白鳥異伝

著者 :
  • 徳間書店
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レビュー : 425
  • Amazon.co.jp ・本 (598ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198605407

作品紹介・あらすじ

遠子と小倶那は双子のように育った。都に出る日、小倶那は誓った…必ず遠子のもとに帰ると。けれども小倶那は「大蛇の剣」の主として帰り、遠子の郷をその剣で焼き滅ぼしてしまった…。「小倶那はタケルじゃ、忌むべき者じゃ」大巫女の託宣を胸に、何者にも死をもたらすという伝説の勾玉の首飾りを求めて旅立つ遠子。だが、ついに再び会う日が来たとき、遠子の目に映った小倶那の姿は…?神代から伝えられた「力」をめぐって、「輝」の未裔、「闇」の未裔の人々の選択を描く、ヤマトタケル伝説を下敷きにした壮大なファンタジー。10代から。

感想・レビュー・書評

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  • 約10年ぶりに再読。
    勾玉シリーズで一番好きだったのが、本書。
    久しぶりに読んでもやっぱりよくて、久々に寝るのを惜しんで読みました。
    運命に翻弄されつつ、ひたむきに生きようとする人々が織り成す物語。
    壮大な和風ファンタジーです。

    勾玉を集める旅はまるでRPGゲームのようで、そのファンタジー色の強い世界観に魅せられます。
    加えて人物が誰も魅力的。読んでいて何度か泣かされました。
    人は様々な一面を持っている生きものだと思いますが、それらが丁寧に書かれているからこそ読んでいて身近にも、愛おしくも感じるんでしょうね。
    弱い一面と強い一面、好ましい一面と好ましくない一面。
    思わずハッとさせられる場面がいくつあったことか。

    以前読んだ時はただただ、そのファンタジーの魅力や人物描写に惹かれたけれど、改めて読んでみるとテーマの1つに「愛情の形」があることに気づきます。
    本書には本当に様々な愛情の形で溢れていて、どれが良くてどれが悪いというものではないけれど、考えさせられるものがありました。
    相手を想うこと、向き合うこと、一緒に生きることの大切さに触れられます。

  • 勾玉三部作二作目♡
    主人公は小碓命(小倶那)と遠子(橘の巫女の血筋を引く)
    ヤマトタケルの伝説をモチーフにしたお話し
    大碓命と明姫のカップルもせつないけど美しいカップル♡♡
    一番好きなのは伊津母の菅流♡(笑)
    荻原規子さんが参考にした「少子部スガル(少子部蜾蠃(ちいさこべのすがる))」のお話しが載っている『日本霊異記』も読みたくなった♪

    〈覚書〉
    「日本書紀」第12代天皇(在位:景行天皇元年7月11日 - 同60年11月7日)。日本武尊(やまとたけるのみこと)の父。『日本書紀』には自ら九州に遠征して熊襲・土蜘蛛を征伐し、東国には日本武尊を遣わして蝦夷を征討させたと伝わる。

  • ヤマトタケル伝説を下敷きにした、勾玉シリーズ第2作。

    幼い頃から双子のように育った遠子と小倶那。
    しかし運命は彼らを、命をねらい・ねらわれる相手へと変えてしまいます。
    彼らの故郷を滅ぼした強大な力から小倶那を解き放つため、遠子は伝説の勾玉を探しに旅出ちます…

    大和の時代のプレイボーイ・菅流がいい味出しています。
    ともすると遠子と小倶那の背負うものの重みで苦しくなりそうなのですが、軽やかな風のような菅流のおかげで笑いと明るさが差し込むのです。
    特に、菅流と彼の友人たちの会話が大好きです。
    楽天的で、どんなことでも笑い飛ばせそうな陽気さは、人生における最強の武器の1つかも。

  • 荻原規子の勾玉3部作のうち、「空色勾玉」に続くふたつめの物語。個人的には、一番好き。物語的にも一番長い笑 日本の神話を下地に敷いたファンタジーで、今回はヤマトタケルを題材にしています(前作は神々に焦点を当てていて、アマテラスとかツクヨミとかイザナギとかイザナミとかが出てくる)。

    あらすじは、一言で言うのはちょっと難しい。三野の少女・遠子と、双子のように育った拾い子・小倶那の物語。小倶那は皇子の影武者となり都に上るも、皇子の謀反なり出生の秘密なんなりで、「大蛇の剣」という強大な力を暴走させてしまい、故郷である三野を焼き払ってしまう。生き残った遠子は、故郷を滅ぼし、他の国々も滅ぼし続ける小倶那を殺すため、「大蛇の剣」を鎮める勾玉、「玉の御統」を探し求める……、という内容。

    ぶっちゃけて言うと、ラブストーリーです。ラブストーリーですが、ファンタジーです。しかも一筋縄ではいかない骨太のファンタジーです。設定やストーリーが作りこまれていて、児童文学としてあがることの多いタイトルですが、大人が読んでも十分楽しい。というより、一途な遠子ちゃんがすごく良いキャラクターで、大人こそ深く楽しめる。「小倶那を殺す」という物騒な想いに対しても一途だし、双子のように育った小倶那への恋慕も一途。

    ラブストーリーという点で、若干少女マンガ風な香りが漂ってくるのが、男性読者にはノットフォーミー臭を抱かせやすいですが、ぜひ一読して欲しい作品。より深く楽しむのであれば、設定的なつながりのある前作「空色勾玉」も必読です。

    一時期はこの勾玉3部作シリーズが好きすぎて、新作は出ねーのか、3部作で本当に完結なのかと悶え苦しんだ次第。

  • 遠子と小倶那は双子のように育った。都に出る日、小倶那は誓った…必ず遠子のもとに帰ると。けれども小倶那は「大蛇の剣」の主として帰り、遠子の郷をその剣で焼き滅ぼしてしまった…。「小倶那はタケルじゃ、忌むべき者じゃ」大巫女の託宣を胸に、何者にも死をもたらすという伝説の勾玉の首飾りを求めて旅立つ遠子。だが、ついに再び会う日が来たとき、遠子の目に映った小倶那の姿は…?神代から伝えられた「力」をめぐって、「輝」の未裔、「闇」の未裔の人々の選択を描く、ヤマトタケル伝説を下敷きにした壮大なファンタジー。10代から。
    「BOOK」データベース より

    意思の力が何物にも代えがたいこと、大切だと思っていたことに対する執着を捨てることで得られるものがあるということ、を教えてくれる一冊.

