殺人鬼フジコの衝動

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 140
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198626471

作品紹介・あらすじ

一家惨殺事件のただひとりの生き残りとして、新たな人生を歩み始めた十歳の少女。だが、彼女の人生は、いつしか狂い始めた。人生は、薔薇色のお菓子のよう…。またひとり、彼女は人を殺す。何が少女を伝説の殺人鬼・フジコにしてしまったのか?あとがきに至るまで、精緻に組み立てられた謎のタペストリ。

感想・レビュー・書評

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  • はじまりは惨殺惨殺事件…犯人逮捕には至らず迷宮入り、生き残りの十歳の少女が、その後どう生きていくか…タイトル通り殺人鬼となってしまうのだが…虐待とか殺害のシーンがなんとも言えず読んでいてつらくなる…後味の悪いイヤミスでした。あとがきを読んで、こういうことだったのか…と驚愕しました!このあとどうなるの?が気になって一気読みできましたが、また読みたいかと言えば微妙な感じです…。

  • ただただ怖い。
    読むのは2度目だが、タイトルのインパクトに惹かれて数年ぶりに再読。
    タイトルの割に中身が微妙な作品が多い中、完全に甘くみていた。
    読んだ後、終わった安堵で一気に力が抜ける感覚がした。
    個人的に、人間関係特有の嫌な細かい描写やグロテスクな表現は、途中読むのを止めようかと思うほど辛かった。特にフジコの幼少期は、感情移入をしてしまうと、息が詰まって呼吸が苦しくなった。作り話でも、どこかで似たような経験をしている人がいると思うと、身震いがした。
    それでも読み進めてしまうのは、イヤミス特有の魅力だと思う。
    終盤にかけて、最初より描写が柔らかくなったのか慣れたのか読みやすかった。
    女性特有のマウントやねちっこさの表現がリアルで、同性として共感できる部分が多々あって苦しい。
    身体の内部に痛みが走る読書体験はなかなか無いと思う。
    思わず一気に読み進めてしまった。
    前回も暫くは読みたく無いと思ったが、忘れた頃にまた読みたくなると思う。

  • 真梨幸子さん好きなのですが
    これ、遅めになりました。
    そして、今まで読んだ真梨幸子作品の中でも
    特にどんよりしましたが、面白かったです。
    面白かったという表現は適当でない気もするけれど、止められなかった。
    そして、ほんとなのか作り物なのかわからなくなり読んだ後もまた最初に戻りたくなる感じでした。

  • 先が知りたくて一気に読んでしまった。読み終わったあと、はーっとため息。
    フジコは操り人形だとしても、どこかで自分の人生を自分自身で軌道修正できたのではないかしら…殺人鬼だけど、心の隅で同情してる自分がいます。黒幕のほうが、よほど怖かった。

  • はしがきと本編と、そしてあとがきで構成されているストーリー。タイトルにもなってるフジコの殺人鬼としての一生が綴られている。ひたすらフジコの同情的な一生はただ単に憎しみだの妬みだのそんなお話なだけに見える。解説のような物語の一部である、あとがきでこの本のイメージが変わった。死人の多い話だが、それでもフジコなんかよりもゾクッとするあとがきが、ご飯のあとのデザートみたいに「ああ、このかんじ」と満足させてくれて面白いと思った。ちょっとかっこつけた文になっちゃった。

  • 久々にこんな気分になる小説を読んだ。
    言葉は悪いが「胸糞が悪くなる」というのはこういうのを言うのだろう。

    何も残らない、どこまでも不愉快な気分だけが湧きおこる小説だった。
    でも一気読みしたけどね。

  • 衝撃を受けたことに星5つ

    ミステリーも最近はあまり読んでいなかったし
    サイコパスとかホラーとか読み慣れていないので
    背筋が凍る
    ぞわぞわ〜な怖さ初めてかも

    あとがき
    にさらに衝撃をうけた

    怖くて怖くて
    早く読み切ってしまいたくて
    猛スピードで読みました

  •  人間の黒い部分がふんだんに盛り込まれている。恐ろしいです。

  • 怖すぎる…
    大どんでん返しを期待して読み始めたが、前半のいじめの描写は本を閉じようと何度も思ったほど…

    あとがきまで読んで、一つの作品となるわけだが
    「うわーそうだったのか!騙されたーー」という爽快感は全くなく
    ただただ後味が悪い…。

    ただ、どんどん読みたくなる書き方はさすが。
    親と同じになんてなりたくないと言い続けた主人公が、同じ運命を辿っていく様は「おぉ…なるほど」と声が出た。

  • ネグレクト家庭で育ち、学校ではいじめにあっていた主人公。父母妹が殺され、叔母に引き取られる。それまでの悲惨な暮らしから一転平穏な人生を送れるかと思いきや、クラスで飼っていた鳥の死をきっかけに最初の殺人をおかしてしまう。高校生での妊娠、結婚等を経て、忌み嫌っていた親と同じような人生へと転落していく。そして自分を守るため、欲望を果たすために次々と殺人を繰り返していく。母の妹である叔母、最初の被害者の母親、主人公の3人の娘なども登場し、どうやら単純な殺人鬼の人生譚ではなさそう。

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著者プロフィール

1964年宮崎県生まれ。1987年多摩芸術学園映画科卒業。2005年『孤中症』で第32回メフィスト賞を受賞し、デビュー。2011年に文庫化された『殺人鬼フジコの衝動』がベストセラーとなり、”イヤミス”の急先鋒として話題に。2015年『人生相談。』が山本周五郎賞の候補となる。そのほかの著書に、『5人のジュンコ』『私が失敗した理由は』『カウントダウン』『一九六一東京ハウス』『シェア』など多数。

「2023年 『まりも日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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