ドッグファイト

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198613501

感想・レビュー・書評

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  • ★その名前を未来といいます。(p.315)
    /征服された惑星を取り戻さなアカンと、敵の兵器に対して通用すんが犬だけなんで、その「クラン」を中心に「犬飼い」ユスと、クルスやキューズたち「パルチザン」が反攻を開始する。
    /異世界ピジョンをもっと感じられるよう描写その他をもっとやってほしかった。スケールの大きな自然のはずなんやけど舞台で劇をやっているくらいのサイズ感に思えました。
    /犬飼いで「メタルマックス」というゲームを思い出しました。犬がけなげ。

    ■てきとーなメモ

    【アフタースケール】超能力者という認識でよいかと。
    【犬飼い】犬の集団「クラン」を率いる。ブリーダーではなく犬たちともっと家族的なつながりを持ち、その中心となる。一人を好み荒野をさすらう。クルス《おまえがひとりで生きていくことしか考えていないからだ。》p.30。《死ぬのなら美しくはなくとも平原で死ねることは嬉しい。》p.317。犬は「ディスタイザー」の持つサイキックの目では認識できないので戦場に駆り出された。本来戦闘とは無関係で生きていくことも可能だったろう。
    【移民】開拓者ではなくただ移住してきた移植者。ピジョンの場合だと「サード」がこれに当たる。
    【ウルリケ・ルッツ】統合軍のサイプランター。十二歳。北欧的美少女。不安定。ヨハネスにハンドルされているもよう。
    【開拓】移民ではなく惑星をテラフォーミングするための移植者。
    【ガンギルド】武器製造業者。統合軍との戦闘にはかかわりを持ちたくないが隠れ家を提供してくれた恩に報いるために少しだけパルチザンに手を貸した。《連中にとってはなにもかもビジネスなんだよ。》p.244
    【キューズ】ユスの友人。あるいは恋人候補かもしれない。メカニック。父はレンジャーのイント、母は引きこもりがちのアテネア。
    【クラン】犬飼いが率いる犬の集団。狩猟目的。全体でひとつの生きものと言えるような存在。ユスのクランの犬は、ヨルダシュ(礎の犬)、スターバック(現ボス)、コルと(次のボスを狙う)、ベスピエ(老犬だが賢い)、アデレイド(女傑)、フィッシャーキング(気弱)、ミスティアイ(ベスピエとの間にサクラとサナエをもうける)、ハーラン、ドリブル(元気)、ブラジル、エアリアル、ワグナー、ヴィーシィークシー、ギャロウェイなどがいた。
    【クルス・ファンド】ユスの友人。ファンド家の末っ子。金持ち。史上最年少で「倫理チェック」をパスし、後は政治家を目指していたと思われるが統合軍侵攻により「パルチザン」を組織し戦う。
    【コンラート】若いレンジャー。クルスに憧れている。
    【サイプランター】おそらく機械による人工的超能力者でしょうか。ディスタイザーを操る。制服はスカイブルー。
    【サンクチュアリ】人類の未来をシミュレーションするAI「オーシャン」を中心にした何からしい。「アフタースケール」と呼ばれる超能力者的な存在を生み出し「シャドウ」と戦っているらしい。
    【ジオ】「サンクチュアリ」の「オーシャン」と同様のAIらしい。地球統合政府が所有している。一度壊れたものを修復したようだ。そのときどうやら悪意を組み込まれたフシがある。ジオが生み出すアフタースケールは「ジオ・アフタースケール」と呼ばれサンクチュアリのアフタースケールよりは今のところかなり性能は落ちる。ジオアフタースケールは概して邪悪。《ジオが走らせているのは、人類の現実的な未来を描くシミュレーションだ。ランダムな遺伝子の混淆という〝サンクチュアリ〟とはまったく違う。その副産物として正確な未来予測も得られる。》p.234
    【ジェイムズ・カーソン】ピジョンを征服している統合軍のトップ。「ジオ・アフタースケール」と呼ばれる、いわば強力な超能力者。
    【司法警察】基本的にはパルチザンの味方。
    【シャドウ】「異星人の幽霊」と言われる存在。それらが出没する外縁星は「憑きもの星」と呼ばれるが《異星人の幽霊では絶対にないね。幽霊は死んだあとに生まれるものだろう? シャドウはその正反対だ。その正体は命を生み出す意思なんだ。》p.325。どうやら人類が一方的に敵視してフシがある。
    【シルバーホーン】ピジョンに生息してた巨大ブタの中でも特に強力だった。現在は(たぶん)おらず伝説となっている。
    【スタンレー・カルテッド】四台のディスタイザーを同時に操れる天才。模擬試合ではジェイムズ・カーソンとも互角。ヨハネスと仲がいい? 肥満体。
    【セカンド】すでに「ファースト」がいることを知らずピジョン開拓のためにやってきた移民「セカンド」。ファーストのせいで思うようにテラフォーミングできなかったので軋轢があり、過去には戦いが起こったこともあるらしい。権益をほぼ独占している。
    【ゼロスケール】超能力者の最高到達点のようだ。
    【サード】三番目のピジョンに入植者の末裔。開拓民でもなくただ移住してきた人たち。保守的。
