読書会

  • 徳間書店
3.38
  • (6)
  • (14)
  • (32)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 123
感想 : 22
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198622794

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 山田正紀、恩田陸両氏がSF小説を語る読書会。
    紹介されている本のうち読んだことのあるのは、U・K・ル=グィンの『ゲド戦記』と、沼正三の『家畜人ヤプー』、恩田陸の『常夜物語』のみで、萩尾望都の『バルバラ異界』はNHKの「100分de名著」であらすじを知った程度だったが、楽しんで読むことができた。

    基本的にはお題となっている作家の小説について、山田、恩田両氏が影響を受けた部分、SF小説史における位置づけなどについて対談するのだが、小説家の読書会らしく、自分だったらこのテーマをどう描くか、というアナザーストーリーについて展開してくれるのがおもしろい。ぜひいつか小説にしてほしいものである。

    興味を持ったのがI・アシモフの『鋼鉄都市』と『はだかの太陽』。『鋼鉄都市』はSFミステリとして二人とも高い評価をしているが、『はだかの太陽』はバカミス扱いだ。だがそのばかばかしさがくせになるらしい。

    『ゲド戦記』は3部作が発売されてから時間がたって4巻、5巻が発売されたが、前巻で足りなかった説明を補ったり上書き変更するために書かれたらしい。
    私は3部作が男性の目線から描かれていたので、ル=グィンを勝手に男性作家だと思っていた。物語が一面的、という反省から書かれた4巻は、ゲドが途端に男性性をなくしていて読んだときびっくりしたが、そういうことだったのか、と納得である。

    山田氏と恩田氏では、当然面白いと思ったポイントや受け取り方が異なっている。その違いをああだこうだと言い合うことで小説の多面的な魅力を引き出している。SFはそれほどなじみがないが、紹介されている本は少しずつでも読んでいきたい。

  • 名前だけは聞き及んでおります・・・って感じで
    まだまだ国内海外ミステリSF初心者だな~~~~~~と己の不勉強さを再確認

  • 恩田陸関係の読書に関する本は、何冊か読んできたけどやっぱりSFばかり。しかも洋物。

    彼女の作品はその辺のオマージュやらなにやらが多いそうなので、彼女の作品を今のところ全制覇している私は、作品を通してその翻訳SFを間接的に読んだことになってるのか・・・?

    いや、この本を読む限りそんな感じはしないな。
    ぜひともお勧めされてる本たちを読んでみたいけど、やっぱりちと古いのが多そうだし、図書館かなぁ。

  • 購入

  • リアルでの読書会からは離れて久しいなー。

    最初に扱われているのは半村良なんだけれど、自分も半村良はけっこう読んでいるなということを確認した。日本SFでは筒井康隆と山田正紀の次くらい。小松左京は代表的な長編しか読んでいないし、星新一にいたっては長編一本読んだだけ。偏りすぎ。


     恩田陸の「でも、当時の日本SFに出てくる女の人ってみんなこんな感じですよね。日本SF自体、高度成長期の男の小説」という発言が興味深い。

     山田正紀は女が書けないという評価は、デビュー当時から言われていたことだけれども、一方では「書かれている」女の偏り方についてはほとんど問われることはなかった気がする。

     それにしても『岬一郎の抵抗』が70年代の段階で構想されていたというのは知らなかったので驚いた。『石の血脈』や『産霊山秘録』とあわせて三部作って、ちょっと頭の中で結びつかない組み合わせだけど。前二著は、アイデア・構想から直接引き出せるものだけれど、岬一郎に関してはそれだけでは済まない筆力が要求されたということか。

     しかし、このころの毎日新聞って『岬一郎の抵抗』や山田風太郎『柳生十兵衛死す』なんかを連載してくれて素晴らしい。ま、『柳生十兵衛死す』はちょっと中身があれでしたが。


     ル・グインに関してはゲドが水差し割ってクヨクヨしてるというエピソードが面白かった。

     『神狩り』初読時の反応というのは、みんな面白すぎる。これだけでちょっとしたコーナーつくれそうなくらいだ。山田正紀が直接の先行作品としてエリック・フランク・ラッセルの『超生命ヴァイトン』を挙げていたのは納得。


     小学生当時の僕のSFのガイドブックだった石川喬司さんの『夢探偵』で紹介されていた
    「ヴァイトン」の、なにか大きな発見をしたらしい科学者が、その直後に次々と不審な死を遂げていくという導入がえらく面白そうに見えた。すごく読みたいと思ったのだが、どこを探してもなかったのだ。当時は青背と銀背の区別もつかなかったのね。

     どうも僕は人類家畜テーマに弱いようで、『神狩り』もそうなんだけど、あまり目立たないゼラズニイの『燃えつきた橋』だって、それなりに好きだったりする。

  • 2010.07.08. ここで取り上げられてる本をみんな読んでから読もう、と思っていたら、こんなに遅くなってしまった。しかも、どれも読んでいない。読書会、私もしてみたい!1冊の本を何人かで語り合う、というのは本当に楽しそう。SFは、ほぼ未知の分野だけど体力のある時に読みたいなぁ。「家畜人ヤプー」は、もうあらすじだけでゲッソリきてしまったけれど。半村良とか、読みたい。

  • 本当にたくさんの本についてかいてあるので、いろいろな本を読みたい人にオススメ。

  • 001、07.3/15.2刷、並、カバスレ、帯なし。

  • 誰を読書に据えて作った本なのでしょう?
    恩田陸も山田正紀も好きだけど、
    本を中心にすえた対談でしかなかった。
    SFがそれほど好きではなかったので
    ハズレだと思ったのかも。

  • 本好きが、本についてダベっているだけの本です(笑)
    わたしは、山田 正紀は、もうちょっと分析的な人だと思っていたので、ちょっと韜晦しすぎだろうと思いました。

    でも、仲間とこうやって、好きな本のことを話すのは、楽しそうだ。

    小松 左京は、わたしの視野の中にはいってなかったので、読んでみたくなってきました。

    あと、常野物語も、挑戦してみよう。

全22件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1950年生まれ。74年『神狩り』でデビュー。『地球・精神分析記録』『宝石泥棒』などで星雲賞、『最後の敵』で日本SF大賞、『ミステリ・オペラ』で本格ミステリ大賞、日本推理作家協会賞を受賞。SF、本格ミステリ、時代小説など、多ジャンルで活躍。

「2023年 『山田正紀・超絶ミステリコレクション#7 神曲法廷』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山田正紀の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×