評決

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 71
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198629847

感想・レビュー・書評

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  • 同年同日生まれの雅江と英理佳は、子どもの頃、双子のようにいつまでも仲良しでいようね、と誓い合った。それから19年、ふたりは殺人事件の法廷で再会する。一方は裁く側、他方は裁かれる側として-。裁判員裁判ミステリー。
    導入部分から惹きこまれ、中盤であっと驚く展開、終盤でさらにどんでん返し…と、一気に読ませる力のある作品だった。設定が「作り過ぎ」の感がするものの、裁判員裁判とミステリーを融合させること自体難しいのだから仕方ないのかも。結末に賛否ありそうだけれど私はこれもありかと思った。
    (B)

  • 「同年同日生まれの志村雅江と畑中英理佳は、子どもの頃、双子のようにいつまでも仲良しでいようね、と誓い合った。それから19年。ずっと音信不通だった2人は、運命の糸に導かれるようにして、殺人事件の法廷で再会した。一方は裁く側の人間、他方は裁かれる側の人間として―。裁判の行方は?そして2人は…?裁判員裁判ミステリーの傑作、書下し。」という紹介文を見て、おもしろそうだなぁと思い手にした本。
    この紹介文をよ~くよ~く読んでみてください。
    そして本をぜひとも読んでください。
    「えぇ?!そういうこと?!」って衝撃が走ると思います。
    すごく読み応えのあった本でした。
    裁判員裁判っていいのか悪いのか。
    問題が浮き彫りになったような気がします。

  • 『評決』
    -深谷忠記-



    小学校の時に仲の良かった2人が法廷で再会する。
    一方は裁く側で、もう一方は裁かれる側。

    まさか裁判官になった方が裁かれる側とは驚き。
    そして裁判員として雅江が選ばれるとは。
    雅江は補欠だったが、佐々木さんを裁判に来られなくして裁判員の座を手に入れた。
    その後何にもなかったけど、佐々木さんの娘はは大丈夫だったってことかな。
    英理佳は無罪となるが、今度は雅江が裁かれる側に。

    誕生日が同じ2人は共に母親の殺人で法廷に立つ。
    この展開は好きなんだが、最後の最後で雅江の判決が載っていなかったのが気に入らない。
    なぜ「主文…」で終わるの?
    曖昧な終わり方は好きじゃない。

    英理佳が無罪になったから双子のように仲良しでいようと誓った雅江も無罪ってことを言いたかったのか?

    分からない。

  • 以前に読んだ記憶はあるけど、すっかり忘れてました。。
    雅江が最後まで、いじけているというか逆恨み女王というかなのが・・・。
    すっきり終われない・・・。
    まあ、雅江に乗っかって、自分も無罪なんだという免罪符をもらいたいエリカもエリカなんだけど・・・。

  • 読了

  • 誕生日が同じで一時は大親友だった2人が
    法廷で出会う…

    題材が面白かった。

  • 裁判員制度も少し取り入れられた、法廷ミステリ。裁く側と裁かれる側のそれぞれの物語が入り混じり、なかなかに予測のつかないストーリーでした。いつ自分も、こういう立場になるかは分からないのですね。
    しかし怖いのは、この作品に登場する女性たちのやや歪んだ意識。親子関係もそうだけど、彼女たちのお互いに対する共感や嫉妬やが、分からないでもないながらどこかしら歪んでいるなあ、と思いました。ラストの彼女の思いは、特に怖い。

  • 今年から始まった裁判員制度を扱ったミステリー。
    裁かれる側と裁く側、裁判員制度というよりも裁判そのものの危うさが問題提起されているようにも感じた。

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著者プロフィール

1943年東京都生まれ。東京大学理学部卒。82年『ハーメルンの笛を聴け』で第28回江戸川乱歩賞候補。85年『殺人ウイルスを追え』で第3回サントリーミステリー大賞佳作。〈壮&美緒シリーズ〉に代表されるトラベルミステリー、『自白の風景』『黙秘』『審判』『目撃』『無罪』などの法廷ミステリー、『「法隆寺の謎」殺人事件』『人麻呂の悲劇』などの歴史ミステリーにも定評がある。

「2023年 『殺人者 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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