ひとりぼっちのかいぶつといしのうさぎ

  • 徳間書店 (2004年8月1日発売)
3.96
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784198619022

みんなの感想まとめ

孤独や淋しさを抱える心に寄り添う物語が描かれています。主人公の怪物は、外見は恐ろしく醜いものの、内面は温かく、友達を求める切実な思いを持っています。その姿は、社会の中で孤独を感じる人々の心情を反映して...

感想・レビュー・書評

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  • 〝むかし、ある処に洞窟があった。その洞窟には、怪物が棲んでいた。世界でいちばん醜い生き物だった…。怪物が出てくると、動物は一目散に逃げだし、鳥も飛び去ってしまう。花は散り、木の葉は落ち、草木はみるみる枯れていった…。怪物は、淋しくて、淋しくて堪らなかった。恐ろしく醜い姿をしていても、こころの中は違ったからだ。怪物は、友だちが欲しかった。だれかと話をしたかったのだ…〟世の中で淋しさに心震わせている人たちへ。

  • 涙が溢れる。これは私だ。弱者にしか響かないと思うが、すごいお話だ。私にとってのいしのうさぎはなんだ?

  • 思い出してしまった・・・。
    賛否両論どころか否定意見が多かった。

    でも
    この石のうさぎになりたい。

    いつでも傍にいて
    絶対に壊れない・・・そういう存在に。

  • 絵がクリア。教訓ない。ただただ。

  • 深読みしようと思えば、いろいろなことが言えそうだけど、そういうことをするのは野暮な気もする。
    とりあえず、最後にウサギが話し出したりしなくてよかったなと思う。そんなどこかで見たような結末はこの話には必要ない。

  • ひとりぼっちのかいぶつはとても醜く、姿を表すだけで皆が逃げ出します。花は枯れ、動物たちは逃げ出し、太陽は姿を隠し、水も干からびてしまいます。世界の何もかもが醜い怪物から去ってしまい、あたりは岩だけの寂しい場所になってしまいまた。怪物は悲しみました。寂しがりました。でも、美しい心を持った彼は決して誰かを恨んだりしませんでした。誰かと話したいと願いました。
    そこで、岩に話しかけてはどうかと思い、ある日、岩で動物を彫るという考えを思いつきました。しかし、その岩でできた動物たちも彼が微笑むだけで次々と砕け散ってしまいます。怪物はとても悲しみました。
    でも、その中でたった一つ、岩でできたうさぎだけは残っていました。それに気づいた怪物は驚きと喜びの混じった様子で岩のウサギを見つめます。
    岩のうさぎは何も話しません。動くこともしません。でも、美しい心を持った怪物はとても喜びます。嬉しくて嬉しくて仕方なくて、岩のウサギの前で歌ったり踊ったりさまざまなことをします。
    彼の様子はまるで、ウサギに『君がいてくれてこの上なく僕は嬉しいよ!ありがとう!ありがとう!』と何度も言っているかのように思えました。彼はウサギに対して何かを求めることをしません。
    ただ君と出会えたこと、君がここにいてくれること、ただそれだけを喜び、感謝し、ただひたすらに愛して愛して愛して毎日を過ごしているように見えます。彼の心はそれだけで満たされ、幸せな毎日を過ごしているように見えました。
    かといって、この絵本ではその岩のウサギを擬人化するような描写はありません。
    やはりひたすら無機質な岩でしかないように感じられます。それゆえ、やはり怪物の悲しみの深さも感じ取れます。

    でも、岩のウサギに寄り添いながら嵐が去るのを一緒に眺めている後ろ姿からは、自分から去って行った世界の全てを恨んだりせず、ただひたすらそのウサギの存在を心の底から喜び、感謝し、愛する喜びを感じている、とてもとても幸せな後ろ姿であるように感じられます。そこに、怪物の心の美しさを感じずにはおれません。

    そして、怪物の死後、かつて彼の元から逃げ去った世界の全てはここに戻って来て、世界で1番美しい場所となります。ピクニックに訪れる人もいるといいます。
    生きとし生けるものがキラキラと輝き、喜びに満ち溢れるこの世界で、岩のウサギは誰も気づかないような場所にひっそりと残りました。
    美しく輝く世界の隅っこに小さく耳だけ描かれた石のウサギを見ると、何かを覆い隠そうとするかのようにも見え、この復活した美しく輝く世界は一体何だろうとも考えました。皮肉にも感じました。それは自己愛に満ちた世界に見えたりもして、複雑な気持ちになりました。

    ラストページの草に埋もれた石のウサギの顔を目にすると、ひっそりと誰かがそこに生きた痕跡が感じられます。そして、その無機質さは世界の全てが自分の元から去ってしまった怪物の深い悲しみの遺物のようにも思えます。一方で、読者である私には怪物の喜びに満ち溢れた様子も目に浮かびます。この石のウサギは怪物の温かな愛に溢れた毎日や、怪物の美しく清らかな心の遺物でもあるのだと感じられます。
    ラストページで美しくいじらしく生きた怪物の姿に思いを馳せると、胸がギュッと締め付けられる思いがしました。

  • 2024.10.24 5-2

  • 醜いということだけでみんなに嫌われ、周りの岩や地面までも粉々になってしまう中で、石のウサギだけは姿も変わらずずっと一緒にいてくれた。やがて醜い怪物がいたことが過去のことになっても石のウサギだけは残っていた。

  • 絵が大きく遠目が効きます。
    ストーリーは非現実を描きながらも、生きている中で味わうこともあるかもしれないと思うような現実的なお話です。
    幸せではないけれど、なんとなく感じるところがあるストーリーで、こういう絵本も読んで感じて欲しいなぁと思います。
    ですが、かいぶつを紹介する描写が今の社会や教育的には受け入れられにくい表現なので教育現場で読むのは躊躇われます。

  • ちょっと寂しさ感じてしまいます
    いしのうさぎがいてくれてよかった!

