世界の宗教と戦争講座: 生き方の原理が異なると、なぜ争いを生むのか

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198613556

作品紹介・あらすじ

ユダヤ・キリスト・イスラム教、仏教・儒教・神道-世界の六代宗教のエッセンスを比較すると、世界の民族・宗教紛争の真の原因が見えてくる。日本人がもっとも苦手な国際社会における常識と非常識。目からウロコの一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 簡潔に世界の主要宗教を整理してくれる。
    日本人にとっての、宗教史を概略して思想史とも言える。読みやすくおすすめ。

  • 世界の宗教について俯瞰的に理解できる良書。いろいろな宗教を比較しながら理解していけるので、個々の入門書よりよっぽど理解が進む。
    仏教について俯瞰的に理解していたいと思っていたが、ようやくいい本に巡り会えた。その他の宗教についても、目から鱗の話ばかりで、非常に面白い。
    特に、日本人を無意識的に縛っている神道について、戦争の是非を論じる前に、この本を読んで理解しておくべきと思った。

  • めっちゃ面白かった。

    ・日本人は話し合えば何でも解決できると思っている
    ・日本人の言霊信仰、水に流すという価値観
    ・仏教なら先祖の霊なぞ認められるはずがないのに、お盆にお坊さんが大活躍
    ・ユダヤ人の歴史
    ・無神論者と日本母親無視党
    ・儒教の弊害 etc…


    日本人はなぜ宗教に関して余りにもちゃらんぽらんなのか不思議だったが、教典が無いのが原因なのかな。
    あと、辺境の島国であることと。

    キリスト教国の人は形而上学的な議論が得意なイメージがある(実際どうかは知らないけど)。
    日本人はそういうのは苦手というか、
    余り興味が無い。
    桜がきれいだとか、月がきれいだとか言ってる方が皆好きだ。
    神学論争とか、かっこいいと思うけど無縁だなぁ。

    南無阿弥陀仏と唱えさえすれば救われる、なんて馬鹿馬鹿し過ぎて呆れていたが、
    プロテスタントも、善行を積んだから救われる、という訳ではなく、神の存在をただ信じるしか出来ないらしいので(救われる人間は予め神が予定していて変更不可)、同じようなもんじゃないかと思った。
    でも、キリスト教では自分が救済されるかは死ぬまで分からないが、浄土宗では偉い阿弥陀如来様が救ってくれるのは確定している。
    気楽なものだ。

    水に流すのが良しとされる国は他には無いらしい。
    日本では素直に謝れば、「意外に良い奴だ」となり、「謝ってくれたんだから、水に流して仲良くやろう」と言えば、「男らしい奴だ」となる。
    韓国や中国にも同じ対応を求めるのは間違いだそうだ。
    同じような見た目だけど、中身は全然違うんだということを理解しないといけない。
    韓国では「一生恨み続ける!」と言う奴が男らしいとされるのかもしれない。

    言霊信仰も、言われてみればその通りだ。
    日本人はだいたい、小さい頃に質の悪い冗談を言うと、大人に「縁起でもないこと言わないの」と叱られたり、「嫌なことを言う子だよ」と疎ましがられたりして育っているはずだ。
    宗教とかではなく、何となくそうなっているとしか言いようがない。
    悪い予測を立てても公表出来ない(非難されるから)とか、今の原発事故に通じるものがあると思った。

    もう一回読みたい。

  • 日本の身近と世界の有名宗教。
    和、神道、儒教、仏教と、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の解説。
    著者のこの趣旨の本の続きを先に読んでしまっていたので、内容が古いな、と思う所もあったりした。が、日本に関する部分は初読だったので、興味深かった。

    日本の宗教観念の解釈について、どうも納得できない点が何点かあるのだが。
    ここでは、言霊の概念。言葉と事実に因果関係はあまりないと、高世代も含めて最近の人は分かっているんじゃないかと思う。が、「縁起でもない」という言葉を日常的に交わすから言霊はまだ残っているんだろうか。(「不謹慎な」は言霊の概念とは別物だと思う。)
    しかし、言葉を聞いた人がそれに影響され行動を変えた結果、事実に影響を与える、という事は考えられる。
    風桶的な話で、しかも身近な大した事ない場合が多いだろうけど。人に対して否定するような言葉を吐くのは、傷つくから影響は与えているだろう。あと、士気に関わるとか。
    ただ、これも外から見てみなければ何が異質(特質)かは分かり辛いのだろう。

    あと、開祖の教えは原液。一般人にはきつい。それを薄めて誰でも述べるようにするプロデューサー的な人物が布教には必要。
    これは、確かに、と思う。

  • ですます調が気色悪い。この人には似合わないよ。
    内容は面白い。

  • とても面白い

  • ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教、神道、儒教についてそれぞれの基本的な考え方、その違いなどを解説。

    なぜ日本人と韓国人はお互いを理解しあうことができないのかなど、自分達が基本としている考え方、常識が相手には常識でないことがよく分かる。

    宗教という視点からみた政治や経済発展というもの面白い。

    仏教、神道についてよく知らなかったのでためになりました。神道の基本精神は『穢れ』と『言霊』などは意識していないが、言われると確かにそうだなと思えます。

  • イラクは宗教戦争の色彩を帯びてきている。日本人にとっては「なぜこの程度の違いで?」と首をかしげる事が多いが、彼らの価値観にとってはそれが自然なことなのだ。
    彼らの宗教を理解しない限り、正確な分析もあり得ない。ユダヤ教、イスラム教、そして日本の神道……。漠然とした知識がたちまち強化されていきます。

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著者プロフィール

1954年、名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、TBSに入社。報道局在職中の80年に、『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞を受賞。退社後、執筆活動に専念。独自の歴史観からテーマに斬り込む作品で多くのファンをつかむ。著書は『逆説の日本史』シリーズ(小学館)、『英傑の日本史』『動乱の日本史』シリーズ、『天皇の日本史』、『お金の日本史 和同開珎から渋沢栄一まで』『お金の日本史 近現代編』(いずれもKADOKAWA)など多数。

「2023年 『絶対に民主化しない中国の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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