- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198620493
感想・レビュー・書評
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これも宮崎駿が、「折り返し点(…だったかな)」の中で勧めていたので読んでみた。
児童文学だって聞いていたから、もっとさらっとしたものを想像していたけど、きちんと青春の「骨」まで描いている感じがして驚いた。
こんなに豊かなものなのかと思って。
薄っぺらい、表面だけを捉えている大人向け(といわれているもの)よりも、よっぽどいいし、大人も読むべき本だと思った。(大人向けは、しっかり書き込まなくて、さらりとごまかせてしまうのだ)
そうなんだよなー。
「ゲド戦記」もそうだけど、子供向けに書かれているものは、立派なものには本当にきちんとした哲学があって、ふるえちゃう。
またね、これがたぶん、「破滅」とかを書くパターンもあるわけではないですか。
けれど、そうはしない。
それが児童書のゆえんなのかもしれないけど、こっちの方が真実で、深い気がする。
「破滅」を描くのは簡単だもの。
私はジョン・ボウズがとても好きになった。
本当のところ、何を感じたかというと。
私は師弟を越える愛ってちゃんとありうるのだ、と思ってときめいて読みました笑。
いや、あるんだよ。
うん、ある。
服を脱いだら、男と女だもの。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第2次世界大戦中から戦後のまたがる時代背景の、イギリスの一少年の物語です。ロビーは小学生時代に憧れ?の先生がいました。エマ・ハリス先生。若く美しい先生でしたが、成長するに従い会うこともないまま存在すら忘れ去ってしまいます。高校時代のロビーと戦争で婚約者を亡くしたエマとが、どんな形でつながっていくのか。ロビーは様々な経験をつんでいきます。30代になったエマがそれに深い関わりを持っていきます。
ロビー一家はイギリスの最下層ではなくとも下層階級で労働者階級の一人息子です。大切に育てられたロビーは、その体格を生かしスポーツ・体育に秀でています。好きな教科にも秀でた才能を発揮します。当時としては性的にも早熟だったのかも。そんなロビーにエマは惹かれていきます。
最後の最後に、エマがとった行動が私には素晴らしく感じられました。