火星+エジプト文明の建造者「9神」との接触―シリウス起源の超知性との聖なる扉「スターゲート」の研究 (超知ライブラリー)

制作 : Lynn Picknett  Clive Prince  林 陽 
  • 徳間書店
3.29
  • (0)
  • (2)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 13
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198619671

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 闇の組織の働きが分かる本。
    エジプトのスターゲートにまつわる様々な陰謀が書かれている。

  • エジプトのピラミッドを叡智の最高の象徴と捉える思想。一ドル札に描かれたフリーメーソンの顕現たる一つ目のピラミッドの冠石から、グラハム・ハンコックによって新たな喚起された新エジプト学まで、これらを繋ぐアイディアは危険なまでにロマンティックだ。エジプトに対する憧憬は、我々東洋人が考えるより遥かに西洋人にとっては魅惑的で、且つ根源的な問題だ。キリストからギリシャに遡り更にエジプトに至る叡智の流れ。そしてそこにそびえ立つピラミッドとスフィンクスは、かつて存在した高度な知性への期待を描かせるには充分な、強力な象徴作用をもっている。

    この本はピラミッド・テクストというBC2350年に描かれた、人類最古の碑文をスタートに、エジプトのヘリオポリス宗教の持つ宗教観が、やがて数多くのオカルティズムの原型となり、様々な象徴的解釈を経て錬金術的伝統へ流れ込み、フリーメーソンの思想に回収されながら、現代にまで続く隠された叡智として、西洋文明に保持されて来たというフリーメーソンの主張、そしてそのベールの影に隠されたゆえに生じた判らなさと、胡散臭さが、結果として心理学として人を操作し、操作され、当の本人達にさえ、真実の姿が隠されてゆくことの複雑さを、次第に明らかにしてゆく。

    シリウス信仰、ドゴン族、天文学、火星の古代遺跡というアイディア、ピラミッドとの関連、エジプト学、秘境主義、クロウリーによるチャネリングの思想、
    エドガー・ケイシー、そしてエジプト神の降霊、高位存在としてのザ・ナインという思想が生まれる経緯、UFOの出現、UFOアブダクション、サイ科学、サイケデリクスによる変性意識の研究、ニューエイジ思想。これらの魅惑的なアイディアは、互いに互いを補完しながら、発展を遂げて来た。作者達は20世紀になって生まれたこれらの思想を、人間同士の繋がりを中心に、たぐいまれなる根気強さで、そのアイディアの厳選をたどってゆく。その結果、これらのアイディアが、そもそも非常に幼稚で、子供じみた発想に基づいた起源から生じたことを明らかにしてゆく。しかしそのアイディア自体が、その時代性ゆえに新しく、魅惑に満ちたアイディアだったために、数多くのキーパーソンによって採用され、無批判に受け入れられ、広がってゆく過程を突き止める。そして単なる思想的ブームとして片付けられない根深い問題を発見するに至る。それは数多くのキーパーソン達を繋ぐ、トリックスターにしてグル的指導者、先導者の存在が明らかにされる。稚拙だと思われるアイディアを採用し、数々の思想や科学によって肉付けし、互いを関連づけ、人間同士を繋いでいったという事実。そして各種の政府や、諸機関から莫大な予算が計上され、これらの思想が流布して行った過程をあぶり出してゆく。

    誰によってこれらの陰謀は画策されて行ったのか。何の為に。この流れは、決して第二次世界大戦後からではなく、ナチス出現前から形跡が認められるとしている。筆者らが結論として採用しているのは、高度に民主主義が進行するにつれて、個人の思想信条が自由になった結果、宗教的な規範や権威は失墜し、人々を支配し、コントロールすることが不可避的に不可能になってゆく中での、新しいコントロールの可能性をアメリカという国が模索し、心理戦とマインドコントロールの実験の中で、自由思想の先駆者たるフリーメーソンの思想を取り入れて行ったとではないかと推論する。

    これは非常に面白い考え方であると思う。筆者らはそれらの検証として、象徴の解釈がクロウリーやニューエイジ達によって巧妙にすり替えられている事に注目する。そして象徴のすり替えは、結局その傍証や原典を辿る作業を経ないままに、無批判にそれぞれの都合の良いように採用され、そのまま広がってゆくというプロセスを辿る。無意識の中の否認と、自己愛的なご都合主義が、オカルティスト達の特徴であり、安易さだと指摘するようだ。

    こういった意味で、浦沢直樹の20世紀少年は陰謀論の本質を鋭く抉っている。現実を構成している根拠が、実は子供じみた稚拙な妄想によって、支えられているという恐ろしさ。陰謀論の本質はここにある。筆者らがこれらのオカルト史観を攻撃するのは、これらが基本的に終末思想を必ず採用しており、近い将来に人類は終焉を迎え、その時のために用意してなければならないなどと、不安をあおり、大衆の被支配願望を巧妙に利用し、同時に選民思想を刺激してコントロールしようとする為に他ならない。フリーメーソン、ニューエイジの虹の戦士、ブランチディビアンなど、枚挙に暇が無くいずれも共通するのがこれらの思想だと断罪する。

    さて、筆者らは現在ニューエイジや、UFOカルト、神秘主義者が信じようとする信条が基本的には19世紀以降にねつ造された歴史であり、根拠に薄い偽史に近いものだと検証した上で、一体何を希望として提示するのか。それは、救済とは超越的な神の光臨でも、メシアの再臨でも無く、各個人の中に神への回路が眠っている事への可能性への気付きである。アヤワスカでの変性意識状態を超越的知性への可能性と捉えながら、アマゾンのシャーマン達の智慧が西洋的文脈でも行われていたのではないか、その結果としてのピラミッド文明だったのではないかと推論する。実際、ブルーロータスが意識変容作用を持ち、ファラオのミイラに捧げられていた事実があるという。またヒエログリフにも象徴として描かれているらしい。そしてエジプト文化の持つ永遠性と死後生の思想が、イニシエーションの思想と不可分であり、その発想がシャーマニックな性質を有している事を論じてこの本は終わる。全ての個人が神になる可能性を有していて、何にも支配されない霊的な存在としてこの宇宙に存在していることをこの本は説く。

全2件中 1 - 2件を表示

リン・ピクネットの作品

火星+エジプト文明の建造者「9神」との接触―シリウス起源の超知性との聖なる扉「スターゲート」の研究 (超知ライブラリー)を本棚に登録しているひと

ツイートする