  • 2012年12月6日再読。

    うんうん、おもしろかった。長さを感じさせない力のあるお話ですな。

    今改めて読むと RDGにつながる要素がいっぱいで
    なんかちょっとこう大きな流れというか、根底にあるものは同じなんだなと感じた次第です。
    すべてをひっくるめてそのままを受け入れて、生きていこうっていう。
    そして母の愛というのも大きなものです。

    個人的には、オグナよりスガルですが、遠子オグナはほんとによいと思う。

  • 三部作の中で一番好きです!
    13歳で読んだ当時、あまりの壮大さと魅力を秘めたストーリーに、読後1ヵ月は放心してました( ̄▽ ̄;)

    小倶那を追う遠子の意思、遠子を思う小倶那の心、そして旅の情景の細かでありありとした描写、今読み返しても素晴らしいとしか言いようがありません、、

    個人的にM.エンデの『はてしない物語』とこの本を聖書のように思っていますf(^_^

  • 死ぬほど面白い。
    と思いながら読みました。
    体ごと物語の世界にぐわーっとひきずりこまれる感じ。途中何度も泣きそうになり、ハラハラドキドキしながら読めました。この作者、ストーリーもさることながら、ホントにキャラクターがうまい。脇役一人一人さえ魅力的。
    新書版は表紙イラストなんですね。イラストあるとイメージ固定されちゃうし、なくても充分鮮やかにイメージ浮かぶので、このハードカバーのほうがオススメかも。
    日本全国飛び回るけど、地名でどのあたりかすぐにわからない時があるので(ひむか→宮崎?大分?とか)地図があったらいいのになあ。
    それにしてもこれだけ面白い作品がまだまだ世の中にあるなら、長生きしたいもんだなあ。

  • 勾玉三部作の二作目。
    三作のなかでダントツによい。

    少年少女の成長を古代を舞台に幻想的に描いた。
    特に透子の成長の描写が秀逸。少女が女性になる、この抗えない性。
    そこに明姫の存在が活きている。
    だから、ただオンナになるだけではいられない透子は幸せになる道を模索する。でも手放すしかない。
    深い。

    小具那のほうも、きちんと描写されていて、だからこそ船の再開のシーンは素晴らしい。

  • 星3

     まとめて借りていたので、続けて読みました。前回よりは、大分ましでしたが・・・。やっぱり、今一です。

     遠子は、初め、狭也よりましかと思いましたが、やっぱり同じです。前向きだったけど、全然学習しない。これは、本当に狭也と同じですね。これは、たぶん著者における“女の子”像によるものなのでしょうか。ある意味、古いと言うか保守的です。助けてくれるのを待つばかり。自分から動いても、結局、受身。受身で家庭に入るための女の子。内容が多少ヒロイックファンタジー形式をとっているのに、全然女の子がだめで、がっかりです。私なんかは、いらいらしちゃいます。

     初めの二人、大碓皇子と明姫の魅力的なところは本当に無駄で、もったいないです。菅流も、いい奴なのですが。もう一つ欲しいです。もったいない。唯一、痛いなぁと思える程には書き上げることが出来た小倶那が救いでしょうか。それでも、もう少し、最後の葛藤の心情をしっかり書いて盛り上げてほしかったです。

     この著者の場合、盛り上げ方とか、登場人物の配置が弱いと思います。肝心なところで、肝心な人物を生かしきれていない感じがします。終わりは前回と同様で、本当に終わりだけやたらとハッピーエンドで、ちょっとこれも、と私は思いました。いいも悪いも、他の方が言っていた様に、私も、この方の作品(少なくとも読んだ2作共に)あまりにもお子様的だと思います。幼いものしか書かれない力量なのでしょうか、それとも昔の方の考え方なのでしょうか。いろいろ匂わせたりしている割には、結局、本当に幼い。

     この感想は、もしかすると私がもう大人になってしまったから、子供のときに読んでいたら違うかもしれないなども、ありだと思っています。でも、多分、いいものは大人になってもいいんじゃないかとも思っています。チャンネルが合えば。多分、私が一番こだわっているのは、主人公の女の子の保守的・自立性のなさ、描写の浅さ、盛り上げ方の弱さ(本は、ある意味エンターテイメントですから、歴史を眺めて断絶されて時間だけそえばいいというものでもないと思います)、そして匂わすのに書ききれないお子様的な部分だと思います。だから、今ひとつなんだと。題材は、やっぱり日本人だから、いい物を使っていると思うんです。でも、それだけになっているのでは。

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著者プロフィール

荻原規子(おぎわら のりこ)
1959年生まれの作家。早稲田大学卒。『空色勾玉』でデビュー以来、ファンタジー作家として活躍。『空色勾玉』『白鳥異伝』『薄紅天女』は勾玉三部作、勾玉シリーズとして代表作となる。
その他代表作に、『西の善き魔女』『RDG』シリーズなど。2006年、『風神秘抄』で小学館児童出版文化賞、産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞などを受賞。


「2017年 『RDG レッドデータガール 氷の靴 ガラスの靴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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