが描かれ、彼女たちにどんなに振り回されても、結局は彼女たちや彼女たちと敵対している者たちのことまで思ってしまう拓の心情がかかれている。八方美人と謗りを受ける彼の優しさが常に好ましい。
    中学時代にこの話に出会わず、大人になってから読んだらこんなに好きにならなかった気もする。
    「この主人公、都合が良すぎるだろ」
    「このヒロイン自己中すぎるだろ」
    と単純に受け止めてしまっていたかもしれない。
    世の中を「いい奴」と「やな奴」に分けがちだった単純な中学時代の私に「それぞれの人にアイがあるんだ」と教えてくれたこの小説はやっぱり私のバックボーンの一つになっている。

  • 大人になってから読み直すと、拓などの言動に身勝手さを感じてしまう・・・
    1のほうが瑞々しくてよかった。

  • これ、
    出版当時に読みたかったなぁと思った。

    30年近く前の作品だからね、
    皆がみな携帯持ってないよね。

    当時の時間の流れみたいなもの、
    思い出した。

  • 里佳子や知沙の気まぐれぶりが出ていて、よかった。
    学生が金を持っている時代の話だなぁと印象。
    里佳子の父親の再婚相手の勤務先の社長に主人公が啖呵を切る場面があり、珍しく、主人公が冷静さを欠いていて、新鮮だった。
    みずみずしい感じの小説でよかった。

  • 再読2回目。「海がきこえる」の続編。これも以前文庫版を持っていたが、図書館に単行本があったので借りて読んだ。こんなモテモテな学生生活送ってみたかったわ。いいなあ。(女性に振り回されたいという意味ではありません。)。あと、高知から帰ってから里伽子が拓のことを「杜崎くん」から「拓」と名前で読むようになったことも、二人の仲の進展が感じられてよいなと思います。劇中、ある程度の対立も経て、これからもケンカはするだろうけど、拓と里伽子も恋人同士という感じになっていくのかなと思います。感想はこんなところです。

  • 誰もが自分自身のことに精一杯で、無神経な程の一言でほかの人を傷つけていく。色々な経験をしていくことで、他の人にも、そのアイを向けることができるようになれば誰もが優しくなれるのだろうか。
    ジュリエットお祖母さんのホームビデオは読んでいるだけで、心が温かくなる気がする。

  •  前作を読んだのは20年近く前。ジブリのアニメの原作ということで読んだが、子どもには男女関係の機微が全く理解できなかった(特に大学生になってからのやりとりが)。大人になってから読み直そうと思いつつも、結局果たせないまま、続編(本作)も実写ドラマもスルーしていた。

     今回いまさらながら続編を読むにあたって前作を敢えて読まなかったが(押入れのダンボールに仕舞っているので取りだすのが面倒で)、意外と内容を覚えているもので読解に問題はなかった(最近読んだものは10日もすれば忘れてしまうことがままあるが、子どものときに記憶したものは長く覚えているものである)。さすがに今読むとある種の「青臭さ」に気恥ずかしささえ覚えるし、バブルの余韻の残るプチセレブっぷり(地方からの上京学生とは思えない)や携帯電話が普及していない時代のコミュニケーションのすれ違いなど、現在では成立しないシチュエーションに古さを感じるが、「わがままな女の子に惚れた弱みで振り回される男」とか「親の不倫や離婚による家族関係の変化への苦悩」といったテーゼは普遍的で、現在でも読むに値する。

