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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784198609955
みんなの感想まとめ
戦争の悲劇と個人の成長を描くこの物語は、第二次大戦末期のドイツを舞台に、17歳の少女レギーネがポーランド人青年ヤンとの禁断の恋を通じて、国家のイデオロギーに疑問を抱き、自らの責任に向き合う様子を描いて...
感想・レビュー・書評
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第二次大戦下末期のドイツ。 <ドイツ少女同盟>で頭に叩き込まれる「ドイツ人は他の全ての民族に優っている」「一つの民族、一つの国家、一人の総統」の国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)を信奉してきた17歳の少女レギ-ネが、下等人種と蔑まれるポーランド人青年ヤンとの忍びあう恋をとおして、命あるものすべてを奪い去る無惨で悲惨な戦争の記憶を負の遺産として引継ぎ、反戦と平和への強いメッセ-ジがこもった、1979年出版のドイツ児童文学。▷2022年の現在、拭い去れない「人間の飽くなき野望」が、戦争を繰返している・・・。
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ナチスの敗戦が近づいているドイツのとある村で、農家の2階に身を潜め、人生がふたたび動きだすときを待っているレギーネ。ポーランド人の青年と愛しあったために、髪を切られ逮捕された17歳の少女は、ふつうなら、無垢で善良な悲劇のヒロインとして描かれるところだろう。だがこの作家は、戦争が始まったころはまだ子どもだった少女に、自分の責任と向き合わせるのだ。
夜中に助けをもとめてきたレギーネを黙って休ませてくれた「おかみさん」、穏やかなフランス人の捕虜モーリスと、労働も食事もともにする働き者のゲルトルート。国がおしつけてくる価値観とは異なる感覚を守り通している3人と暮らすなかで、少女は、両親は目が見えていなかったわけではなく、現実から目を背けて指導者の見せる夢を信じることを選んでいたこと、自分もまた、ヤンとの出会いによって初めて目をみひらかれ、イデオロギーのほころびや、ひそやかな抵抗のサインに気づくようになったことを理解していく。
しかも興味深いことには、民族の「純潔」を負わされる一方で、兵士として死地に赴く少年たちに体をあたえるよう期待されるという、少女たちの心身をひきさく矛盾をするどく指摘していることで、後の名作『ゼバスチアンからの電話』につながるテーマが浮かび上がっている。
残された時間が短いことを予感しながら、「足跡を残す」ことの意味を伝えて、姿を消したヤン。足跡だけを遺して消えた多くの人々に思いを馳せて、足跡をつないでいく責任をつたえる、ささやかで力強い本だ。 -
1944年9月から1945年3月のベルリンの近く。もうすぐ戦争が終わるドイツ。ポーランド人の青年とドイツ人の少女。少女の一人称で語られる物語。少女の心の変化がすごい。
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