GHQ焚書図書開封: 米占領軍に消された戦前の日本

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198625160

作品紹介・あらすじ

アメリカが仕掛けた「焚書=歴史書の没収」は日本消滅の時限爆弾だった。この事実を見据え、アメリカに簒奪された私たちの歴史をいまこそ取り戻せ!7000冊以上の焚書によって生じた日本現代史の巨大な空白をどう埋めるのか。

感想・レビュー・書評

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  • 今までの認識が変化する。勿論、何も知らなかった訳では無いが、戦前の書に触れねば理解できぬ当時の情景があり、しかし、その語り部であるべき本は、GHQに焚書されてしまっていた。それを再発掘して日を当てようという試み。ワクワクする読書だ。

    ただ、残念ながら、恐らく焚書されなくとも、戦後の日本では、これらの本は次第に消えていった事が予想される。WGIPの効力か、単なる厭戦ムードか、敗戦した事への軍部への不信、あるいは、経済的余裕(豊かになった事も、戦後の貧困状態も)は、これらの本から自発的に遠ざける要因になっただろう。戦前には、逆に軍部の検閲もあった。戦意高揚への利用という視点での、きな臭さもある。やはり、焚書は完璧ではなく、焚書したはずの本は戦後も一部で売られ続けていたと本著は白状する。返本する事への補償が政府から無かったから、本屋は背に腹を変えられず。経済的理由からも従う訳にはいかなかった。

    アメリカ軍は歴史書や思想書を「宣伝用刊行物」として焚書。その数7769点。選別作業には東京大学も協力した。本著は、その中から、戦前の雰囲気を伝えるに有効な数冊を紹介する。

    第二次世界大戦前の日本はアメリカよりもイギリスを意識していた。昭和14年から16年にかけて、世界創造者と言う出版社から戦争文化叢書と題したシリーズ本35冊刊行、これが全て焚書扱いたが、その多くがイギリスについての図書であったようだ。

    イギリスから、1717年からアメリカ独立戦争当時まで約5万人の囚人がアメリカに送られていた。しかしアメリカが独立するとこのやり方を続けることができない。同じタイミングで同国ピット内閣が選んだのがオーストラリア。オーストラリアが囚人の捨て場だった事は有名だろう。イギリスだけでは無い。ニューカレドニアはフランスの囚人の捨て場だった。こうした南太平洋の陣取り合戦にドイツが参戦。オランダ領のニューギニア。第二次世界大戦の遠因。この領地争いに、アメリカは、南北戦争で出遅れている。

    尚、焚書の目的の一つは、アングロサクソンによるオーストラリア、タスマニア民族のホロコースト。第二次世界大戦の二大メルクマールは、アウシュビッツと核兵器だと著者は言う。焚書するからには、何かを訂正したかったはず。それが何か。一冊だけでは終わらぬ開封に、続編を期待する。

  • 本書の特徴、目的と思われる事項を最初に述べておきたい。

     本書は大東亜戦争後の米占領軍によって日本国内に流通していた数多の出版物のうちの、占領政策の障害になると判断された出版物(主に、防衛関係や日本の精神文化に関連する書物、白人に不都合な真実が記述された物や政治的な物等々、7769種)が焚書(※1)された事実を日本国民に広く再認識してもらう事が大目的の一つ。

     そして、この目的は何の為に為されるかというと、戦前から戦後にかけての日本民族の思想や歴史、思考過程の連続の断絶を埋め合わせて連続性を取り戻す事を、本書読者やこの事実に触れた人々を皮切として、多数の国民と共に目指すことが大目的の二つ目。

     さらに、この「連続」なるものを何ゆえ意識するかというと、著者の現在から将来にかけての日本に対する憂い、心配、思いが錯綜する。今後日本が外圧に屈することなく自主独立を維持し、伝統文化を保持し発展していくには、歴史の連続性の再認識が必要不可欠であり、この観点からも、消された事実を掘り起こして歴史を再認識すべきという持論がある。

     ※1 焚書: 焚書といえば、通常は対象書物の存在そのものを完全にこの世から抹殺する行為を連想するかもしれない。しかし、GHQの行った焚書は、対象書物を一般流通過程から抹殺する行為に留まっており、一般家庭にすでに販売されてしまったものの強制回収や、図書館に収蔵されたものの抹殺は行われ無かった。故に、このような焚書開封が専門家によって可能なのである。このような焚書方式は、表向きは「民主主義、言論・出版の自由」を標榜する占領軍の苦渋の選択だったと推察されるが、このような緩やかな焚書方式でも一般大衆が耳目にする機会を奪うには十分すぎるほどの効果を出したことは歴史が証明している。またサヨクの捏造歪曲偏向史観を間接的に擁護する結果にもなっている。

     「GHQ焚書図書開封」は現在第四巻まで刊行されているが、本書は第一巻目である。最初に「GHQ焚書図書」とは何か?を説明し、続いて焚書図書を一部具体的に紹介していく展開となっている。大雑把に言えば、焚書図書紹介部分以降は、著者による焚書図書のやや詳しい書評といった感がある。