  • 海が聞こえる続編

  • 「いわゆる相談相手にご指名、というやつだよ」「おまえ、そういう経験ないのか。相談相手にさせられて、逆にガードかけられるっていう」(田坂)/辛いから、相談相手になってくれる浩ちゃんに寄りかかってるの。でも、そのうち辛くなくなったら、一番先に避けるのは浩ちゃんなのよ。それは今から、わかってるの。(知沙)/里伽子に限らず、ある種のコにはタイミングがすべてらしいのだ。そして、そのタイミングの鍵はすべて向こうが握っている。(拓)/「でも、男ってたいてい、そういうワガママで、自信たっぷりなコのほうがいいのよね」(染谷)/「泣けちゃうセリフだ。だけど、みんなの気持ちがわかるって、だれの気持ちもわからないことよ。ただの八方美人なのよ、拓は」(里伽子)/「みんなに悪い顔してもいいから、あたしが悪いときでも、あたしだけの味方になってほしかったとか、すごく我が儘なこと思っちゃうのよ」(里伽子)/「ああいうテーマを青臭いと笑っちゃいけないよ。生きられるうちは生きようってのは、いい話だよ。」(水沼)/「気が乗ったときにつきあわせて、気が向かないときはアッチいっててってわけだろう?まるっきし犬扱いじゃないかよ。おまえ怒れ、もっと。プライドの問題だ」(水沼)/ぼくはそのとき初めて、はっきりと、大沢さんのいったことを理解した。そうだ、津村知沙は痛々しいのだ。痛々しいから優しくしてあげたかったのだ。そうとしかいえない気持ちが、ぼくを包んでいた。(拓)

  • 「海がきこえる」の続編。

    きっちり続きでした。

    続編で、登場人物たちの歩んでいく道をチラッと教えてくれた。みたいな。

    面白かったけど、やっぱり最初の危うい感じが好きやなぁ。

    ハッピーエンドと言えば、ハッピーエンド。

    でも、いつまでも子どもではいられないのさ、のような感じが、淋しくもある。

    もう、爽やかだぞーーー!!! とは叫ばない(笑。

  • 高知などを舞台とした作品です。

  • 「海がきこえる」の続編。
    厄介な人物として描かれていた理香子、あまり主体性のない存在として描かれていた僕のことが、より分かるような内容になっていた。
    景色を思い浮かべ、それをつないでストーリーをつくりあげたという著者の言うとおり、文章を読んでいてさまざまなイメージの思い浮かぶような本だった。

  • やっぱり2あってこその「海がきこえる」だと思う。

  • (2008.09.04読了)(拝借)
    (「BOOK」データベースより)
    大学1年の夏、杜崎拓は故郷高知に帰省した。親友・松野と里伽子のわだかまりも解け、気分よく東京に戻った拓の部屋に、年上の女性、津村知沙が入り込み泥酔し寝ていた。「その年上の女、たたるぞ」という松野の言葉が拓の脳裏に甦る。不倫の恋に傷ついた知沙。離婚した父とその再婚相手との間で傷つく里伽子。どうしたら人は人を守れるのだろう?さまざまな思いと痛みが交錯しながら拓は東京ではじめての冬を迎える―。

    ☆氷室冴子さんの本(既読)
    「冴子の東京物語」氷室冴子著、集英社文庫、1990.10.25
    「ターン」氷室冴子著、集英社、1991.11.25
    「海がきこえる」氷室冴子著、徳間書店、1993.02.28

  • 恋愛中の人にオススメ。

  • 登場人物のヒロインに恋をしまくりだった。

  • 2008.3.1読了

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著者プロフィール

氷室冴子(ひむろ・さえこ)
1957年、北海道岩見沢市生まれ。 1977年、「さようならアルルカン」で第10回小説ジュニア青春小説新人賞佳作を受賞し、デビュー。集英社コバルト文庫で人気を博した『クララ白書』『ざ・ちぇんじ!』『なんて素敵にジャパネスク』『銀の海 金の大地』シリーズや、『レディ・アンをさがして』『いもうと物語』、1993年にスタジオジブリによってアニメ化された『海がきこえる』など多数の小説作品がある。ほか、エッセイに『冴子の東京物語』『冴子の母娘草』『ホンの幸せ』など。 2008年、逝去。

「2021年 『新版 いっぱしの女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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