- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198606190
作品紹介・あらすじ
「保守の論理」の真髄を衝く画期的「知のテキスト」。デカルト、ルソー、ヘーゲルは、自由社会の破壊者だった-近代哲学常識の狂信を今こそ糺す。
感想・レビュー・書評
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最初に読んだ中川教授の本。学校教育と学生時代に小室直樹氏の本を読み漁っていたお蔭で、初読時はよく理解できなかったのを覚えている。再読してその凄さに驚き、以来熱心な読者となった。
学校教育で「いいものなんだ」と教えられ、疑うこともしなかった「人権」、「平等」、「民主」が実はそんなものではなく、「動物の生存権並みの、低級な権利:人権」、「皆を最底辺に揃える:平等」、「政治に無知、無能、無関心、無責任が99%を占める民衆こそ主人という思想:民主」という内容に衝撃を受けた。左翼思想が学校教育の隅々まで行き渡っていることが良く解った。
以来、そんなものは嘘っぱちだぞ、とことあるごとに家族や知り合いに触れてまわったが「何を言ってるんだ?こいつ」、「そんなのに何の興味も関心もない」という反応ばかりだったことを思い出す。そう。彼らはこの本の凄さを証明してくれたのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
目次
第1部 総論 真正自由主義離脱の代償(近代がうんだ「反・近代」―全体主義の源流フランス革命;「進歩」という狂信;真正自由主義―伝統主義、保守主義)
第2部 各論 隷従の政治か、自由の政治か(「平等教」の教祖ルソー―全体主義と大量殺戮の起源;フランス革命―人類の「負の遺産」;「大衆」―全体主義の母胎;「人権」という狂信―全体主義への媚薬;迷信の「国民主権」、反・人民の「人民主権」 ほか) -
中川八洋による代表的な著書。ルソーによる思想を下地にしたフランス革命、レーニンによるマルクス思想を下地にしたロシア革命を比較するところから出発し二つの革命に共通するものは何か、一般的に学識が高いとされるデカルトやヘーゲルやフロイトの哲学の本質とは本質的には何なのか、現代社会にどのような影響を与えているのかを具体的に論証する。
以上のデカルトやヘーゲルに始まり、フランス革命や思想哲学に共通するのは人間をロボット化し隷従する悪魔の思想である。これらの悪魔の思想に対するのが(高い次元での)自由を求め、継承してきた伝統正義を重んじる保守思想。
この正統の哲学と異端の思想を対極させ、今までの日本教育制度では絶対に習わない異端の思想の背景と本質を説く。
日本の思想教育の中で謀殺される保守思想の真髄を説き、異端の思想を受け入れた現代日本人が如何なる状態に陥っているのか・・政治思想を学ぶ上で最高の一書。 -
発刊されてから干支が一回りしましたが、政局が混迷し、人心が紊乱するとき、僕は改めてこの本を繙きます。僕はラインマーカーや付箋だらけにしたものと、保存版の二冊を持っています。中川先生は「学者にしては侠気がありすぎ、侠客にしては学がありすぎる」天才だと信じてやみません。保守とは、今を生きる我々だけの国づくりをしていてはいけないということが分かります。但し、難解です。二度三度読み返すうちに、腹の底にぴったりと嵌まってくる珠玉のテーゼが、生き方や行動までを変えてくれることでしょう。だからこそ平易に読み下せてはいけないのかもしれません。☆はそのパラドックスです。本当は5ツ星です。
(東京都在住 40代 男性) -
これを読めば人権、平等、民主の思想の目指そうとする狂気の世界がわかる。