     本書で紹介されている焚書図書は、戦記物や諸外国の歴史・政治事情を記した物等があるが、これらを読むと当時の日本人がいかに感じ、思考し、物事をどのように捉え、どのような常識をもって観察していたか等等がひしひしと伝わってきます。

     焚書図書の紹介は、原文そのままの引用、著者による解釈・説明、が交互に記述されていく形式となっています。

     尚、あえて付記しておくと、本書は「歴史事実」の分析書の類ではありません。焚書図書を再発見し、当時の日本人の物事の捉え方や思考・思想等に接して研究することに重点があると判断されます。ゆえに文章の記述に、著者の推論による断定的な記述、主張が散見されますが、本書の目的を考えれば特に問題はないと思われます。

  • 衝撃的な一冊。

    日本の敗戦時、物理的、肉体的に占領されただけではなく、それまで日本人が得ていた考え、知識まで、焚書と言う形でGHQに捨てさせられていたという事実。

    なかには戦争感情を煽るだけの書もあったかもしれないが、世界を(当時)新興国日本からの視線で冷静に分析したような良書もあったはず。

    アメリカの日本に対する知識層への、究極のホロコースト、ジェノサイドと言っても過言ではない。

    続巻が出てるようなので、これは読まなくてはいけない。

  • 7769点あると言われているGHQの焚書、戦後は読めなかった本を紹介。日本人をコントロールするという意味では非常に大きな意味を持っていた。新聞、ラジオ等のメディアも当然、検閲にかけられていた。現在の当たり前と思われている日本人の考え方に疑問を持ってしまう。憲法9条、集団的自衛権についての半数以上の日本人の考え方はこの教育によるものが大きい。

  • 戦前戦中の出版物7769タイトルがGHQに没収された。その経緯とその中から17冊を取り上げて解説している、シリーズ第1弾。
    著者はこの本で占領政策を批判し、自虐史観をくつがえす論陣を張っている。
    時間を経過したものを暴き、全貌を明らかにすること、また一冊一冊読み解説を施すこと、どちらも大変な作業である。ゆえに、この問題について正面から論じていることに脱帽する。
    それ以前の明治から戦前までも国内で言論統制が敷かれたこと、発禁となり体制を批判する文書は減少したこと、それでは、まともな議論が出来ていたとは思えない。
    読み手としては熱が入りすぎて他国を貶める気持ちにならぬよう気をつけたく、そしてこれから先も言論の自由は守られなければならない。プロパカンダを疑い常に冷静な判断をしていくことが問われている。


  • 中国を見抜いた戦前の日本、とあり気になって読んでみたら面白い。

    まだ初めのほうしか読めてないが、戦前の日本が中国人の国民性を調査した報告として、80代まで機会を待った太公望の話や、憤死という概念など、表面的な内容よりも本質的なところを論じていて、どこまで調べてんだ日本諜報部は・・・と思った。

  • オーストラリア、カナダ、アメリカ、この三国の先祖が、イギリスの犯罪者たちの移民だったとは、知らなかったなあ。

  • フォトリーディング。戦後GHQがした陰湿な(人知れず洗脳すると言う意味の)焚書についてと、実際に焚書された本の内容を引用しながら解説する本。とても良い本を焚書しているように感じた。以後、高速を交えて熟読する。

    読了。

    日本人を元気にさせないための米国の戦いは戦後も続いていたと知った。

    また意外にも大東亜がイギリスの弱体化を米国が危機に感じ、日本に対する封じ込めをしたことによると知った。それと、オーストラリアが反日的であると分かった。かの国は日清日露以後の米国の日本に対する感情のようなものを自分たちも持ち、また南太平洋に対する帝国主義的な領土野心を日本人が砕いたことに対する恨みのようなものから日本人を毛嫌いしているのだろうことも知った。

  • 本当の日本の姿を知りたかったら読むべき。先人たちの強さが解る。

  • 帯文:"7000冊以上の焚書によって生じた日本現代史の巨大な空白をどう埋めるのか"

    目次:第1章 「GHQ焚書図書」とは何か、第2章 占領直後の日本人の平静さの底にあった不服従、第3章 一兵士の体験した南京陥落、第4章 太平洋大海戦は当時としては無謀ではなかった、第5章 正面の敵はじつはイギリスだった、第6章 アジアの南半球に見る人種戦争の原型、…他

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著者プロフィール

西尾 幹二(にしお・かんじ):1935年、東京生まれ。東京大学大学院修士課程修了。ドイツ文学者、評論家。著書として『国民の歴史』『江戸のダイナミズム』『異なる悲劇 日本とドイツ』(文藝春秋)、『ヨーロッパの個人主義』『自由の悲劇』(講談社現代新書)、『ヨーロッパ像の転換』『歴史の真贋』(新潮社)、『あなたは自由か』(ちくま新書)など。『西尾幹二全集』(国書刊行会、24年9月完結予定)を刊行中。

「2024年 『日本と西欧の五〇〇年史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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