紙婚式

  • 徳間書店 (1998年10月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784198609207

みんなの感想まとめ

若く子供のいない夫婦たちの短編集で、登場する男女の物語はどこか歪んでおり、リアリティを感じさせます。各話は、既視感を覚える日常の中に潜む複雑な感情や人間関係を描写し、結末が曖昧であるために読者にモヤモ...

感想・レビュー・書評

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  • 様々なタイプの夫婦の内面をグイグイ抉ったような8編の短編集。
    読んでいて夫婦関係の難しさにとても息苦しくなった。
    高嶺の花に土下座して結婚してもらった彼。
    政略結婚で結婚してしまった彼女。
    誰もが羨む仲良し夫婦。
    自分勝手な夫に従順な彼女。
    妻の母親が何かと出入りするマスオさん。
    口数の少ないバツイチカップル。
    夫の両親と二世帯住宅している彼女。
    互いに束縛し合わないと決めて10年続いた夫婦。

    夫婦と言っても所詮は他人。血の繋がりもなければ育った環境も異なるし、モノの好みも考え方も人それぞれ。たった一枚の紙切れで繋がった関係だ。
    関係を続けていくことの難しさ。断ち切ってしまえれば楽なんだろうけど、簡単に切ることができない厄介さ。
    そんな夫婦関係の不思議さ可笑しさを冷静に見つめる山本さんにニヤリとなる。この短編集のタイトル『紙婚』式に、夫婦を繋ぎ止める”一枚の紙切れ”の重さを思い知った。
    たかが紙切れ、されど紙切れ。

  • 若く子供のいない夫婦達の短編集。

    どれもどこか歪んだ男女の話。
    でも何となく既視感のあるような、実はどこにでもあるのかもと思わされる話でした。
    どの話も最終的に結末は濁されているので、少しモヤモヤが残ります。が仕方ないのかも。

    嫁の親とと同じマンションに住む夫を描く『ますお』が怖い。

    銀婚式を越えた自分に置き換えると、夫婦はもう愛だの恋だのではなく情が全てなのですが、一生添いとげるものだと思っているので、もしも夫の心に闇があったら嫌だなと考えてしまいました。
    多分ないとは思うけど、大丈夫ですよね^^;

  • 2017.7.8 40
    初山本文緒。えぐいけど面白い。どんどん読んでしまった。

  • 結婚した夫婦、または結婚を考えている男女の8つの短編集。精神的なホラーかな??と思われる短編もあり(笑)どの短編も夫婦って一番近い間柄でありながら本当のところはわからないという感想を抱く。周りから羨ましがられる夫婦は実は無理していた話とか誰からもよくできた奥さんと言われる妻の別の顔の話とか幸せな結婚をしていたと思っていたけど実は夫は別れたがっていた話とか結婚に夢を抱けなくなる話が多いので結婚前の人にはオススメできない。「パツイチ」だけは明るいラストでほのぼのした。はっきりした結末が描いてなくてモヤモヤ。

  • みんなそれぞれ抱えている荷物比べみたいな短編集。
    バツイチの先が知りたい。
    紙婚式はタイトルなのに、あっけない内容。

    でも、現実はどうなんだろう。
    何の苦労も倦怠も不満も悩みもない人って、本当にいないのかな。
    どっかにはいるよね。
    そんな人、ただのバカかな。

    人生、終わってみるとなんだかんだ言っても帳尻が合うようにできてるってよく言うけど、そうでもない気がするんだよなー。

  • むかーし読んだが、そのときは結婚なんて無縁だったので、結婚して改めて読んでみた。
    うーん、当時は何も感じなかったみたい(内容をまったく覚えていなかったから)だが、これは。。。いつおきてもおかしくない話の連続だわ。
    自分の結婚は良かったのか、幸せな結婚って何なのか考えさせられた。

  • 再読
    短編集

  • 短篇 読みやすい
    主人公に うん うん

  • 結婚生活の脆さを描いた8編からなる短篇集。
    そこに愛はあるはずなのに、もしくはあったはずなのに、いつからか二人の間には怪しげなブラックホールが口を開けて待っていた…。そのことに気付いてしまった瞬間の衝撃や、のちの切なさが淡々とした語り口で描かれている。
    中から一つ選ぶとすれば「秋茄子」だ。バイタリティに溢れ、妻の仕事を理解し、家事を押し付けることのない夫と結婚。二世帯住宅で夫の両親と同居するも、煩わしい干渉も一切なく、恵まれた結婚生活に感謝する光子だが、次第にある疑問がムクムクと膨らんできた…。予想を裏切るやさしいラストが印象的。

  • 暗かった…社会の闇!人間の病み!

  • 山本文緒2冊目。

    タイトルの「紙婚式」とは最初の結婚記念日を迎えた夫婦の事。
    (勿論、調べましたが何か?←笑)