  • 岩見沢市立図書館 長谷

  • 「絵本であそぼ!」で紹介。

  • ひとりぼっちのかいじゅうがとても切ないです。

  • 泣きますよー。姿形が醜いがゆえに友達が一人もできないかいぶつ…。そんなかいぶつに初めてできたたった一人の友達。それが石で作ったうさぎなのです。もう後半は涙で読めませんて。

  • 2013.6.26 4-3
    2013.9.4 3-3

  • 絵にもかけない醜さで万物に嫌われるさみしいかいぶつの絵本。
    とはいえ醜さは単なる記号で、「見た目で差別しちゃいけません」みたいな本ではない。
    集団の中のみにくさによる孤立ではなく、孤独をどう処理するかという、個の内側を扱った話だ。

    かいぶつは「みにくいので」動物たちはみんな逃げていく。
    かいぶつが「みにくいので」草や水は枯れ気象は荒れる。
    だけど実際のところ、「みにくいやつめ」と嫌悪をぶつけるものはひとつもでてこない。

    動物はかいぶつが動物たちの顔を認識できないくらいすばやく逃げて行くし
    (逆に言えば動物だって怪物の姿をしっかり見ていないはず)
    環境だって、擬人化された「お日さま」や「雲さん」や「岩どん」ではなくリアルな風雨や岩石だ。
    かいぶつを「みて」反応しているわけじゃない。

    「すべてにきらわれている」かのように描かれているけれど、雨も雷も雪も岩も地面もかいぶつのそばにいる。
    動物が逃げるのだって、水のように乾いたり草のように枯れたり岩のように砕けたり落雷のとばっちりを受けたりするのが怖いからかもしれない。
    それでもみにくさは嫌悪される理由として機能する。
    地の文は「かいぶつがひとりぼっちなのはみにくいからだ」とキッパリいい切る。

    「みにくさ」は「なにもしていないのにみんなに嫌われてひとりぼっち」というかいぶつの状態を作り出すための小道具だ。
    べつに「みにくさ」じゃなくたっていいけど、説明不要の便利な嫌われ要素として「みにくさ」が選ばれているだけ。
    万物すべてに嫌われる呪いのような状況を安易に「みにくさ」のせいにしてしまうのはよろしくない。
    子供用の絵本で「みにくいから嫌われています」が疑問も問題もなく通用してしまう世界観が描かれているのは嫌だ。
    同じ理不尽なら呪いのほうがいい。


    絵は悪くないけど良くもない。
    みにくいものとして描かれるかいぶつはグレムリンとヨーダと達磨さんを合わせたような愛嬌のある風貌。
    うれしくないものとして描かれる、かいぶつに許された環境は雷鳴も岩も迫力があって強い。
    (かいぶつの顔の力はページの大きさによる迫力にも助けられている)

    それに引きかえ、うつくしいものとして描かれる緑はくすんでいて動物たちは魅力に乏しい。
    よいものとしてかかれたものと、悪いものとしてかかれたものが、そのようには見えない。
    なんだか悪役を憎らしく描くことに集中しすぎて肝心のヒーローが凡庸になってしまったような力の差がある。


    ストーリーは無害な異形が差別されてかわいそうな姿を安全な場所から眺めて感涙を落とすためのものに見える。
    「ハリドン」や「ヘルマフロディテ」ほどの嫌悪はないけれど、この類は嫌いだ。
    bumpの「ダンデライオン」を思い浮かべて比べてしまったから、どうしても劣って見える。

    評価は☆1か☆2か迷うところ。
    絵の分だけ星をひとつプラスしてもいいけれど、おすすめできないという点で☆1。

  • 2011年12月17日

    <THE BIG UGLY MONSTER AND THE LITTLE STONE RABBIT>
      
    カバーデザイン/森枝雄司
    カバーフォーマット/前田浩志、横濱順美

  • 小低・高向け。大人にも

  • 2025年度 4年生 4分50秒
    一目見ると、みんなが逃げ出しちゃう怪物のお話。
    一人ぼっちの怪物は岩で動物を彫ってみますが、
    砕けず残ったのはうさぎだけ。
    動かないうさぎに、歌を歌ったり踊ってみせたり…
    幸せな時間を過ごします。
    切ないけれど、怪物は幸せだったんだろうな。

    2019年度  5年生
    あまりにも醜い怪物のお話。
    お友達も一人もいない怪物が、自分で作った石のうさぎに、
    会話や遊びも出来ないけど、側にいるだけで嬉しく、安心できるうさぎ。
    怪物は、歳をとり亡くなった後、世界一綺麗な場所に。
    素敵なお話でした。
    子供達は、ジーッと最後まで静かに、後ろで座っている子は、首を伸ばし聞いてくれていました。
    2016年度  5年生  8分 
    2013年度  5年生
    2004年度  6年生  8分

  • みんなにきらわれても、やさしい心をなくさなかった、かいぶつ…

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著者プロフィール

英国の絵本作家。ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞他受賞多数。作品に『くまくんと6ぴきのしろいねずみ』『ひとりぼっちのかいぶつといしのうさぎ』『かしこいさかなはかんがえた』(徳間書店)等。

「2022年 『2ひきのカエル そのぼうきれ、どうすんだ?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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