花の魔法、白のドラゴン

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  • Amazon.co.jp ・本 (566ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198619015

感想・レビュー・書評

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  • ブレスト諸島というイギリス(ブリテン諸島)に似た異世界に住む少女アリアンロード・ハイド13歳。
    幼なじみで弟分のグランドと一緒に過ごしている。
    ブレストでは王様は国内を巡り旅していくもので、親が王に随行する役職のアリアンロード達は、年中旅行して暮らしている。
    アリアンロードは通称ロディ。
    ロディの父は天気を司る魔法使いで、それほど身分は高くない。
    母は財務官。
    グランドの母シビルは位が高いが、グランドには冷たい。
    国で一番えらい魔法使いの役職名は、マーリン。
    ある日、老いたマーリンが突然亡くなり、ロディの祖父が次のマーリンを連れてくる。
    ロディの祖父ハイドは、マジドという高位の魔法使いなのだ。
    ところが、マーリンはシビルと何か陰謀に加わっている…?
    勘の鋭いロディとグランドは怪しいシーンを目撃してしまうのだ。
    二人は宮廷に置いて行かれてしまい、ロディの父方の祖母ヘピィを訪ねていく。
    品のない祖母だが、女系の魔法使いの伝統を守っているらしい。
    双子の従姉妹イジー8歳のやかましさなど、滑稽なシーンに。

    起きている危険を大人は誰も信じてくれないのだが…自ら魔法の力を得ようと乗り出す少女の勇気。
    初めて会う母方の祖父は怖い雰囲気で、母が苦手としていたことも理解できたのですが、ロディの話を信じてくれます。
    古(いにしえ)の魔女から、花の魔法を身につけることに。
    ロディは異世界の少年ニックに、力を貸して欲しいと頼むが…

    ロディとニックの視点で交互に物語は展開します。
    異世界が平行して存在するという、ウィン・ジョーンズの設定は共通。魔法使いの中には行き来出来る存在も多い。
    ニックは魔法が公式に認められていない<地球>に暮らしています。
    養父はホラー作家。
    ニックは実は他の世界で生まれた子供で、皇帝の跡継ぎだったニコソデス。
    魔法使いになりたいと願っていました。
    どういう加減か、突然異世界に放り込まれるという経験を何度かしていて、自分でコントロールできるようになりたかったのです。
    ロマノフという強力な魔法使いに出会い、力を借りようとしますが、やっと探し当てたロマノフは病気で昏睡状態。
    ロマノフの隠れ処になっている美しい農園は主の病気と共にどんどん寂れていきます。
    そこで出会った象のパドミニと心が通い合う所は楽しい。
    ニックもまた次々に出会う魔法に翻弄され…?
    にぎやかで楽しいワールドです。

  • 大好きなダイアナ・ウィン・ジョーンズの中でも最高に好きな本。魔法のイメージが特に好き。花を使っているのがハーブみたいで面白いし親しみがもてる。またヒロインが魔法を受け取る下りに大きな感銘を受けた。あんな風に生きたいと強く強く思った。

  • ダイアナ・ウィン・ジョーンズ先生の作品を読むのは中学生の時以来でした。先生、本当に凄いです。二つの視点から描かれることで混乱することも全くありませんでしたし、何より面白い。百ページすぎまで読んだとき、山しかないが大丈夫なのか……?と思いましたがその後も全くペースダウンせず、最後まで突っ走っておりました。児童書ってすごいなぁと思うばかりです。多重世界の描写も活き活きとしていて、想像が膨らみとても楽しく読めました。

  • ジョーンズの作品。分厚くて読み応えがあった。
    いつもながら、とても入り組んだお話。そしてキャラクターがみんな魅力的でリアル。まるで旅行記か日記を読んでいるみたい。
    パラレルワールドのお話は、特にワクワクする。大人になった今でも、ファンタジーの世界の存在を信じられるからかも。魔法使いにも本気で憧れてしまう。あと、例え子どもであろうとイヤなやつには容赦の無いところも好き。
    こんな複雑な話を訳す訳者さんも、すごい!といつも思う。

  • <ブレスト>は魔法に満ちた世界だ。たくさんある異世界の魔法のバランスを保つ、大事な存在でもある。ところがある日、その世界のイングランドに住む、宮廷付き魔法使いの娘ロディは、国中の魔法を司る「マーリン」が、恐るべき陰謀を企てていることに気づいた。だけど大人たちは、そんな話は信じてくれない。ただひとりの味方、幼なじみの少年グランドも、どんな魔法もひっくり返してかけてしまうから、頼りになるどころか、ロディの方が面倒を見なければならない始末。自力で陰謀に立ち向かう決心をしたロディは、古の魔女から<花の魔法>を受け継ぐのだが……

  • 初めに読んだ面白かった!という感想しか覚えてなくて、再度読んでみた本です。
    何度も新鮮な気持ちで楽しめるのがイイ。
    濃厚な魔法と異世界の話に、ワクワクドキドキハラハラでした。
    フィナーレは壮大で、このごちゃまぜとしていて昂る感じがまさにダイアナさんの物語だ!と感じました。
    原書買ったので、和訳と読み比べながらもう一回読もうと思います。

  • 4-19-861901-8 566p 2004.12.15 3刷

  • ジョーンズ得意のパラレルワールド・魔法もの。
    読みやすいタイプだったし、キャラクターがちょっと弱いけど面白かった!
    象のミニがすごくかわいかった。
    後書きの象がお孫さんを避けてくれたエピが良かった。

  • 資料番号:020134003
    請求記号:933/ジ

  • 同じエピソードを、登場人物二人のそれぞれの視点で描いてあるところが、物語の立体感になっているのかな。
    訳者による文中の解説も、すごくよかった。
    外国の話はとくに、何が当たり前なのかがこちらに伝わってこない事があるから、こうして、向こうの常識を教えてくれると、これから別のイギリスの話を読んでも、面白く読めそう。

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著者プロフィール

1934-2011。英国のファンタジーの女王。映画『ハウルの動く城』の原作者。

「2020年 『徳間アニメ絵本39 アーヤと魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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