10センチの空

  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198617769

感想・レビュー・書評

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  • ファンタジー。SF。青春。
    超能力とタイムトラベルとラジオ。
    ページ数少ない、読みやすい、内容は薄め。悪くはないです。☆2.5。

  • 2017/09/19読了



    青春小説としてはイマイチ。
    ラズオと空を少しだけ飛ぶ能力。
    自分の進路よりも、謎の能力に向き合うこと。
    物語としてはなんだか地味に長くて、どうも入ってこなかった・・・

  • とても薄い本だったので、絵本かなと思ったが、れっきとした小説だった。でも中身は中学生向けらしい。どうやら、中学校の教科書にこの作品の一部が載っていたらしい。

    就職活動に熱心になれない大学生の敏也くん。どうやらそれはほとんど毎晩見る、重いぼうしを被って空を飛ぶ夢のせいのようである。敏也は10センチだけ空に浮かぶことができる能力の持ち主だった。彼はいつも聞いているラジオ番組「夏野めぐみのラジオ・ラジオ・ラジオ」にこの悩みを投書する。そして、そこから彼のタイムスリップがはじまったのだ・・・

    空を飛べたらどんなにいいだろうと思ったことがある。
    たとえ、10センチでも、空中に浮かべたら・・・と。
    だが、たいていの場合、それは夢物語に終わってしまう。
    そんな夢物語を大事にかかえているのがおかしいのか。

    この作品はそんなところを尋ねてきているような気がする。
    大人が読むのと中学生が読むのとでは、違った感想があるのだろう。

    中学生はこの物語をどう捉えるのだろう・・・。
    現実主義の中学生なら、
    この本の主人公を無気力で現実逃避な若者とみるだろうか。
    それとも、単純に
    10センチ空を飛べる能力を羨ましがるだけでおわるだろうか。

    なんだか、この作品の場合、
    本の感想よりも、中学生が読んだときどう思うのかという方が
    気になって仕方がなかった。

  • 社会に出る直前の大学生が主人公のファンタジー小説です。まあまあ楽しみました。

  • 『フリー・アズ・ア・バード』が聴きたくなった。

  • ホームページ名にもあるくらいに、空を飛ぶのは私の永遠の夢です。
    だから10センチとはいえ、飛べるってうらやましい。
    話としては…それほど盛り上がるところもなく、
    現実味もなく、ファンタジーにもなりきれてなく、
    トリックも曖昧で、作りが甘くて…ちょっと中途半端。むーん。

  • 主人公の「頭に重い帽子が乗っている」という感覚がなんとなくわかりました。国語の教科書にも載っていて読みやすかったです。

  •  川原敏也はパッとしない大学の経済学部に通う4年生。就職活動の正念場であるはずの夏になっても自分の将来に目標がもてずダラダラと過ごしている。
     なにをしていいのかわからない。人より特に優れている所もない。成績は良いわけではないが悪いわけでもない。平凡すぎるほど平凡で何の取り柄もない。
     いや、実は一つだけ人と変わっている特殊な点がある。それは10センチだけ空を飛べること―ある事をきっかけに10センチの空から人生を見つめなおすことになる敏也。なぜ敏也は空を飛べるのか、その理由を探る旅は過去を再度発見し、未来を捉えることだった。

     就職活動中という、揺れ動く人生の岐路である時期を生きる主人公を通して、作者は何かを信じる気持や人を想う大切さといった、純粋だけど忘れがちな事を描きだしていく。正直、大学4年生の夏の時期になっても進路を決められないというのは人生としては非常にヤバイ状況だろう。しかしどうしても自分のやりたい事が見つけられず、やりたい事がわからないうちは就職活動に身が入らない敏也。20年以上人生を生きてきても、いやだからこそ、簡単には将来のことなど決められないのだ。そんな宙ぶらりんな敏也はまさに違う意味で「浮いている」が、作者はそんな心情を物語のテーマと重ねているようだ。

     地面に足をつけて生きるしかない人類にとって、空を飛ぶというのは究極の夢だろう。それは単に移動の便利さというだけでなく、かつてない自由を求めるという意味での夢である。
     機械の力を借りるでもなく空を飛ぶなんて無理に決まっている。そう言われ続けても諦めずに信じる事は夢をかなえる大きな力となる。
     物語は主人公の就職活動&自己探しという非常にプライベートな範囲で進行していくが、このように空を飛ぶという人類共通の夢を扱っているだけあって全地球的な大きな視点も時折挟み込まれ、単に個人の物語に納まらせない。

     この物語がユニークなのは、主人公が空を飛べるといってもそれが10センチだけであるというところ。なぜ10センチしか飛べないのか。それは物語のテーマに大きく関わっていく。
     かつて悔いを残した思い出を、年月を経て再び違う視線から見つめなおした時、言いようのない感情に胸を引き裂かれるだろう。

     浅暮三文といえば実験的な小説や奇抜な発想に基づく奇想天外な物語が特色だが、この小説では意外なほどストレートで普遍的なメッセージを語りかける。読み終えると、一人として悪い奴が出てこなかったことに気づくし、誰もが人に対して優しい気持になるだろう。
     そんなに長くないので読みやすい。プレゼントにも最適だろう。温かくてちょっと不思議な青春ファンタジー。三省堂から刊行されている中学の国語教科書『現代の国語2』にも採用された。

  • え~なんかこの青年いいのかしら?
    なんて読み始めました
    でもよかった!です
    ラストも

    ラジオから流れる曲もディスクジョッキーもいいな

    ふわっとゆったり浮かんでるような そんな気持ちで本を閉じました
    小さな薄い本ですが

    2010年文庫化されています

    三省堂中学2年の国語教科書に載ったことで教えてもらいました

    ≪ 大人への 道にいつしか 忘れ物 ≫

  • 読んだことも忘れてしまった作品(笑)
    ライトすぎるしなにも残らないかな

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著者プロフィール

1959年兵庫県生まれ。関西大学卒業後、コピーライターを経て、98年『ダブ(エ)ストン街道』で第8回メフィスト賞を受賞しデビュー。2003年『石の中の蜘蛛』で第56回日本推理作家協会賞長編部門を受賞。

「2022年 『我が尻よ、高らかに謳え、愛の唄を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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