    【ジュジュ】まだ少年の犬飼い。礎の犬がユスのところのヨルダシュの弟なので「犬兄弟」ということになる。現在のボス犬はフラヴィウス。パルチザンに傘下、戦いで犬を失い不安定になっていく。
    【先生】元エンジニア。人望がある。パルチザンの参謀的存在となる。
    【治安警察】統合軍の傘下に組み込まれてしまった。
    【地球統合政府統合軍】おそらくは「シャドウ」を駆逐するため主戦場の外縁星に向かうための補給基地としてピジョンを占拠した。全戦力は四〇〇万人で軌道上の戦艦におり、ピジョン降下は三万人、シュラクスの街には二〇〇人が動員された。対ピジョンの総司令官はジェイムズ・カーソン。シュラクスの街は実質的にたった三人のサイプランター(機械部品を埋め込まれた人工的な超能力者)と彼らがあやつる「ディスタイザー」と呼ばれる殺人ロボットに蹂躙された。
    【調教】《ユスの持論によれば、調教が必要な犬など存在しない。必要なのは、愛情と理会で、それさえあれば犬は信頼を返してくれる。》p.7
    【超能力者】AIである「オーシャン」と「ジオ」による未来シミュレーションの結果生み出された「アフタースケール」と呼ばれる存在。
    【ディスタイザー】統合軍のサイプランターが操る殺人ロボット。サイキックの目で人間の精神を察知してどこに隠れていようが攻撃することができる人だけに特化した攻撃兵器なので犬が認識できず「犬飼い」が存在するピジョンにおいてはけっこうな弱点となっていた。
    【デズモンド】巨漢の花屋。花の世話をしなければならないのでパルチザンには参加しなかったがサイプランターのロレンゾと関わりができ、後に参加することになる。
    【トリノ・トライアングル】狂気の天才三つ子。「オーシャン」と「ジオ」を製作したと思われる。
    【ネットワーク】《生きるためにネットワークは必要がないということに気づきはじめていたのだ。》p.241
    【バターランバター】犬が運んできたミルクで作られるバター。ユスが発案し、クルスが出資し、キューズとその母のアテネアが運営する。
    【パルチザン】ユスの友人クルス・ファンドが結成し、シュラクスの街に駐留する統合軍に対抗する。主要メンバーとしては同じくユスの友人であるメカニックのキューズ、「先生」、コンラート、ジュジュ、デズモンドなどが参加する。
    【ファースト】エコーという星に開拓民が入ったが「シャドウ」がいたため失敗。代替地を探し「ピジョン」を見つけた。彼らが「ファースト」と呼ばれる大元。「セカンド」とは折り合いが悪い。
    【ピジョン】舞台となる惑星(恒星ピジョン星系ということかも)。平原の多い平らな世界。寒冷。生物多様性指数は二六(地球は七一で下降中)。地球は汚染が進んでおり多くの移民船団を派遣しているようだ。
    【ヤズナ・イダキソ】「シャドウの子」と呼ばれる存在。どうやら日本人の末裔のようだ。
    【ユス・ネイロ・シリウス】「犬飼い」と呼ばれる存在。彼らは精神感応力で犬の集団「クラン」をコントロールする。伝説のシリウス家の血筋でもあるユスはそのせいか特に強力で、後に宇宙空間にまで認識力を広げることができるようになるが、犬飼いとしては若干不安定ぎみになる。いわゆる「ファースト」で惑星ピジョンに最初に入植したものたちの末裔。かつてイルセという遊牧民の娘と恋人関係にあったが犬飼いと遊牧民では結ばれようがないようだ。
    【ヨハネス・ランド・ラウド】統合軍シュラクス方面軍のトップ。サイプランター。ユスを引き入れようとするが失敗する。ディスタイザーを操作していないようだが、どうやらウルリケを常にハンドルしているのでその余裕がないらしい。
    【ライディーン】クルスのペット犬。もともとはユスのクランで生まれたが引き取られた。クランにいた頃の記憶はほとんど残っていない(そうなるようユスが扱った)。
    【ロレンゾ・エルモロ】統合軍のサイプランター。二六歳、身長二三〇センチ。ジブラルタル出身。まだいくらか優しさを保持している。《おれはパルチザンに恨みはもっちゃいない。上司が敵だと言うから敵としているだけだ。それでもさすがに敵なんだから、助けることはできない。それだけのことだ。》p.185。ウルリケに執着している。《辛抱強く、優しく、悪いことも丸飲みする覚悟で、愛をもって接すること。》p.190。デズモンドと交渉を持つ。

  • 犬使いと戦争の話。(意味不明)
    複雑で良く覚えていないが犬がかわいい。
    かわいいけど可哀想でもある。

  • ノルまでが時間かかった。真ん中あたりからは一気読み。でも、こういう、動物が表立って敵と戦う話って、犠牲が出るたんびに辛くなる…。

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著者プロフィール

1971年、和歌山県和歌山市生まれ。龍谷大学文学部卒。『ドッグファイト』で第2回日本SF新人賞を受賞し、2001年、デビュー。その他の著書に『遺産の方舟』『THEビッグオー パラダイム・ノイズ』がある。

「2022年 『アナベル・アノマリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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