ウェン王子とトラ

  • 徳間書店
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本棚登録 : 408
レビュー : 63
  • Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198623531

作品紹介・あらすじ

昔、猟師に子どもを殺された母トラが、憎しみのあまり、夜ごと村をおそうようになった。困りはてた王に、国の占い師が予言する。王子をトラにさしだせば、国に平穏がおとずれると。王は、幼い王子ウェンを森の奥におきざりにするが…?人間を憎みながらも、小さく弱いものを愛する気もちを忘れなかった母トラと、強く心やさしい少年に育ち、人と獣の世界を結ぶ存在となる王子ウェンの姿を描く、心ゆさぶる迫力の大型絵本。2005年ドイツ児童図書賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 先ず、表紙の持つ迫力に圧倒される。
    パリに住む、中国生まれの絵本作家・チェン・ジャンホンの作品では、これが日本で始めて紹介されたものらしい。
    薄紙に描かれた水墨画に、微妙な色合いを重ねた挿絵には、目を釘付けにさせられる。
    その上、コマ割には斬新さもあり、大型の絵本の良さをじゅうぶんに生かしている。
    三国志さながらの豊かな色彩で表現された、、王と兵士たちのいでたち。鬱蒼と木々が生い茂る深い森の神秘的な様、猛々しい大きなトラの顔と姿。
    とりわけ中盤の、話の転換点となる場面での、トラがウェンをくわえて涙を流す絵は秀逸で、ほとんどもらい泣きである。

    いや、やはりこの本が高評価である最大の理由は、そのストーリーだろう。
    子どもたちを人間の猟師に殺されたトラが、怒りのあまり村を襲う。
    それを鎮めるために、予言者の忠告にしたがってウェン王子がトラに差し出される。
    森の奥でウェン王子に出会ったトラは、かつて我が子にしていたように、そおっと王子を口にくわえていく。そこから、王子とトラの暮らしが始まるのだ。 
    終盤、息子を取り戻しに来た王のために焼き討ちに遭い、あわやと思う場面がある。
    最後の最後まで目が離せないが、このお話の素晴らしいところは、王子が城に帰って終わりにならないところだ。
    このエンディングのおかげで、どれだけ心に救いが残ることだろう。
    親の、子を思う心にはひとも動物も変わりはない。
    子どもには子どもの受け止め方もあるだろうが、多くの大人をひきつけたのは、根底に流れるその部分に違いないと思う。

    サイズも大きく話も骨太なので、組み合わせる他の本は、なるべく軽いものが良いかもしれない。
    約12分。小学生以上。子どもを持つ、すべてのお母様たちにお薦め。
    中学生たちに読んだ時、「そうか!王子を差し出すことで、人間もトラも宥めることができたんだね!」と言った子がいた。なんて賢いんだろう。

  • 8分

  • 中国の絵本作家 : 陳江洪(チェン・ジャンホン)の絵本シリーズ - 子どもの中国語学習教材専門店「ちゃいリンガル」
    http://chinese-bilingual.com/?mode=grp&gid=556872

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    昔、猟師に子どもを殺された母トラが村を襲うようになった。困った王は、国の占い師の予言に従い、幼い王子をトラにさしだすが…。人間を憎みながらも、幼い者を愛する気もちを忘れなかったトラ。トラの元で強く優しい少年に育った王子。人と獣の間に生まれた絆が心をゆさぶる、迫力の大型絵本。
    http://www.tokuma.jp/bookinfo/9784198623531

  • 猟師に子どもを殺された母トラと、村を襲うトラの怒りを抑えるため差し出された幼き王子のおはなし。
    名作と知っていたが、2007年刊行と比較的新しいことに驚き。なんとなく昔話と思っていた。表紙のとおり迫力ある美しい絵でどの場面も最高に良い。また二人の絆の深さに、思わず貰い泣きしそう。おすすめ。

  • 母の愛と哀しみに切なくなりました。
    そしてウェン王子と虎の絆には心が温まります。

  • 迫力あるトラの絵はいつまで眺めていても飽きない。
    訳も好き。

    読み終わった後、一本の映画を見終わったような気持ちになった。

  • 子どもを村人に殺され、怒りや悲しみから村を襲うようになった母トラ。困った国王が占い師に策を尋ねると、幼いウォン王子をトラに差し出すとトラが村を襲わなくなる、と言い、王妃と共に悲しみながらもウォン王子をトラに差し出すが・・・。

    筆で描かれたトラの迫力と、その迫力のイメージからは離れたようなトラの深い愛が印象的。これは悲しいけれど力強い愛と優しさの話で、トラの思いを考えると本当に胸を打たれるし、ウォン王子も尊い立派な王子。 迫力あるトラの絵ももちろん、トラの住む深い森の描写も美しくてとても好き。

  • 子供を人間に殺された母虎と人間の王子が信頼関係を築いていく物語。母虎の苦しみや怒り、それを乗り越えていく姿が描かれていて、涙してしまう場面もありました。そしてその母虎の思いを感じている王子の気持ちも、王子を心配する王子の母親の気持ちも、とても伝わってきました。
    そして、水墨画の手法で描かれたという絵が素晴らしいです。この方の他の絵本も読みましたが、虎という生き物が水墨画にとても合っていて、他の絵本の中でも特に素晴らしく感じました。
    まだ1歳9ヶ月の息子には早いかなと思いますが、そのうち購入して手元に置いておきたい本だなと思いました。

  • 似たお話がどこかにある気がする。こういうわかりやすい昔話のようなお話は子どもに読んであげたい。

  • 迫力のある絵と怖い話だが、トラの優しさには感動。

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著者プロフィール

1963年中国生まれ。画家、絵本作家。北京の美術学校に学び、1987年パリに移住。『この世でいちばんすばらしい馬』で2005年度ドイツ児童図書賞、第56回産経児童出版文化賞翻訳作品賞受賞。他の作品に、『ウェン王子とトラ』『ハスの花の精リアン』『ロンと海からきた漁師』『小さなサンと天の竜』(以上、徳間書店)がある。

「2020年 『ニマと おにばば』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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