シャングリラをあとにして

  • 徳間書店 (2002年8月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784198615697

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

多様なテーマが詰まった物語であり、戦争の影響を受けた親子や家族の絆、老いとトラウマの克服、少女の成長など、さまざまな視点で楽しむことができます。読者によって異なる主題が浮かび上がる万華鏡のような作品で...

感想・レビュー・書評

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  • WW2のイギリス(フランス・ドイツ)の話であり、親子の話であり、おじいさんと孫の話であり、老いと向き合う話であり、トラウマを癒す話であり、少女の成長の話でもあり・・・
    色んな読み方ができそうだけど、詰め込みすぎでは決してない。
    何が主題なのかは見る人によって全然違いそうな、万華鏡のような物語。

    設定や語りは地に足が着いている。
    現実的で、ありそうにないけどありうる話。
    でも不思議な世界をのぞく物語(アリスや秘密の花園や魔術師の甥なんか)を読むような魅力がある。
    現実の悲しみと、ちょっとした大冒険と。
    みんな優しくて、納得できる程度にダメで、気持ちよく読める。

  • 素晴らしい作品でした。

  • 喜び,悲しみ,怒り,憎しみ,許し,思いやり,不安,恐れ,勇気,ユーモア・・・。ストーリー展開は早いのに,あらゆる場面で涙が出て困りました。少女,おじいちゃん,お父さんの三人の気持ちが丁寧に描かれた,印象深い感動の一冊。

  • あったかい話でした。つらい過去がいっぱいあってもこんなにいい家族との関係を取り戻せるならなんて素敵なんだろう。引用される詩や歌の歌詞など、全文を知っていたらもっと楽しめるのにと思います。

  • 主人公は11才の女の子セシー。お母さんは小学校の教師。お父さんはラジオのパーソナリティー。
    基本的にはセシーの目線で話は進められていきます。

    ある日突然、おじいちゃんが訪ねてくるところから話は始まります。
    「おじいちゃん」といっても、セシーは一度も会ったことがありません。お母さんも。
    おじいちゃんは、お父さんのお父さん。だけど、お父さんは小さい時にお母さんに連れられてお父さん(おじいちゃん)とは別れてしまいます。その後、お母さんも義理のお父さんも死んでしまい施設で育ちます。
    だから、お母さんもおじいちゃんのことは、お父さんから聞いていませんでした。

    始めは信じられなかったお母さんも、おじいちゃんと話しているうちに、信じられるようになります。
    セシーはおじいちゃんができて、とっても嬉しくなります。しかし、お父さんはどこか、よそよそしい態度を取ります。

    おじいちゃんと一緒に暮らすことになりますが、脳梗塞で倒れて記憶がとぎれとぎれになってしまいます。そのとぎれとぎれの記憶をセシーはおじいちゃんから聞いていました。
    セシーとお母さんはおじいちゃんのために、生活のサポートをします。しかし、病状は悪くなってしまいました。学校が始まるとおじいちゃんを一人にしておくことができません。
    「シャングリラ」という施設に預けることになりました。おじいちゃんがうわごとで「シャングリラだけにはいきたくない」と言っていたところです。

    セシーはおじいちゃんから聞いていた、昔乗っていた船を見つけます。
    そこから昔の写真などを持ち出すと、シャングリラまで届けに行きました。おじいちゃんには会えませんでしたが、おじいちゃんの友だちに渡してくれるように頼みました。
    おじいちゃんはその写真を見て、記憶をすべて取り戻しました。
    セシーはおじいちゃんから、若い時の話を聞きました。
    おじいちゃんはお父さんもお母さんも知らないで、施設で育ったこと。
    若い時に船乗りになりたくて船に乗り込むが戦争がはじまり爆撃にあってしまったこと。
    助けてくれた若い兵士が目の前で死んでしまったこと。
    自分をかくまってくれた親子のこと。その娘さんが忘れられなかったが、会いに行っていないこと。
    そのことが、お父さんのお母さんとうまくいかなかったこと。

    そして、おじいちゃんとセシー、施設の仲間でこの娘さんを探しに船でイギリスからフランスまで行くことになりました。
    この時、お父さんもお母さんもおじいちゃんを施設から引き取ることに決めていました。
    しかし、セシーはおじいちゃんに口止めされていたので、この事は言えずに簡単な置手紙をして、一緒に出かけました。
    結局、見つけることは出来ませんでした。

    帰りの船で、ラジオをつけるとお父さんの番組でした。お父さんはおじいちゃんに向けてメッセージを読みました。
    セシーが書き損じた置手紙にはおじいちゃんの若い時の事が描かれていたので、それを読んだのです。お父さんは子どもの頃、お父さん(おじいちゃん)がいつか施設に迎えに来てくれるのではないかとずーと待っていたのです。でもなぜ来なかったのかも、おじいちゃんの気持ちもわかったのです。
    港に戻ると、おじいちゃんとお父さんはしっかり抱きあいました。

    セシーが始めから最後までおじいちゃんの味方になり、頑張っていく様子はとても良かったです。
    おじいちゃんを施設に預けることになりますが、お母さんもお父さんも考え方や行動はとてもすてきな感じがしました。
    だからこそ、セシーはおじいちゃんを信じることのできる子どもに育ったのだと思いました。
    おじいちゃんの謎だった記憶は戦争体験でした。惨殺シーンがあったわけではありませんでしたが、とても怖い体験です。この展開にはびっくりしました。

    年老いた家族とどう向き合っていくのか、信じあっていくのか考えさせられました。

  • 90点。シャングリラって老人ホームのことだった。

  • 心象を表すような美しいシーン、ストーリーを彩るビートルズの選曲。ミニシアターで映画を観ているようだった。

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著者プロフィール

イギリスを代表する児童文学作家。『戦火の馬』をはじめ、『アーニャは、きっと来る』『世界で一番の贈りもの』『兵士ピースフル』『ケンスケの王国』『希望の海へ』『ヒナゲシの野原で』『おじいちゃんがのこしたものは…』など多くの作品が紹介されている。

「2023年 『パフィン島の灯台守』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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