- Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198623555
感想・レビュー・書評
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『文献渉猟2007』より。
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音楽
CM -
まさしくもうひとつの日本のポップス史。CM音楽プロデューサー=大森昭男氏の活動を中心に日本のCM音楽のキーパソンのインタビューと時代背景をまとめた懇親の一冊。日本のポップス史を語る上で欠かせない名著だと思う。
巻末の大森昭男が手がけた作品一覧の資料性も高いし。
それと何と言っても巻末の大森、大瀧対談! -
CM音楽プロデューサーとして数多くのCMを制作した大森昭男の軌跡を本人および周辺人脈へのインタビューと、全作品リストで紹介した本。
なお、大森は本書刊行時の2007年は存命だったが、2018年に逝去。
あと、ウィキペディアによると、元妻は歌手の由紀さおりだそうだが、本書ではそのことについては一切記述がない。
また、大森の師匠筋の日本のCMソングのパイオニアともいうべき三木鶏郎についても多くのページが割かれていて、日本のCMについての歴史書の側面も持ち合わせている。
加えて、終わりの方では、大森と、彼と多くのCM音楽制作を共にした大瀧詠一との対談もあり、既に二人とも個人となってしまった現在、超貴重。
ちなみに、筆者が本書でおどろいたエピソードとしては、ムーンライダーズの鈴木慶一との交流が深かったこと、矢野顕子と糸井重里を引き合わせたのが大森であったことや、大森が制作した資生堂のCMソングで、矢沢永吉の大ヒットソング「時間よ止まれ」の演奏陣に坂本龍一、高橋幸宏、後藤次利らがいたこと、である。
1970~80年代のCMソングに慣れ親しんだ人にとっては必読の書である。 -
10年振りの再読。ニューミュージックというカテゴリーを知る前に出会っていたのがその担い手たちのつくったCMソング。マイベストスリーはユーミンの不二家ソフトエクレア、山達の不二家ハートチョコレート、そして大瀧詠一の三ツ矢サイダー。従来のレコード会社がイニシアチブを取ってきた時代以降とJ-POPという言葉が生まれる以前の間の70年代、80年代の日本のポップスの非連続の連続と自分の音楽体験が重なり合っていることを昨今しみじみ感じています。豊かさを超えて成熟に向けて突っ走っていたその時代、偉大なアマチュアたちがプロになっていく過程に対してCM業界、いやONアソシエーツの大森昭男というCM音楽プロデューサーという存在が果たした役割の大きさに今更ながら気づきます。著者はそれを三木鶏郎DNAとして本書の経糸にしています。その系譜も面白いのですが、70年代にガラッとメンバーチェンジする音楽の作り手たちのプロトタイピングの場がTVコマーシャルだったことにちょっと興奮。マーケティングが音楽とクロスし瞬間を作ったことが大森さん仕事だったのだ!と勝手ながら思いました。そしてマーケティングがその後のニッポンポップスを変えていく。そういう意味では最終章の大森・大瀧対談は日本ポップス史にとって貴重な資料です。73年1月、大瀧詠一いうところの「出会い頭の出会い」が音楽業界にとってもCM業界にとっても「ビッグバン」になる細かな連鎖反応が綿密に記されています。それでも「コマーシャルをやるために『はっぴいえんど』を三年やってたわけじゃない」。そこがいいね、です!
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CM音楽プロデューサー大森昭男さんを中心に、CM音楽史を紐解いた本著。そうそう、そうだったよなぁ、あの頃のCMって。って感じで読み進めます。個人的にもとても懐かしいお名前が散見され、かなりページ数がありますが、興味深くあっという間に読了いたしました。
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偶然によって引き起こされるいろんな(しかしある種限られた)人の繋がりの面白さを感じさせられました。