嵐の季節に 思春期病棟の十六歳

  • 徳間書店 (2006年11月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784198622602

みんなの感想まとめ

心の病を抱える16歳の少女が、死への恐怖と向き合いながら成長していく物語です。主人公のノラは、家族や友人との関係がありながらも、過去の悲劇から深い不安を抱えています。彼女は自殺未遂を経て、思春期精神科...

感想・レビュー・書評

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  • (No.13-26) YAです。

    内容紹介を、表紙裏から転載します。
    『16歳のノラは、自分が生まれる直前に亡くなった姉がいることから、幼い頃より死は恐ろしいものと思っていた。
    モルモットのロリ、犬のチクタク、アメリカの伯母、若い叔父・・・まわりで続くいくつもの死に、不安は増していく。ボーイフレンドや親友がさしのべる手も、ノラの心の奥深いところまで届かず、恐怖は徐々に身体の変調となって現れるようになる。そんなある日、父親の不倫をめぐる両親の喧嘩を耳にしたノラは耐え切れず、大量の薬を飲んでしまった。
    目覚めたところは、思春期病棟。心を病んだ少年少女たちが守られ、回復してゆく場所だった。ノラも、医師との面談や仲間の少女たちとの交流によって、しだいに自分をとりもどしてゆく。そして母との面会のさなか、ついにノラは押さえ込んでいた感情を爆発させ・・・。

    繊細な少女の心の彷徨と再生を綿密な取材にもとづいて描き、静かな感動を呼び起こす一冊。』

    ドイツの小説ですが、ノラにはモデルがいて起こったことはほぼ現実どおりだそうです。
    ノラと同じような経験をして育っても、恋愛やおしゃれに夢中になって思春期を過ごす少女の方が多いかもしれません。
    でも繊細な感受性を持っていたノラには、小さい時にもう少し配慮が必要だったと思います。

    1歳にもなれずに病死した姉レアがいること。ノラが生まれる直前だったため、両親はその子が亡くなるとき側にいてやれなかった。おばあちゃんだけが看取ったの。ノラはレアの生まれ変わりかもね・・・。
    そんなことを小さい時から聞かされて育つのは、とても心に負担になると思う。親というものは亡くなった子供を忘れることは出来ないというのはもちろん分かります。でも姉の命日のすぐ後が自分の誕生日、母が自分を見るとき亡くなった姉の面影を重ねているらしいと感じるのは辛い。

    死ぬことが恐いあまり生きていることに耐えられなくなるというのはなんだか理屈に合わないように思えますが、心を病むというのはそういうことなんだと理解できました。死んでしまえば死が迫っているという恐怖から逃れられる、と感じてしまうのです。

    ドイツの医療制度が日本に比べて良いというわけではないでしょうが、精神を病んだ少年少女に対する対策は格段に手厚いようです。
    思春期は身体の変化が大きく、心も不安定になりがちです。一般の精神疾患とは別に、思春期の子供だけを対象にした思春期精神科の治療施設が全国に多数あり、日本とは圧倒的な差です。
    これは、家庭が病気の引き金になる可能性があるという認識があるからでしょう。
    子供が家族と切り離され守られている間に、両親もカウンセリングを受けて問題を見つめなおす。お互いを理解することが、病気を治すためには必要なのです。

    ノラと同じ病院で治療を受けている子の中に、コソボ紛争から逃れてきた少女がいました。日本にいるとそういう紛争はどこか遠い世界の出来事ですが、地続きのヨーロッパでは身近な出来事なのだなと思いました。

    図書館で表紙が気に入り手に取りました。
    読んで良かった!
    中学生や高校生にぜひ薦めてあげたい本です。もちろん大人にも。

  • 自分が生まれるとともに病気で死んだ姉、叔父と叔母死、ペットの死などを経験したことで
    死に対する強い恐怖心を持つようになった16歳の少女、ノラ。

    彼女には友人も恋人もいて、両親との関係も決しては悪くはないのですが、何度励まされても
    死に対する恐怖は取れず、ふとした言動により起こるめまいや幻覚、震えにさいなまれ
    「自分は病気でもうじき死ぬんじゃないか」とおびえながら生きているノラ。

    そんな中、両親の夫婦喧嘩を聞き、ついに薬を大量摂取して自殺未遂をしてしまいます。
    幸い一命を取り留めたノラは「思春期精神科病棟」という
    心の病を持った少年少女がいる病棟で治療をすることになりました。

    そこでノラはさまざまな病気に悩み、向き合おうとする人々や病棟の医師、看護婦と出会い
    自分に対して少しずつ肯定的に、前向きに考えられるようになっていきます。
    また両親にもこれまでの想いをぶつけることができるようになりました。

    彼女は今、完全に恐怖心を取り除くことができたわけではありませんが
    それを抑える方法を見つけ、楽しい日常を過ごせているようです。

    私にとって「死」はまだ遠いもので、もしかしたら明日起こるかもしれない事故死さえも
    曖昧で、非現実的としかとらえることができないものです。
    なので正直、ノラの恐怖心のすべては理解できませんでしたが、葛藤し努力し
    ひとつひとつ乗り越えて強くなっていく姿には、とても感動しました。

  • 中2の冬、だったと思う、読んだのは。
    内容はいまいち覚えてないけど、
    泣いたのを覚えてる。
    また読みたいな。

  • 小さい頃から、知らぬ間に母親から埋め込まれた死への恐怖が、16歳の少女ノラの心を蝕んでいき、ついには発作的に自殺を図ってしまいます。このお話は、ノラが思春期病棟に入院することで回復していくドキュメンタリーです。種は蒔かねば芽は出ない、そしてこんな施設が日本にあったらもっと楽に生きていける人間が増えるんだろうなぁと思いました。

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