    赤の他人同士が何かの縁で家庭を築く。

    一見、幸せそうに見える夫婦でも
    継続していく難しさを凄くリアルに書いてて


    怖い。



    ホラー並みにゾッとする。


    読み終わって、何てことないアタシの日常が
    とてつもなく、有り難い事なんだなと思ってはみたものの
    5分後には、やたらと絡んでくる旦那に

    「うぜーーーーーーよッ!!」


    と蹴飛ばすアタシ。


    それもきっと、幸せな日常。

  • 「結婚」をテーマにした8編からなる短編集。
    妻の陰湿さに辟易する夫を描く『土下座』、「お嬢様」がそのまま結婚して奥様になった滑稽さと悲しみ『子宝』
    二世帯住宅に移り住んだがあまりに干渉しない義父母に戸惑う嫁『秋茄子』、
    結婚10年目籍も入れず互いの自由を大切にと生活してきた二人のゆくえ・表題作『紙婚式』など。
    どの短編にも結婚生活に対する妻と夫の漠然とした不安とか焦りがとてもリアル描かれていて
    すごく感情移入ができた。
    言葉で話そうとしてもきっと上手く伝わらないと思えるような
    自分自身でもなんとも表現しがたい不満がむくむくと膨れ上がってある日爆発する。
    こういうことってどんな夫婦にも持ち合わせているよね、ただ程度がちがうだけで。
    また夫婦の片方がとても幸せに感じている部分が実は
    配偶者には一番イヤなことだったりするということだってあるかもしれない。
    元々は赤の他人だからある程度の妥協をもって生活しなけりゃいけないけれど価値観はそれぞれ違い
    始めはわづかだったズレが大きな歪みへと形を変えてゆく。
    それでも寄り添って生きて行きたい存在。
    夫婦ってなんだろう?って大いに考えさせられる。
    久々に短編集でのめりこんだ気がする。どれもオススメ!

  • 図書館で借りました。ぱらぱらと頁をめくると、結婚して数年たった夫婦の短編集だと思い、紙婚式ってそうだったかなあと思いつつ借りました。
    家に戻ってから調べてみると、紙婚式は結婚1周年を指すようです・・・表題の『紙婚式』はこの本の最後のタイトルでした(爆)

    ちなみに私は3年経ちましたので、『革婚式、糖果婚式』になります、ってどうでもいい。

    さて、今回、一番すっきり(?)した話は『秋茄子』です。
    この話にいたるまでの、『土下座』『子宝』『おしどり』・・・とすっきりしない、というより、これまで他人だった人が、結婚して一緒に住むことの難しさ、慣れのとても暗い部分をむき出しにされるような
    話が続いていました。『秋茄子』も、決して美しい話ではありませんが、他人だから、これまで見えない部分があって、そういった「他人」の部分とどう向き合っていくかを考えさせられる話でした。
    私だったら果たして、主人公のように義理の両親と向き合うだろうか(義理の両親は嫌いじゃないけど苦手なのです^^;;;)
    結婚するまではそれなりにみんなドラマがあると思うのですが、その先にあるのは日々の生活です。今までの生活にあぐらをかくのは良くない、と小説で少し(少しだけですが)反省するのです。
    お話としては面白いのだろうと思いますが、私はちょっと苦手です。

  • 2005.4.28. 2回目。この人の短編はスルリと読めるのに、後味が悪い。好きな人に抱きしめてもらいたくなる。切ない。人恋しい。「秋茄子」強い男の人の弱さにほろり。もう少し、ほり下げて欲しい。

  • ゴキブリ入りのコーンスープの描写にはどきりとした。
    山本文緒の描く女性は、
    すべての女性が心の奥に持っている一面でもあるように思えて、
    主人公の気持ちが分からなくもない。

  • 「紙婚式」という言葉を初めて知った。
    恋愛にはいつか終わりが来るし、結婚したら男と女の関係でいることが難しくなる。
    山本文緒の小説に出てくる女性はどちらかというと恋愛体質の人が多いから、自分には
    ない世界が見れて好きです。

  • 結婚についての短編集

    うまくいっているように見える夫婦にも
    実は裏があった
    とか
    ちぐはぐな夫婦で愛がないように見えても
    あることで愛されてることに実感したりと

    一筋縄ではいかない
    一風変わった結婚生活ストーリー

    よくある言葉に
    「結婚がゴールじゃない」というけれど
    そのとおりなのですね。

    どうしても
    結婚というと
    明るい未来が待ってるだとか
    大好きな人とずっと一緒にいられるとか
    幸せ満載なことを考えるけれど
    実は結婚してからの方が悩み事が多く増える気がする

    といいつつ
    そんな現実的なことを考えるよりも
    私の将来は絶対に素晴らしいと思っているので
    あまり気にしません

    それ以上に
    結婚をまだ考えられません

  • 2007/10/23<br><br>
    恋愛小説はあんまり好きじゃないけれど、ミステリとかサスペンスばかり読んでて疲れたときに時々読む。で、もって自分がちょうど紙婚式だったものでなんとなく手にとってみた本。<br><br>
    いびつな夫婦を描いた短編集でした。い、いびつすぎるんですけど…。よくまあこんな設定思い浮かぶなあ。ありそうななさそうな。ほぼ全編ブラックな終わり方。ブラックさにくすりと笑えるわけでもなくそれほど共感できるでもなくなんか呆れて「ふーん、それで?」とか思ってしまった。<br><br>
    読み終わった次の日、電車の中で隣の
    サラリーマンがこれ読んでた。よりによってこれかよ!結婚指輪してなかったみたいだけど。感想聞いてみたい。

  • 秋茄子・紙婚式…
    なんとなく我が家にも似たようなコトがあるようなないような…

  • 【一緒にいるのにさびしい。
    幸せなのにかなしい。
    満ち足りてるのにやるせない・・・。
    透明な孤独感を奏でる8つの二重奏】

    いろんな夫婦の短編集です。
    どれも面白かったです。
    私的には『おしどり』と『秋茄子』が好きかな。ちょっと皮肉な感じがすごくよかった。

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著者プロフィール

1987年に『プレミアム・プールの日々』で少女小説家としてデビュー。1992年「パイナップルの彼方」を皮切りに一般の小説へと方向性をシフト。1999年『恋愛中毒』で第20回吉川英治文学新人賞受賞。2001年『プラナリア』で第24回直木賞を受賞。

「2023年 『私たちの金曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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