- Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198609962
感想・レビュー・書評
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1999/3/31出版
徳間書店の絵本・児童文学2020年8月新刊案内冊子より
休暇に訪れたフランスで、母が入院し、子どもたちだけでホテル暮らしをすることになったイギリス人の私たち。五人の姉弟はそれぞれ、イギリスではあったこともない人々と過ごし、大人の世界の裏側をかいま見、とんでもない事件にまきこまれていく…。作者ゴッデンの体験にもどついて書かれた、ロマンスとミステリーに彩られた初期の傑作。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者ゴッデン自身のミステリアスな体験に基づいて書かれたという。イギリス人の兄弟5人が子どもだけで過ごした南仏のホテルでのひと夏。子どもと大人のはざまで揺れる13歳のわたしの成長の痛みが丁寧に描かれる。読者の脳裏にも「あの夏」の思い出が刻み込まれてしまう、そんな濃密な空気をたたえた作品初めて読んだ時も2回目も全く同じところで涙があふれた。
2005/6/4朝日小学生新聞に高楼方子さんがこの作品について書いていた。握手したくなるほど共感できる感想でうれしくなってしまった。ー2回目
3回目、夏になると読みたくなる作品なのに好き過ぎて読むのがもったいないという屈折した思いにとらわれて前回から13年も経ってしまった。あめ玉を転がすようにじっくりあじわいながら読んだ。星5つじゃ足りない。子どもの本の枠にだけ入れておくのは余りにもったいない、どうか皆さん読んでみて!フランス語のルビに間違い発見、大したことではないけれど。 -
恋愛あり、推理小説のようでもあり、描写の美しさが、心地よい。
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ルーマー・ゴッデンさんの作品ゆえ。少し時間の流れが分かりにくい。回想してるのか、現実なのか。
ネズミ女房が好きだったから、ちょっと違う印象。でも、良かった。 -
すももの時代
ヤングアダルト向けの書籍として、図書館ではそうしたコーナーに置いてあった。
しかし本書は、彼等若者だけに読ませておくにはもったいない。
甘酸っぱく、ヒリヒリとした痛みを伴う大人になる夏。
すでに大人になってしまったとしても、「すもも」を見るたびに思い出すだろう。
その経験が自分の根幹にあるはずだから。
母が病気で入院して、子供たちだけで過ごす夏。
ほのかな恋をしながら、嫉妬に心を占められながら、魅力的な男性に子供達は惹かれていく。
一番上の姉は女性としての美しさを花開かせている。
それはすでに大人になった他の女性の心を狂わせるほどに。
そして、セシル(主人公、語り手)は姉の美しさに羨望の眼差しを向けながら、自信を喪失していく。
そのとき、エリオットは優しく語る。
「君は君みたいにきれいなんだ」、と。
ああ、なんて優しいエリオット!
だが、彼は時に氷のように冷たい。
子供は欠点ばかりで大人になると消えると思っている!だの、なんだの.....。
その裏と表とが激しいせいで余計に子供達はエリオットに惹かれていってしまう。
本当の彼はどちら?
おそらく、彼は彼らしく優しかったのだ。
それは最後を読めばわかる。
一方で恐ろしい人間であったとしても。
人間性や情景に重きを置いているため、初めは冗長で、展開の早い物語に慣れてしまっているとやや退屈に感じるかもしれない。
終わり方も余韻をたっぷり取っていて、一度ではわからなかった。
私は読み直して自分なりに解釈をしてみた。
ただ、そうは言っても、古典となりうる普遍性を描いていて、優れた作品であることに異論はない。 -
作者の実体験をもとにした小説。フランスのホテルのオテル・レ・ゾイエで思春期の少女が一夏を過ごした話。実体験があるので、ホテルの庭から内装、臭いに至るまでの描写が実に細かい。
内容はまぁまぁ。ジュブナイルがあまり得意ではないので。 -
児童書に仕分けたけど、大人も十分楽しめるよね。物語が大きく動くまでがちょっと長いなあって思った。ただフランスの田舎の景色や匂いが感じられてドラマチックだった。
子どもが大人の階段を上るって後にならないとわからないけど、確実にあるんだなあ。
実は何回か挫折した本でした。もう一回読んでみたい。 -
さよなら少女の季節。