小さなソフィーとのっぽのパタパタ

  • 徳間書店 (1999年10月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784198610890

みんなの感想まとめ

幻想的な冒険を描いたこの物語は、病気でベッドにいる少女ソフィーが人形劇の世界に飛び込み、人生の意味を探求する姿を描いています。彼女が出会うキャラクターたちは、自由な意見を尊重し合いながらも、時には風刺...

感想・レビュー・書評

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  • 興奮してしまうほど凄く好きな本でした。
    ラストが悲しく美しく、こ、これが子どもの本なの?と驚くばかり。
    私が東欧の人形劇に美しいイメージを持っているせいか、小さなソフィーが人形劇の中に入っていってしまうというのが、ワクワクするというよりは、怖くて美しく感じたのです。

    ファンタジーなのにどうしてかしら、第八森や、どんぐり喰いからも感じるのと同じ何か一貫したものがありました。お金を手にした者と、貧しくも賢い者との対比とか、そういう部分が描かれるからでしょうか。

    ペルフロムは、どんぐり喰いのようなリアリズムの物語でも、この本のようなファンタジーであっても、自分が見たり聞いたりしたことをできるだけ忠実に語るということを彼女の方法論としているということを、翻訳者の江坂さんのお話し会で伺いました。
    ファンタジーですが、正に文学性を感じる作品でした。

    画家のテー・チョン・キンさんは、オランダでは、金の絵筆賞を何度も受賞するようなとても人気のある画家ということ。
    勉強不足でちっとも知らなかったのですが、この本の挿絵は本当に素敵でした。
    原書はどんな装丁だったのか、見てみたいものです。

    あとがきにもありますが、この本は、テー・チョン・キンさんが、ペルフロムさんの物語にそえて、絵をたくさん描いてみたい。と仰ったところから始まったらしく、まるで絵本のように挿絵が導いているんですよね。ほんとに綺麗な本です。

    だのに…なぜ?なぜ絶版なのか。。

    同時にペルフロムさんの作品、もっともっと読んでみたい。

  • 原題 Kleine Sofieen Lange Wapper
    by Els Pelgrom
    illustrated by The Tjong-King. 1984
    野坂悦子 訳 1999

    1985年オランダの児童文学の「金の石筆賞」「金の絵筆賞」受賞

    ソフィーという病気かの女の子が真夜中に動きだしおもちゃのお芝居に出ることになり、猫のテロール、人形のパタパタ、ぬいぐるみのクマたちといっしょに「人生で何が手に入るか」を見つけに行く物語。

    人形使いのところにいたアナベラが出てくるところなどは、ちょっと大人の話でドキドキするが、彼女の活躍は見逃せない

    アリスのように、荒唐無稽な話が進んでいく中に、世の中の貧しさ、食べること(食べるものを得ること)の難しさなど、世の中の厳しさも描かれている。なんとも不思議な読後感。

    すべては舞台で起こっていることで、ソフィーは亡くなってしまうのだが、また新たな旅に出たこととなっていて、物語が続くのだと感じさせる。

    絵と共に物語を書いていったとの著者のあとがきにあるように、絵はとても魅力的。

  • 病気のためずっとベッドで寝ているソフィーの部屋で夜中に人形たちがお芝居を始め出した。猫のテロールが「人生でなにが手に入るか」を扱った劇の役者を呼びかけた時、ソフィーは「わたしもそのお芝居に出るわ!」と叫び、お気に入りの人形のっぽのパタパタとともに奇妙な世界へと旅立つのだった。
    風刺に溢れたようにも見える不思議な世界で少女が冒険するとなると、やはりアリスを思い浮かべるのですが思いも寄らない結果が待っていて驚かされました。病気の少女の魂が解き放たれるということなのでしょうか。ベッドに寝てばかりのソフィーが見たいと願った人生とはなにかということ。それは明確に表わされず、ソフィーは新たな冒険へと旅立ちます。テー・チョン・キンの挿絵によって奇妙であり楽しい冒険が彩られます。
    海外の児童書を読むと個々の登場人物が好き勝手しているように見えます。それは個人個人の意見を尊重し仲間であれど嫌なものは嫌、違うことは違うとハッキリさせる風土によるものでしょうか。ここでも皆が皆好き放題しているように見えつつ仲間であるという関係性が面白かったです。

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著者プロフィール

1959年、東京都生まれ。5年間ヨーロッパで暮らした後、20年以上にわたりオランダの子どもの本と文化の紹介に力を注いでいる。『おじいちゃん わすれないよ』(金の星社、産経児童出版文化賞大賞)、『いじわるなないしょオバケ』(文渓堂)、『とくべつないちにち』(講談社)、『ミスターオレンジ』(朔北社)、『100時間の夜』(フレーベル館)をはじめ100点以上の作品を翻訳。創作絵本に『カワと7にんのむすこたち クルドのおはなし』(福音館書店)、『ロロとレレのほしのはな』(小学館)がある。世界各地で紙芝居の共感の魅力も伝えている。

「2017年 『ようこそロイドホテルへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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